「宇田川源流」【大河ドラマ麒麟がくる】撮影は中止しているけれども新しいキャストが発表で期待が高まる

「宇田川源流」【大河ドラマ麒麟がくる】撮影は中止しているけれども新しいキャストが発表で期待が高まる

 大河ドラマが面白い。今週もなかなか面白かった。

本来は明智光秀の物語のはずであるが、しかし、その焦点が「本能寺の変」であるということを考えれば、当然に、その対象である織田信長の人間性ということが書かれなければおかしくなってくる。

幼い頃から母に遠ざけられてきたことを嘆く信長。しかし、土田御前は「そなた(信長)は、いつも私の大切なものを壊す」と切り出すと、「幼き頃より、そなたはいつも物を壊し、私を傷つけた」「そなたがそばにいるだけで私の心は穏やかではなかった」と非難し、「それを癒やしてくれたのが信勝であった」と告白。ここで土田御前は、「そなたはまた、私の大切なものを壊したのじゃ、私の大切なものを」と信長に迫ると、頬に手を当て「そなたは弟を殺しただけではない。この母も殺したのです」とその場に泣き崩れる。その後、信長は帰蝶(川口春奈さん)を前にし、「終わった……。わしは父も弟も母も失った……」と悲しみに暮れる。このように、親族によって見捨てられ愛情を失ってしまってきた織田信長、そしてその織田信長を陰で操る、といっては申し訳ないが、しかし、ある意味で信長を完全にプロデュースし、そして信長を自分の父である「マムシ」の再来に仕立て上げようとした帰蝶、この人間模様の書き方はなかなか面白い。

一方で伊藤英明さん演じる斎藤義龍が、光秀(と京で再会。自分と手を組み美濃を大きく豊かな国にしようと持ち掛けるシーンがある。しかし、光秀は、以前に道三(本木雅弘さん)から「誰も手出しできぬ、大きな国を作れ」と言われたことを明かしつつ、「今は自分でもどうしてよいのか分からぬ。しかし、道三様のそのお言葉がずっとこの胸の内にあるのだ」と説明し、結局、義龍の申し出を断り、2人は決別してしまう。光秀の決心が揺るがないことを悟った義龍は、「分かった。行け」「さらばだ。もう会うこともあるまい」と別れの言葉を光秀に送る。これが今生の別れなる。いわゆる「ナレ死」といわれるナレーションでの死亡告知。まあドラマだから仕方がないが、なかなか悲しいものがある。

今井翼らNHK大河「麒麟がくる」新たな出演者発表

 NHKは18日、大河ドラマ「麒麟がくる」(日曜午後8時)の新たな出演者を発表した。

 織田信長の家臣、毛利新介を今井翼(38)、織田家宿老、佐久間右衛門尉信盛(さくまうえもんのじょう・のぶもり)を金子ノブアキ(38)、越前・朝倉家の家臣、山崎吉家を榎木孝明(64)が演じる。

 今井は「大河ドラマには今回で3回目の出演となりますが、今川義元にとって重要な回に出演できたこと、心から感謝しております。今川義元を討ち取るという要の役を演じるにあたり、毛利新介の出世欲、強い執念を目的に演じさせていただきました。身に余る演出をつけていただき、胸が高鳴る時間を過ごさせていただきました。壮大な桶狭間の戦いのシーンにぜひともご注目ください」。

 金子は「久しぶりに大河ドラマの現場に帰って来る事が出来ました。本当にうれしいです。ここまでに培った全てを注ぎ込む所存です」。

 榎木は「山崎吉家は朝倉家に仕えた文武両道の武人で、外交にもたけた人物とありました。そこまで聞くと後は自分の中で自由に魅力的な人物像を作って行こうと思います。歴史はよく勝者の書き残した歴史とも言われますが、役者も役をいかようにでも膨らませて行ける強みがあります。サバイバルゲームのような下克上の戦国時代を必死で生きる、きもの据わった武将をイメージしています」とそれぞれコメントした。

2020年05月18日 14時27分 日刊スポーツ

https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12168-05180341/

 信長と光秀、この二人の対比性がしっかりと書かれている。信賀はあ、人を愛し、そして人を求めて生きてきたのに、自分が他人に理解されず、そして他人から遠ざけられ捨てられてしまう。そこからくる人間不信がその後の人間形成に出てくる。人間不信であるから合理性と功利性で物事を構成する冷静な頭ができる。単純に「感情を捨てることによってもっとも合理的な決断を常にできるようになる」ということになる。

一方「他人に求められながらも、なぜか、死んだ人(道三)への忠誠心から、人の求めに応じることができない」という「義理と感情に挟まれる愛にあふれた生活」をしている光秀は、常に、合理性よりも感情や義理を重んじるような性格に書かれているのである。この二人の性格の対比こそが、後のすれ違いになり、同じ未来を求めながらもお互いを許せない内容になってしまう。ある意味で、「情を求めるがゆえに合理性を超えたものを求めてしまう」信長と、「義理を求めるがゆえに、情を捨てざるを得なくなった光秀」というようなところが、最終的に「同床異夢」そして本能寺の変につながってゆくという、非常に「男性の人間の心がどうやって成長し、そしてその心がどうやってすれ違ってゆくのか」ということをしっかりと書いて、そしてそれをドラマの重要部分の伏線に使っている。そしてそれをうまくつなぎ合わせている帰蝶・駒・煕子という女性たちがまた個性的に演じているのである。

なかなか面白い。

さて今日はその麒麟がくるに新たなキャストが発表された。織田信長の家臣毛利新介を今井翼が行うという。毛利新介は、桶狭間の戦いで今川義元の首をとる武将である。なお、後に黒母衣衆という近衛部隊になり、本能寺の変の時には織田信長に随行、最終的には織田信長の息子信忠につき従い、その場で討ち死にしている。

佐久間信盛が金子ノブアキ氏であるという。佐久間信盛はなかなか明智光秀とはかなり縁の深い武将である。信長は初めのうち光秀を信盛の下に着けていた。堅田砦の戦いなど様々な戦いで本来は総大将が佐久間信盛である。松永久秀が一回目に反旗を翻す時(この時は許されるのだが)や天王寺砦で光秀が病気になる時なども、この佐久間信盛が深くかかわる。基本的に信長とはあまり相性が良くないようであり、その後、信長に追放されている。最終的に毛利のところに行くといいながらも途中で病死している。

山崎吉家を榎木孝明氏。朝倉義景の老親で、もともと朝倉氏が斯波氏から独立を果たした時の一群の将である。その後、外交を行い、朝倉と信長の戦いの才には武田信玄や上杉謙信との外交を一手に引き受ける。姉川の合戦の後も、朝倉の将として戦い、織田二条に山崎丸とう独立の廓を作って戦うなど様々な戦いを行っている。天正元年8月14日、刀禰坂の戦いでは退却する朝倉軍の殿軍を任され奮戦したが、織田軍の執拗な追撃の前に力尽き、弟である吉延(吉清)・珠宝坊、子・吉健ら一族のほとんどを含めた多くの将兵と共に戦死した。光秀のように足利義昭とともに織田方に行ってしまった人と、最後まで朝倉家に入った人の大将はなかなか興味深い。

このように光秀と様々な場面でつながる人が多く入っている。このように先が見えてきてまた人間ドラマをどのように書かれるのが華なかなか楽しみである。

宇田川源流

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