「宇田川源流」 2019年日本の10大ニュース
「宇田川源流」 2019年日本の10大ニュース
さて年末になった。
今年もいつもほぼ勝手に(このブログを始めたころに読売新聞の方に許可をいただいた記憶があるが)読売新聞がアンケートで募集している「10大ニュース」を利用させていただき、それでこの記事を書いている。
それにしても今年も様々なことがあった。さすがに一位であるが、まずは何よりも「令和」に変わったことであろう。天皇の御代替わりは様々な意味で「新しい時代」を感じさせるし、また、その内容に関してもかなり大きな内容になってきているといえる。
読売新聞の10大ニュースは読者のアンケートに基づくものであるが、やはり、日本においては天皇陛下に関するニュースは大きなニュースとして扱われるし記憶に残ることになる。
まあ記憶も何もなく、毎日使うカレンダーの年号が変わるのであるから、否が応でもこのことは意識せざるを得ないということになるのである。
それにしても天皇陛下は126代である。この歴史は間違いなく犯してはいけない内容であり、そして、守ってゆくべきことなのではないか。日本の国内においては、不届きにもこの皇室を守らなくてよいと思っている人がいるようなのであるが、果たして「歴史」というのはそのようなものなのであろうか。「税金」とか経済的な価値の話をしているが、歴史というものはそのようなものではない。まあ、世界最古の木造建築である「法隆寺」がどれほどの価値なのであろうか。それを「日本の金銭で管理しているから、その管理費分しか価値がないし、その管理費ももったいない」などという人はいない。まさにそのような「時間というものに対する価値観がない」人は悲しいなと思う。
ある意味で、今年の御代替わりは、まさに「日本人の価値観が新たに見直された」問うことではないかと思う。
それではとりあえずベスト10を見てみよう。
【1位】天皇陛下が即位。「令和」に改元
平成の天皇陛下が4月30日に退位され、新たに皇太子徳仁なるひと親王殿下が5月1日午前0時、第126代天皇に即位された。
退位は、皇室典範特例法の規定によるもので、天皇の退位は1817年の光格天皇以来202年ぶり。これに先立つ4月1日に決定された新元号「令和」は、「万葉集」から引用された。元号では初めて、日本の古典(国書)が出典となった。
【2位】ラグビーW杯日本大会開幕、日本8強
アジア初開催となるラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会が9月20日に開幕した。日本代表は、グループリーグA組を4戦全勝の1位で突破し、初の8強入りを果たした。
【3位】京都アニメーション放火、36人死亡
7月18日午前、京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」第1スタジオで、男がガソリンをまいて火をつけ、鉄筋コンクリート3階建て約700平方メートルがほぼ全焼した。死者は36人、負傷者は33人に上り、平成以降の火災では死傷者が最多の惨事になった。
【4位】消費税率10%スタート
消費税率が10月1日、8%から10%に引き上げられた。外食や酒類を除く飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率制度や、キャッシュレス決済を対象にしたポイント還元制度も同時に導入された。増税による増収は、社会保障の充実や、幼児教育・保育の無償化などに充てられる。
【5位】東日本で台風大雨被害、死者相次ぐ
東日本では、9月から10月にかけて、立て続けに台風大雨被害が発生した。
【6位】ノーベル化学賞に吉野彰氏
スウェーデン王立科学アカデミーは10月9日、2019年のノーベル化学賞を、リチウムイオン電池を開発した旭化成の吉野彰・名誉フェローら3人に贈ると発表した。リチウムイオン電池の発明はスマートフォンなどモバイル・IT機器や電気自動車の普及などにつながっており、化石燃料に頼らない社会の実現に向けた貢献が評価された。日本のノーベル賞受賞は27人目(米国籍の2人を含む)、化学賞では8人目となった。
【7位】沖縄・首里城が焼失
10月31日未明、那覇市の首里城から出火し、中心的建造物である正殿など計8棟が焼損した。74年前の沖縄戦で焼失したが、1989年に復元工事が始まり、今年1月に全体の工事が終わったばかりだった。琉球王国の王宮だった首里城は、2000年に城壁などが世界文化遺産に登録された「沖縄のシンボル」で、今回の火災が観光に与える影響も懸念されている。政府や沖縄県は、再建に全力を挙げる方針だ。
【8位】ゴルフ・渋野日向子が全英女子優勝
ゴルフの全英女子オープンで8月4日、渋野日向子が初優勝を果たした。男女を通じて、日本勢が海外メジャーで優勝するのは、1977年の全米女子プロ選手権を制した樋口久子以来、42年ぶり2人目。渋野は昨年7月にプロテストに合格し、海外メジャー初挑戦だった。ラウンド中も笑顔を絶やさずにプレーする姿から、海外メディアは「スマイリング・シンデレラ」と呼んで称賛した。
【9位】マリナーズ・イチローが引退表明
米大リーグ・マリナーズのイチロー(本名・鈴木一朗)が3月21日、東京ドームで行われたアスレチックスとの開幕シリーズ終了後に、現役引退を表明した。イチローは1992年にドラフト4位でオリックスに入団。94年から7年連続でパ・リーグ首位打者になった。2000年オフにマリナーズに移籍。大リーグでも10年連続200安打を達成するなど活躍し、日米通算4367安打を記録した。
【10位】徴用工問題で日韓関係悪化
韓国人元徴用工の問題を発端に、日韓関係が「戦後最悪」と評されるほど悪化した。韓国裁判所は1月3日付で、韓国国内にある日本企業の資産差し押さえを認める決定を出した。日本は1965年の日韓請求権・経済協力協定に反するとして抗議。日本が7月から韓国向けの輸出管理を厳格化したことに反発した韓国は、8月に日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)の破棄を通告した。11月の失効直前に破棄は回避されたが、日韓関係全体の改善は見通せない状況が続いている。
【番外】中曽根元首相死去
戦後5番目の長期政権を築いた元首相の中曽根康弘氏が11月29日、死去した。101歳だった。中曽根氏は、1982年11月に首相に就任。「戦後政治の総決算」を掲げ、約5年間の在任中、国鉄、電信電話、専売の3公社の民営化など行財政改革に取り組んだ。外交では、米国のレーガン大統領(当時)と「ロン・ヤス関係」と呼ばれる個人的な信頼関係を結び、強固な日米同盟の礎を築いた。議員引退後も、憲法改正の必要性を説くなど、積極的に政策提言を続けた。
【番外】中村医師 銃撃され死亡
アフガニスタンを支援する民間活動団体(NGO)「ペシャワール会」の現地代表で医師の中村哲さんが12月4日、アフガン東部を移動中に武装集団に銃撃され、亡くなった。73歳だった。中村さんは1984年からパキスタンなどで医療活動に従事し、2000年にアフガンで起きた大干ばつを機に、井戸や農業用水路の整備などに取り組んできた。国内外から長年の功績をたたえ、悼む声が相次いだ。
https://www.yomiuri.co.jp/feature/top10news/20191220-OYT8T50125/
さて、このアンケートを開始したのちに発生したおおきな事件として「中曽根元首相の死去」と「中村医師の襲撃されての死亡」ということが書かれている。この二つの事件に関してはすでにブログに詳しく書いているので、ここに繰り返したりはしないが、この「世界に有名なこの二人の日本人」を失ったことは、日本にとっては大きな損失なのではないか。令和の時代にこの人物に代わる人をぜひ輩出してもらいたい。
さて改めてベスト10を見てみると今年は実に「スポーツ」の話題が多かった。2位にラグビーワールドカップでベスト8になったこと、8位にゴルフの渋野日向子さんの話、そして9位にイチローの引退と、まあ、「令和になって新たなヒーローやヒロイン」が2位と8位に、そして「平成の怪物」が9位にというようなスポーツの世界でも時代の変わり目が出てきたということになったのではないか。
一方、自然事故という意味では「京都アニメーションの放火」が3位に入り「台風や大雨に被害」が5位に入っている。事件や事故ということに関して言えば、様々な問題がある。実際に自然災害は昨年も一昨年も毎年この10大ニュースに入ってくるが、放火事件が入ったのは初めてではないか。日本の文化の発信である「アニメーション」の拠点の火災と惜しい人材が36人も失ったということに関しては、かなりさまざまな意味で残念な気がする。しかし、同時に、この放火犯のような「逆恨み」がどれくらい起きているのかということは考えなければならない。
私はいつも、このような事件もそうであるし政治的な内容もそうであるが、「日本人の感覚の中の権利と義務のバランスがおかしくなっている」つまり「権利ばかりを主張して、社会を円滑にすること、次の世代を作り育てること、日本の国を発展させること」というような「義務」や「責任」を感じる人が少なくなっているのではないかという気がしてならない。働き方改革も少子化もすべて同じ根っこであり、「自分が楽しみたいから結婚したくない」「自分が楽しめないから子育てしたくない」「社会で活躍したいから・・・」というような人も中にはいる。もちろん経済的な問題があったり様々な事情があるが、それにすべて答えているわけでもない。しかし、そのような「個人の欲望」が全くない人がいるであろうか。社会のありようが変化しているということも言えるが、しかし「古い時代のそれらのことが残されていない」ということもあるのではないか。
一方政治の件に関しては「消費税」と「日韓関係」である。
まあ、この二つに関しては何も言う日地う用はないが、消費税に関しても「権利と義務」ということで言えば「増税」を言う人はいるが「行政サービスを受けている」ということを言う人は少ない。「インフラ」などを使いながら「税金は払いたくない」ということが大きな問題にある。
一方、税金の使用に関しても不透明であるし、また、その内容に関しても様々必要である。予算を審議するべきはずの国会が「桜」「モリカケ」では話にならない。国民がわかりにくい話で、予算など重要なことがわからない状態になっている。これでは政治にならないのではないか。つまり「政治」が話題にならないということは、ある意味で「政治を意識していない」ということであるが、一方で、「政治をわかりやすく政治家が伝えていない」ということにしかならない。10大ニュースに桜を見る会などが入っていないのは、それだけ国民の関心からずれていることを国会は行っているということだ。
あとはノーベル賞である。これも10大ニュースには常連である。今年の吉野先生は、その奥様の発言がなかなか交換があって私は好きなのであるが、その研究内容などは毎日使っているスマホなどに入っているとしかわからないのである。できれば、日本もこのような表彰をしてくれたり、あるいは世界でも文系でこのようなことをしてくれるとありがたいのだが。
このほかにも、「高齢者ドライバー」(11位)「煽り運転」(14位)などが話題になった。社会の在り方ということが徐々に問われてきていることになったのではないか。でも今年はスポーツ(大坂なおみの全豪オープンは13位、バスケットボールの八村選手は17位)もあり、ある意味で明るいニュースが比較的多かったのではないか。
さて来年はオリンピックである。どのようなニュースが出てくるであろうか。
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