「宇田川源流」 「いだてん」また出演者による不祥事で災難で「呪われた大河ドラマ」とささやかれる

「宇田川源流」 「いだてん」また出演者による不祥事で災難で「呪われた大河ドラマ」とささやかれる

 なんだか毎週大河ドラマのことを書いている。大河ドラマというのは、なかなか面白く、見ていて様々なことが見えてくる。何しろNHKが基本的には海外にまで衛星放送で流している「日本の歴史ドラマ」である。

この「歴史ドラマ」という言葉がポイントである。そもそも「歴史」そのものではない。あくまでも「ドラマ」である。つまり「創作品」ということであって「真実とは異なる」のである。

私は最近では歴史に関する講演を行うときに言うことがある。「歴史小説作家は嘘つきである」ということである。これは何か。もちろん、本人が嘘をついて人をだまそうとしているのではない。ちなみに、私の知っている歴史小説作家は、みないい人ばかりである。しかし、その本の内容はどうであろうか。前にも書いたが、「小説」というのは、当然に、歴史事実の解釈とは異なり、歴史の事実をもとに、その中の人のキャラクターを考え、場合によっては、仮想の登場人物を作り上げ、そのうえでその人々のキャラクターから導き出される言葉や気持ち、会話、状況を作者の頭の中で作り出し、そしてそれを「本物のように装って小説を作る」のである。つまり平たく言えば「歴史小説のカギかっこの中と気持ちは、ほぼすべて作者の頭の中のフィクションであり史実ではない場合が少なくない」ということになるのである。

さて、「歴史ドラマ」というのは、完全にオリジナルというのはほとんどなく、だいたいの場合は、そのような「歴史小説」や「歴史を扱ったコラム」などを元に作り出す。あくまでも「もとに」であって、全くその通りではない。当然に、登場人物や役者の都合、場合によってはロケの予算の都合や、実際に準備できる小道具などの問題などもあって、必ずしも全く同じものが作れない場合が少なくない。また、歴史小説はあくまでも文字であり、演技とは異なる。つまり、カギかっこも作者の頭の中のフィクションであるのに、そのうえで、表情やしぐさなど、創作の上塗りをする。よってドラマなのである。

だからドラマと史実が異なることはそんなに大きな問題はない。あくまでも「作り物」なのである。しかし、その「歴史ドラマ」をもとに、歴史を学ぶきっかけにしたり、知ることの喜びを知る人は少なくない。当然に「絶対に外せない役柄」などは、当然に重要な配役になる。


チュート徳井の申告漏れで「いだてん」また災難…ピエール瀧逮捕では撮り直し

 自らが設立した会社で1億1800万円もの所得の申告漏れが発覚したお笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実(44)の謝罪会見から一夜明けた24日、関係各所は対応に追われた。

 10本を超える徳井のレギュラー番組のなかでも、注目されるのはNHK大河「いだてん」(日曜・後8時)だ。徳井は1964年東京五輪のバレーボール女子日本代表監督・大松博文役に抜てきされ、11月3日放送の第41回放送から、最終回の第47回まで出演予定だった。

 「いだてん」には苦い前例がある。出演していたピエール瀧(52)がコカイン摂取で麻薬取締法違反容疑で逮捕。2週分の出演シーンをカットして放送し、その後、俳優の三宅弘城(51)を代役に起用。出演シーンをさかのぼって撮影し直すなど、対応に追われた。

 13日放送分が3・7%の視聴率(ビデオリサーチ、関東地区)と大河史上最低を更新するなど視聴率に苦しんでいるなか、「東洋の魔女」を金メダルに導き、日本を熱狂させた“鬼の大松”としてドラマの最後の盛り上げキャストとして期待されていた。今後、戦後編として64年の東京五輪までの希望あふれる明るい話題が展開されることで、視聴率が上向きになる可能性もあったが、徳井の不祥事が水を差す恐れも出てきた。既に撮影は終了しており、NHKの広報担当者は「対応を検討中です」とコメントしている。

 CMでも動きがあった。徳井がCMキャラクターを務める家電量販店エディオンのCMで、24日から徳井が出演しないバージョンへの差し替えが決まった。同社は「今日から差し替えを手配しました。降板ではなく、当面の処置です」としている。また、コンビで就任していた京都府観光大使でも徳井の名前がホームページから削除された。

 「しゃべくり007」など4番組を放送する日テレでは、前日は「予定通り放送する」としていたが、この日「会見を受け、対応を検討中」と変更した。TBSはこの日スタートする「ダブルベッド」を放送。「(今後も)通常通り放送する予定ですが、引き続き事実関係を確認中で確認し次第、改めて判断いたします」と慎重な姿勢を見せた。連日、テレビで活躍していた徳井だが、世間の風向き次第では一気にお茶の間から消える可能性も出てきた。

 ◆吉本は謹慎処分なし

 徳井が所属する吉本興業は、今後、全タレントが受講しているコンプライアンス研修に納税プログラムを加えることを検討している。同社幹部は「納税の義務は小学生でも知っていることで、今までやっていなかったが、これからはやっていかないといけないと」。これまでは反社会的勢力と交流を持たない、違法薬物について、賭博行為や性犯罪などについて講習を行ってきたが、“ノーモア徳井プログラム”を加えることになる。

 事務所として、徳井に謹慎処分などのペナルティーはなし。26日にはコンビでルミネtheよしもとに出演予定だ。

 ◆徳井の謝罪会見要旨(23日)

 ▼なぜ、起こったか。

 「納税の義務は分かっていましたが、想像を絶するだらしなさで、作業をどんどん先延ばしにしていて、来年まとめて申告しようと。ルーズさで3年たってしまった」

 ▼税理士さんの作業は?

 「確定申告をしましょうと言われていたけれど、僕が資料を渡さなかったので、税理士さんも作業ができなかった」

 ▼所得隠しと指摘されたが経費は?

 「洋服代などは仕事で使っているのもは衣装代と思っていたが、100%経費で落ちるものではなかった」

 ▼今後、仕事を続けるつもりは?

 「徳井が出ていると気分が悪いと言われたら、仕事ができなくなっても致し方ない」

 ◆申告漏れとは

 ▼申告漏れ 経理上の単純計算ミスなどの過失の場合。追徴課税は「過少申告加算税」、「無申告加算税」、「不納付加算税」のいずれかと「延滞税」を指す

 ▼所得隠し 所得を減らしたことについて国税庁に故意と判断された場合。売り上げの隠蔽行為、架空経費の計上などがこれにあたる。追徴課税は申告漏れの際の加算税に加え、重加算税が加わる

 ▼脱税 故意で悪質性が高い場合。所得税法、法人税法、相続税法違反(脱税)の容疑で国税庁が検察庁と協議した上で、告発に踏み切る。逮捕、または在宅で調べる時も。

スポーツ報知2019年10月25日06時00分

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/hochi/entertainment/20191024-134-OHT1T50287


 さて、「いだてん」である。

NHK大河ドラマで、今年一年かけてオリンピックにかけた日本の選手にスポットライトを当てた物語である。もちろん、私自身は何の関係もないただの視聴者でしかない。また、この大河ドラマに原作や元となる原案の作品があるのかということも知らない。

それにしても、この大河ドラマはなんとなく不幸が続くものである。そもそも、「戦争の描写などが少ない」「主人公の知名度がない」などのことで、あまり期待されていることもなく、また、歴史雑誌などで特集も少なかったことなどから、そもそも初回からかなりの苦戦が予想された。実際に、脚本家の宮藤官九郎氏も、そんなに悪いものではなかったし、出ている役者の皆さんも、かなりの熱演であるが、何にせよ、先週のブログでも書いたように「死生観」という、人間の一生の中では絶対に避けては通れない内容が少し希薄になってしまっていること、また、スポーツ選手の物語は、昔のオリンピックの物よりも、現在の野球やサッカーの方がリアルタイムで面白いし臨場感がある。また、オリンピックでも来年のオリンピック選手の方がやはり「本物」であって「作り物ではない」ということがかなり出てきていて、非常に面白い。何よりもラグビーのワールドカップのように、まずはしっかりとルールから解説し、そして中継で試合の様子を出してしまっては、やはり物語は勝てないのである。

「事実は小説より奇なり」とはよく言ったもので、本当に、小説は「本物」には勝てないのである。今回そのことがよくわかったのではないか。戦争物は、間違いなく、戦国時代でも幕末でも、日本人が今現在の段階で絶対に「本物」に結びつくことがないので、ドラマでも視聴率がとれるのである。

そのうえで、「いだてん」には、不幸が続いた。春には、ピエール瀧氏が、大麻取締法違反で逮捕され、芸能活動を自粛してしまったために、配役を変えなければならなかった。もちろん、そのような事件であるから制作サイドには何の落ち度もないのかもしれない。しかし、そもそも脚本などは、配役に合わせて書くものであるから、配役が変われば、当然にセリフの言い回しや、雰囲気、全体の会話なども変わってきてしまう。それを作り直すことなく、そのままで撮りなおすだけでは、雰囲気が壊れてしまうのではないか。そのような配役変更があったものは、基本的に視聴者の間でもイメージが悪く、また、配役変更による雰囲気の違いなどから、あまり良い成績にはならない。

そして今回は、また出演者の徳井義実氏である。

13日放送分が3・7%の視聴率(ビデオリサーチ、関東地区)と大河史上最低を更新するなど視聴率に苦しんでいるなか、「東洋の魔女」を金メダルに導き、日本を熱狂させた“鬼の大松”としてドラマの最後の盛り上げキャストとして期待されていた。今後、戦後編として64年の東京五輪までの希望あふれる明るい話題が展開されることで、視聴率が上向きになる可能性もあったが、徳井の不祥事が水を差す恐れも出てきた。<上記より抜粋>

まさに、また大事な配役が一人変わることになったのである。これでは、スタッフがかわいそうと思いながら、何か別に「呪い」でもあるのではないかと疑ってしまうところがあるのだ。一つケチが付くと次々と悪いところが出てくる。そのような感じになってしまうのが最も大きなものではないか。

来年の大河ドラマはぜひ気を付けてもらいたいものである。

宇田川源流

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