「宇田川源流」 日本では香港のデモばかりだが世界ではこんなにデモが起き死者が出ているのに日本の国会は平和ボケの議論をしている

「宇田川源流」 日本では香港のデモばかりだが世界ではこんなにデモが起き死者が出ているのに日本の国会は平和ボケの議論をしている

 日本では10月4日に臨時国会が始まった。とりあえず所信表明演説があり、そして代表質問がある。これは昔から変わらない内容である。基本的に日本国憲法では日本の統治機構において三権分立となっている。「立法(国会)」「行政(内閣)」「司法(裁判所)」である。そして国会の運営は大きく分けて三つに分けられる。まずは「予算」。そして「立法」そして「行政調査」である。この中で行政調査以外は同じ手続きだ。行政、つまり内閣が何らかの形で「行政」を行い、そのうえで国会がその行政の説明を受けて審査をし、審議し、そのうえで国会で多数決で決定するという手続きである。

当然に国会全体であっても、行政が提案して議会が審議をするという順序は変わらない。そこで、まずは行政が「所信表明」つまり「何をするか」を言い、それに対して各会派(政党ではなくあくまでも国会の会派)が代表で質問をする。その後各委員会に分かれて、法案や予算に関して審議をするということになる。

その所信表明演説と代表質問を見ているのであるが、まあ、何をしているのであろうか。ため息しか出てこない。

まずは所信表明でも外交と安全保障は4番目に回された。5つの項目の中で四番目である。まあ、行政の側は、G20/G7/TICADと様々な会議を行いまた日米交渉などもその都度行っていることから考えれば「結果を残しているので『所信表明』ではなく『結果報告』なのだ」と言われれば、それまでかもしれない。しかし、そもそも憲法改正なども「強靭な国造り」ということであるはずだ。

それに対して、野党の代表質問のお粗末さはもっとひどい。そもそも「国会の運営と今後の政治の流れ」つまり「将来の日本の話」をしているのに、相変わらずスキャンダルつまり過去の粗探ししかしていない。それも関西電力の話など「印象操作」に過ぎない。自分たちが政権であった時にどうであったのかも何も発表しない状態なのである。

では、そんなくだらないスキャンダルを行っている間に世界はどうなっているか少し見てみよう。


エジプト反政権デモ、身柄拘束1000人超 人権団体

【AFP=時事】エジプトで先週末行われたアブデルファタハ・シシ大統領の退陣を求める異例の抗議デモを受け、これまでに1000人以上が当局に身柄を拘束されたと、複数の人権団体が25日に発表した。

 20日と21日に首都カイロなど各地で行われたデモは、スペインに亡命中のエジプト人実業家モハメド・アリ氏が呼び掛けたもの。同氏はデモを「民衆革命」と呼び、27日にも「100万人行進」の実施を呼び掛けている。シシ大統領の汚職を糾弾し退陣を求めるアリ氏の動画は、ソーシャルメディアで拡散している。

 エジプト自由人権センターによると20日のデモ以降、これまでに1003人が拘束された。

 一方、エジプト経済・社会人権センターは、1298人が拘束されたと報告している。

 弁護士や家族らによると拘束者の中には、リベラル派の有力政治家や人権派弁護士、カイロ大学の政治学者、ハッサン・ナファ教授とハゼム・ホスニ教授、デモを取材していた記者3人が含まれている。 【翻訳編集】AFPBB News

AFPBB News2019年09月26日18時01分

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/afpbb/world/afpbb-3246480?fm=topics


イラクで大規模抗議デモ 2人死亡、負傷者200人超

【10月2日 AFP】イラクで1日、首都バグダッドをはじめとする各地で大規模な抗議デモがあり、デモ隊と治安部隊の衝突によりデモ参加者2人が死亡、200人を超える負傷者が出た。保健当局が明らかにした。同国で新政権が発足して間もなく1年を迎えるが、不安定な政権に対する抗議デモは初めて。

 バグダッドでは1000人余りが抗議デモに参加。治安部隊が発砲や催涙ガスで群衆を追い散らした。保健省によるとバグダッドの抗議デモで1人が死亡、200人が負傷した。死傷者のうち民間人は160人だった。同省は他の詳細については明らかにしていない。

 医療・警察筋によると、負傷者の大半は催涙ガスを吸い込み治療を受けている。中にはゴム弾で撃たれて負傷した人もいた。

 ディカル(Dhi Qar)州の保健当局の話では、同州のデモ参加者1人が死亡、2人が負傷した。

 今回の抗議デモは、昨年10月末にアデル・アブドルマハディ(Adel Abdel Mahdi)氏が首相に就任して以降最大規模となった。新政権発足数か月前の2018年夏には、南部バスラ(Basra)で抗議デモが発生していた。

 同首相に対する不満はこの1年くすぶり続けていたが、バグダッドでは比較的、平穏が保たれていた。しかしさまざまな要因が重なり今週、市民の怒りが噴出したとみられる。

(c)AFP/Ammar Karim 2019年10月2日 6:18

https://www.afpbb.com/articles/-/3247498


 あくまでも、「日本の政治家に対して警告を発する」意味でのブログのつもりであり、本来であれば、エジプトもイラクも双方ともに一つの話題でやるべき内容であるが、どちらも似たようなものであり、また、あくまでも日本への警告であるということから二つまとめて「概説的に」行うことにする。

そもそも、「アラブの春」というのは正しかったのかということが挙げられる。ある意味で、「イスラム教」に「民主主義」を持ってゆくということが、宗教の倫理や宗教哲学的価値観と、一方で、民主主義という「平等」の意識が同じであったのかということが考えられなければならない。基本的に「神に近いものが政を行う」ということは、そのことから「神からの距離感で序列を定める」ということであり、それは人間の序列化ということになる。一方で、「平等に神から与えられた人権を付与する」ということは「神から等しい距離を男性も女性も、すべての命に対して行う」ということであり、イスラムの政治と、人権という考え方は必ずしも合致するものではない。イスラム教の場合「男性が政治を行い女性は子供を育て家庭を守る」ということで「役割分担論」になっている(これを女性差別というような言い方をする人がいるが果たしてそうなのであろうか)。ヨーロッパの場合は同じ一神教であるが、早くから宗教と政治が分離しており、「王権神授説」などが存在していたので、民主主義的な内容が可能になったが、イスラムで同様のことを理論化するのはイスラムの解釈から変えなければならない。環境も、生活習慣も異なるところで、そのようなことを強制したところで何とかなるものではない。

そのうえ、中東は資源地帯であったことから、早くからヨーロッパが様々な工作を行った。映画「砂漠のキツネ」などを見てわかるように資源欲しさに様々なことをしていたことがわかる。そのように「強制的・武力的」に支配して押し付けられた価値観でなんとかなるようなものではない。ユダヤ教などはまさにその状況であり人間の価値観や長年続いた習慣を変えさせるのはかなり難しい。

そのように考えた場合、「アラブの春」とか「湾岸戦争」というものが残した価値観はどのようになっているのかということが非常に大きな問題になる。そして、その革命的な方法の跡の「揺り戻し(リバウンドといった方がわかりやすいか?)」が必ず来るのである。フランス革命でも「帝国制」と「共和制」を行ったり来たりしている。ルイ十六世がギロチンで処刑台の露に消えた後もナポレオン、ナポレオン三世と、皇帝が出てきていることを考えれば、当然に、イスラムも簡単に行われるものではない。

さて、そのような歴史的なことを踏まえたうえで、「日本はどのようにするのか」ということを考えなければならない。つまり、中東やアラブ地域において日本はその地下資源やエネルギーを依存している率が高い。そのように考えた場合。「アメリカと一緒になって民主化を求めるのか」それとも「同じ民主化を求めるにしても、何か別な方法で平和的に説得する」のか、あるいは「中国のように経済的に罠を仕掛けて絡め取る」のか、様々なことが考えられる。日本は、「けがの功名」ではあるが外交力が低かった。その分アメリカや中国のような強烈な個性や軍事力を背景にした交渉を行っていない。イランなどの場合は、仲介役に入ることができるほどの内容である。そのように考えた場合「日本のその独特の世界的なスタンスをどのように使うのか」ということが非常に重要になる。

そのときに、これらの情報が入っていないということがよいのであろうか。国会でスキャンダルを追及しているような暇があるのだろうか。

なお、このデモについては、改めて触れなければならないとは思っている、

宇田川源流

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