「宇田川源流」 自民党の研修会が行われるというニュースから見る「なぜ野党はやらないのであろうか?」という疑問
「宇田川源流」 自民党の研修会が行われるというニュースから見る「なぜ野党はやらないのであろうか?」という疑問
自民党の各派閥で勉強会が行われているというような報道がされている。実際に、国会の休会中、地元に帰って選挙などに近いような有力者の訪問を繰り返したり、あるいは、盆踊りを踊ったり、そういうところであいさつをして「顔を売る」というような人が少なくない。ちなみに、現在埼玉県で県知事選を行っているが、衆議院の穀田議員と立憲民主党の赤松議員(元農水大臣)は、中南米それもキューバなどを歴訪していて、その歴訪先から埼玉県知事選の指示を、埼玉県の共産党や労働組合に国際電話でしているということで、かなり、話題になっている。もちろん、自費または自分の政党の資金で言っていただく分には構わないが、しかし、国際電話で埼玉県知事選の指示を行うというのは、良いことなのであろうか。それならば中南米などに行かず、選挙の指示をすればよいのではないかと思うのは、何も私だけではないと思われる。
もちろん、共産主義者の人々にとってキューバのカストロ議長やチェ・ゲバラの功績は、それなりに学ぶことがあるのかもしれない。しかし、残念ながら日本においてその勉強の成果がしっかりと出されたり論理的に説明が「国会の場で」行われたことはない。政党内の内輪で話されているようなもので、国会の審議の場で、「共産主義と資本主義」「社会主義と民主主義」の違いが議論されたことなどはないし、そのことについて、憲法の改正を行うというような提案が共産党や立憲民主党から行われたこともない。つまり、この外遊が「何のために行われたのか」もっと言えば「この外遊が日本の政治のためになるのか」ということが今一つ見えてこないのである。そこまで見に行くならば、埼玉の県知事選挙などに途中で介入せずにしっかりと日本の国のために視察をすべきであるし、憲法を審議する中で、学んだ成果を堂々と発表してもらいたいものである。もちろん、その後の国民の反応に関して、責任を負うものではない。
さて、そのように考えれば、9月に向けて、自民党の各派閥では勉強会を行う計画があるという。
自民党、相次ぎ研修会 人事にらみ派閥「熱い夏」
自民党各派閥の夏の研修会が8月下旬から相次いで開催される。先の参院選で勢力を拡大した派閥もあれば、所属議員数を減らした派閥もある。安倍晋三首相が9月中旬に行う予定の内閣改造・党役員人事をにらみ、派内の結束を図るとともにポスト獲得へ存在感を示す狙いがある。
研修場所として人気が高いのは長野県軽井沢町だ。
竹下派(平成研究会、53人)は25、26両日、各派の先陣を切って軽井沢町を訪れる。インターネットによる選挙運動について慶応大大学院の田代光輝・特任准教授の講演を聴く。
病気療養中の竹下亘会長は参加を見送る方向。会長代行の吉田博美氏も引退し、参院選前に比べ所属議員数は2人減。茂木敏充経済再生担当相と加藤勝信総務会長の2人の「ポスト安倍」候補を抱えるが、派内結束の維持が課題だ。
首相の出身派閥で党内最大の細田派(清和政策研究会、97人)は9月4、5両日、例年通り軽井沢町で開催。楽天の三木谷浩史会長兼社長や国際政治学者の三浦瑠麗さんが講師を務める予定だ。
麻生派(志公会、54人)は9月3日、横浜市で開催。所属議員数は参院選前から2減。研修会では党憲法改正推進本部の高村正彦最高顧問が改憲をテーマに講演する。首相が目指す改憲の実現へ機運の醸成を図り、存在感を示す。
岸田派(宏池会、46人)は9月4、5両日に山梨県山中湖村を訪れる。参院選では、派所属の現職4人が落選。領袖である岸田文雄政調会長の地元で派幹部が議席を失う痛手を負った。繰り上げ当選した衆院議員が加入したものの、所属議員数は49人から46人に減少した。「ポスト安倍」に意欲を見せてきた岸田氏だが、「これほど負けるようでは難しいのでは」(ベテラン)と派内には沈滞ムードが漂う。厳しい状況で結束できるかが鍵となる。
各派で唯一、所属議員数を増やした二階派(志帥会、45人)は9月7、8日に福島県郡山市で行う。東日本大震災の被災地・福島で「復興に寄り添い、二階俊博幹事長がライフワークとする国土強靱化を推進する姿勢を示すのが狙い」(同派関係者)という。勢力拡大の勢いを二階氏の幹事長続投につなげたい考えだ。
石破派(水月会、19人)は9月1、2日に神奈川県小田原市で開き、会長の石破茂元幹事長が講演する予定だ。「ポスト安倍」に意欲を示す石破氏だが、首相の政権運営を批判する手法には派内外から批判も出ている。参院選では応援の人気に陰りもみられ、存在感をどう高めるかが課題だ。
石原派(近未来政治研究会、11人)は9月4、5日に長野県大町市などで開催する。参院選で派内唯一の現職が落選。危機感が高まる中、閣僚ポストの獲得を目指す。谷垣グループ(有隣会、約20人)は9月11日、東京都内で開催を予定し、自転車事故によるけがで政界引退した谷垣禎一前幹事長も参加の方向で調整している。岸田派の一部議員が同グループと兼務する動きも注目される。
産経新聞2019年08月13日21時29分
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/politics/sankei-plt1908130010
昔、派閥の勉強会と言えば、その中で、猟官運動や自民党総裁選に向けての仲間の結束というような意味合いばかりが言われていた。これらが小泉純一郎内閣の時のキャッチフレーズとなった「自民党をぶっ壊す」の「自民党らしきもの」とされていた。しかし、実際にそうであろうか。単純に考えて、派閥というのはそのような「悪しき内容」ばかりではなく、いわゆる「国会の中のしきたり」といえば、やはり旧態依然としているようであるが、そもそも「委員会とは何か」とか「行政調査権をどのように使うのか」など、国会議員でなければ知らないようなことを教えてもらう。どのような言葉遣いが悪いのか、どのようなことは言ってはいけないのか、このようなことを、掃除当番になぞらえて「雑巾がけ」などというが、どんなに話題になった人であっても、鳴り物入りで入った人でも、議員で当選回数の少ない人は皆その様な「雑巾がけ」をさせられたのであった。
そのように「下積み」を経験させてくれる場所であった。実際に国会は、「当選すれば同じ権利」であるが、それでも中には秩序があり、その秩序を守れない人が出てくると非常に困ったことになる。
民主党政権時代に、某女性閣僚が、国会内で写真集の写真撮影をするという「暴挙」を行ったが、そのようなことをしてよいのか。多くの人が従う法律が審議される国会で、そのような秩序を無視した暴挙がなされてよいのかということが大きな議論にあった。そのような人が、現在与党に対して「秩序」などと叫んでいるのを見ると、なんとなく問題を感じる。
さて、そのような意味で、上記記事のように勉強会を行うのであるが、「なぜ野党は勉強会を行わないのか」ということが気になる。もちろん、共産党などはしているらしいがそれを報道しないだけのようだ。もちろんその勉強の内容がよいかどうかは別である。その内容は「赤旗」などに書いてあるようである。
一方そのほかの野党はあまり勉強会をしているということを聞かない。「モリ・カケ問題の追及委員会」など、派手に宣伝して記者会見までしていることを見れば、勉強会をすれば、しっかりと宣伝し選挙民にアピールするつもりであろう。しかし、それができないというのはどのようなことなのであろう。
ろくに勉強もしないで、スキャンダルばかりをやるのが現在の野党なのであろうか。非常に悲しいことなのではないか。私が記者をやっているときでも、「自民党のスキャンダルを教えてくれ」ということで「政策を学びたい」というような話は全くなかった。都合よく解釈してくれる大学教授だけがお友達で、官僚ですら「敵対する」などということは普通の時代であった。何しろ、「政治主導」を掲げていた民主党政権であるからそのようになってしまうのはわかるが、それだけに勉強ができていないのである。その勉強をしないので「あのようなスキャンダルしかできないような国会」になってしまうのである。野党こそ勉強会をすべきではないか。
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