「宇田川源流」 何がよいのかわからない「れいわ新撰組人気」とそれよりももっと人気がない「立憲民主党」という野党の末期状態

「宇田川源流」 何がよいのかわからない「れいわ新撰組人気」とそれよりももっと人気がない「立憲民主党」という野党の末期状態

 久しぶりに日本の政治のことを書こうと思う。今回の参議院選挙で最も注目されたのが、やはり「れいわ新撰組」と「NHKから国民を守る党」であろう。昔から、参議院選挙に関してはかなりさまざまな政党が出てきていた。もちろん当選しないまでも、選挙ごとに様々な主張を持った人があり、参議院は比例区または全国区という選挙制度があり、立候補をすることで、NHKの政見放送で全国に自分の意見を全国に流すことができるのである。その意味で言えば、テレビ放送や選挙公報という自分以外の経費で、自分の宣伝(とはいっても経済的なものではないが)を流せるのであるから、供託金などは安いものだ。現在、深夜番組であっても数千万円であるが、供託金は600万円である。そのような経済効果もよく考えてみるべきかもしれない。

さて、そのように考えると昔から様々な人がいた。私の知っている限りで言えば、そもそも芸能人のコロンビア・トップさんが参議院になってから、実に多くの芸能人がなっていたし、また、毎回出るけれどもダメであった人として、愛国党の赤尾敏や雑民党の東郷健、そのほかにもドクター中松など、様々な人がいたものである。

そのような中でも、今回はなかなか結果として面白かったのではないか。

要するに「少数政党」があって、その政党が、様々な主張をするという感じである。衆議院と違って、小選挙区の政党ではない。その小選挙区ではないということが、ひとつのおおきな「隙間」を作り、その政党が今後参議院の中でどれくらいの活躍をするのであろうか。

いずれにせよ「選挙」というのは、「未来」を託すのであり、その約束が守られるかどうか、あるいは期待感を出す事ができるのかどうかということが、一つの大きな内容になる。これが「立憲民主党」や「国民民主党」は、そのような「未来への期待感を出すことができなかった」という、マンネリ選挙を繰り返したのである。

その結果、どうなるのであろうか。

「れいわ」人気にすり寄る立憲 消費税「廃止」の壁も

 山本太郎氏が代表を務める「れいわ新選組」が1日召集の臨時国会で本格的に始動した。「首相を目指す」と公言する山本氏は、早期の政権交代に向けて野党連携を推進する構えだ。先の参院選比例代表で約228万票を集め、にわかに“野党の顔”となった新党の人気にあやかろうと、自らの勢力拡大を優先させてきた立憲民主党もじわり共闘路線へとすり寄り始めている。(内藤慎二)

 「政権交代するために他の野党と手を組むことは当たり前だ」

 山本氏は1日、国会内での記者会見でこう述べ、立民、国民民主、共産など野党5党派との連携に前向きな姿勢をアピールした。この協調路線を立民は好意的に受け止めているようだ。

 枝野幸男代表は7月31日の記者会見で「野党5党派の枠組みに入っていただける余地があるのではないか」と述べ、近く山本氏と会談する意向を表明した。参院選で政権批判票がれいわに流れたとの見方があり、対立よりも人気に“便乗”する方が得策と考えているようだ。

 とはいえ、消費税の増税凍結を掲げる立民が、廃止を唱えるれいわとの共闘に踏み込むのは簡単ではない。山本氏は記者会見で「5%への引き下げで手を組めるならば政権交代に向けて精いっぱい汗をかきたい」とハードルを下げたが、立民内には減税に根強い異論があり、足並みをそろえられるかは不透明だ。

 山本氏は1日のテレビ朝日番組で、消費税廃止などの訴えがポピュリズム(大衆迎合主義)と評されていることに「人々を救うことをポピュリズムといわれるのならば、『私がポピュリストだ』と言ってやりたい」と語った。枝野氏が党の方針を曲げてすり寄れば、「責任政党がポピュリストに屈した」と批判されかねない。

 れいわとの距離感を図りかねる国民の幹部は「政策の整合性をいかに取るかは枝野氏が考えるしかない」と突き放し、こう述べた。

 「立民が野党をまとめていたら山本氏はれいわを作らなかった。“モンスター”を生んでしまったのは枝野氏なのだから」

2019年08月01日 20時14分 産経新聞

https://news.nifty.com/article/domestic/government/12274-359251/

 先日までの有料メルマガ「ID: 0001647155宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話」(https://www.mag2.com/m/0001647155.html)では、その選挙のことをかなり詳しく行った。その中でも書いたのであるが「政権に反対する」ということが、そのまま票につながるものはなくなったということになるのではないか。そのような「国民のトレンド」を読み取ることができなかったのが、現在の立憲民主党や国民民主党である。つまり「批判しかできない政党」というのが大きな問題であり、「批判しかしないで、政権を取ろうなんておこがましい」というのが本来の話ではないか。

では「れいわ現象」とは一体何か。私なりの定義を書いてみよう。

「れいわ現象」

政治の深いところがわからない人々が、ほかの批判しかできない野党に投票するよりは、少しでも具体的なことを主張する政党に殺到した現象をいう。現在の立憲民主党や国民民主党は批判しかせず、自分たちが何をやるのか、どのようなことを国民に約束するのかが全く見えず、有権者の未来に関して不透明感がある。これに対して、れいわ新撰組は、うまく若者に対して「わかりやすく」そして「具体的に」政策を示すことができ、その実現性などの反論が全く来ない間に、その支持を取り付けたものである。その、与党には投票しないが野党に投票したい野党がないという状態の時に、わかりやすい政党に集中する社会現象のことを言う。

この現象は、実は、3年前の都知事選挙でも存在した。三宅洋平候補の時がそうで、その後も衆議院選挙や参議院選挙などに出ている。

この三宅洋平に関してウィキペディアの起債をそのまま引用する。

<以下ウィキペディアより引用>

2013年3月、「日本アーティスト有意識者会議(略称 NAU)」を政治団体として登録。その後、「”日本社会の価値観を多様にひらく”必要を感じ」、第23回参議院議員通常選挙へ緑の党からの推薦を受け、比例代表で立候補。連日「選挙フェス」と称する集会を展開し、176,970票の個人票を得たが、緑の党が当選枠を獲得できず落選した。なおこの票数は、落選した候補の中で最多の個人得票数であった。

この選挙戦の様子はNHKのテレビ番組『クローズアップ現代』において「新たなうねり」として紹介され、保守派の学者、御厨貴は相手方と同じ目線で訴えかける積極性があったとし、佐藤哲也は若者を中心に共感を生んだことが成功につながったとしてそれぞれ論評を加えた。また、この番組によると三宅は積極的にTwitterを利用しており、選挙期間中、選挙関連ツイートを978件投稿した。リツイートされた件数34,000回は全候補者、党首の中で最多であった。一方、西田亮介は、具体的な政策を打ち出さず若者の共感を得る選挙運動形式について危険性を指摘している。

<以上抜粋>

このように考えると「政治のわからない若者」が新たな動きに対して敏感に反応し、そこに共感を感じて票が集中することは少なからずあったのだ。またそのような票が大きくなり、それが比例で2議席とるまでになったということがなかったということであろう。

問題は、立憲民主党などがそれに「迎合」してしまい、「自分たちでそのような新しいうねりを作ることができず、また有権者の共感を得られない」ということである。もっと言えば「議席を持っている人々が、国民の動きを全くわかっていない」ということが明らかになり、他人の作り出した人気にあやかって、生き残りを図る見苦しい姿になってしまっているということだ。

当然に統一会派など連携すれば、飲み込まれておかしくなるのではないか。過去その様であったのと同じように、埋没してしまうということが最も大きくある。特に、現在のれいわ新撰組の議員は、一人で何かできる人ではない。まさに「労せずして二票手にすることができる野党」ということでしかないのではないか。

そのような「先の流れ」が見えるのか。できるならば立憲などは当初からしっかりとした公約を出しているであろう。現象ができてから批判したり迎合したり、それが今の野党の真の姿なのである。

宇田川源流

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