「宇田川源流」 <現代陰謀説> 中国を戦争に追い込むアメリカの「第三の問題提起」

「宇田川源流」 <現代陰謀説> 中国を戦争に追い込むアメリカの「第三の問題提起」

 「宇田川源流」になって初めての金曜日になった。いろいろ考えたが、この「現代陰謀説」は継続しようと思っている。そこで、今のところ月曜日のマスコミ批判は、そろそろ飽きてきたのでやめて、月曜日は何か違うものを連載するようにし、そのうえで、金曜日の「現代陰謀説」はそのまま継続しようと考えている。世の中にはびこる「陰謀論」と本物の「陰謀」の差をどれほど違うものであるかと認識し、そのうえで、誰が何を考えているかをしっかりと見ながら、日本人として海外で困らないように、そして日本人として正しい行動ができるように願って、「裏で何が起きているか」ということをしっかりと考えて行こうと思っているのである。

 さて、もう一つこのブログでは毎週ということで連載していたのが「土曜日のエロ」であるが、これは当然に「私の心のオアシス」であり、ある意味で「日本人男性の文化論」であるので、そのまま継続することにしようと思っているのである。

 

 さて、その意味で今回も陰謀ということを考えてゆくのであるが、陰謀の中で、最も大きなものは「国家を戦争に導く陰謀」である。歴史的には満州国の査定をした「リットン調査団」や「ハル・ノート」は陰謀のたまものであるということができる。しかし、表向きは「調査」でしかなくまた、「要求書」でしかない。しかし、当時アメリカは日本を調査し、日本が飲めない条件をうまく出させることによって、日本を戦争に引きずり込んだのである。

 間違ってはいけないのは、アメリカは当時、敵国と思っていたのはドイツとソ連である。当時からアメリカの中には「反共産主義(反コミンテルン)」の考え方があった。それが、いつの間にか(しっかり分析すればよくわかるのであるが)アメリカの中に旧ソ連のスパイがはびこり、また日本の中にもゾルゲや尾崎秀美のようなコミンテルンの意向を受けたスパイが暗躍し、日本を対米戦争に引きずり込んだのである。

 ソ連からすれば、当時の二大強国であり反共産主義の日本とアメリカ、そしてイギリスとナチスドイツが互いに国力を削って潰しあってくれれば、これほどありがたいことはなく、その敗戦後にうまく共産主義化すればよいのである。

 その内容にうまく従ったのがドイツである。もともとはいわゆる「ベルリンの壁」で東西に分裂した。そしてドイツ統一後も旧東ドイツ側がうまくマスコミや教育を席巻し、そして共産主義的グローバリズムのメルケル首相による長期政権を作り出したのである。そればかりか、その影響をEUによって広め、フランスまでオランド・マクロンと二代続けて左翼政権を作ることに成功した。

 一方東アジアでは、北海道を接収しようとしたがダメで、日本が占領していた満州と北朝鮮をうまく共産主義化した。しかし満州は中国に取られてしまい、北朝鮮だけが自分の意を受けて動く国家となったのである。

 さて、このように「戦争を引き起こす陰謀」とは、同時に、「戦争が終わった後の長期ヴィジョンをもってその国を根底から変えてしまう」ということを意味している。

 ではアメリカは中国に対してどのような陰謀を仕掛けているのであろうか。

米国務長官、中国に北極圏でのルール順守要請

 ポンペオ米国務長官は6日、訪問先のフィンランドで、米露など8カ国で構成する「北極評議会」の閣僚会合に先立ち演説した。ポンペオ氏は、評議会にオブザーバー参加する中国に「北極圏諸国の主権尊重」などを要求し、国際ルールに基づかない覇権的な行動を慎むよう戒めた。中国が核原潜を北極海に配備する可能性があることについても「注視している」とした。また、ロシアによる北極圏での軍事基地建設に関しても懸念を表明した。(ワシントン 黒瀬悦成)

2019.5.7 産経新聞

https://www.sankei.com/world/news/190507/wor1905070018-n1.html

 先に目的を言っておくが、アメリカの最終目標は「民主化」である。イラク戦争も、イランに対する戦争も、すべて「民主化」を行うためにいったものである。特にアメリカの共和党は「民主化という名の宗教」であるといって過言ではなく、「民主主義でなければ現世利益はない」と信じていて「民主主義のためのジハードを行っている」というような感覚で見ることの方が正しい。そして、その民主化を正当化するために、「独裁国は大量破壊兵器を所有していて、それに対してアメリカという国家は、国を挙げて世界平和のために大量破壊兵器を持っている政府を倒す」ということをやっているのである。

 そのうえで、今回の件を考えてみよう。

中国ももちろん、民主主義国家ではない。一応全人代の代表選挙があるのだが、残念ながら指名選挙のようなものであり立候補の自由も結党の自由もない。そのような中で「選択肢のない選挙をしたことが民主主義といえるのか」ということは非常に大きな問題なのである。そのうえ、習近平国家主席による憲法と党規約の改正によって、終身国家主席が可能になった。つまり、習近平という人物の独裁が可能になったということに他ならない。つまり中東のシリアやエジプト、イランなどと同じで実質的な独裁国家であるということが言えるのである。

アメリカは、その「中国に民主主義をもたらそうとしている」といえば、わかりやすいかもしれない。そのことがわかるのは、アメリカの人権団体など、トランプ大統領側とみられるアメリカ共和党を批判している人権団体などもウイグルやチベットの問題によって、中国共産党を批判しているのである。アメリカでは民主党も中国を批判しており、現在では一部の投資家以外はすべて中国に対して批判的な目で見ており、一部は強硬論をとっているものも少なくない。その多くは経済的な問題がほとんどであるが、その経済問題と、中国の軍事拡張、そして覇権主義的な拡大主義、そして一帯一路を隠れ蓑にしたユーラシア大陸への軍事基地分散などを考えた場合、経済問題をはじめとした中国の軍事拡張と拡大主義の制止、そして、中国政策の破綻を狙っている。

さて、そのうえで今回の問題は何か。

中国の経済問題から始まる覇権主義、拡大主義は、そのまま多くの国に対して警戒感を持たせたといえる。そしてアメリカはその中国問題に関してロシアを味方につけなければならないということをよく知っている。ある意味で、中東やアフリカはある程度従属的なものであると考え、中国に味方するイランやパキスタン、またはシリアなどをつぶせばそこまででよい。つまりシーア派をつぶせばよい。ヨーロッパは経済的なところは別にしても、基本的には中国に警戒感を持っている。そのうえで、ロシアだけが態度があいまいであるということになる。

そこで中国とロシアの対立点の一つである「北極海航路」に関して、アメリカが中国に対して注文を付けるということになるのである。このことはつまり、「ロシアと中国の対立点を指摘し、ロシア側の立場で中国批判を行うことによって中国を敵国とした同盟にロシアをつけることを狙う」という陰謀であることはわかる。それだけではなく、中国における北極海の活動を制止することによって、北極海における中国の軍事活動や潜水艦活動の制御を行うということができるのである。

まさに、このような陰謀を言い、なおかつそれを受け入れられないような人権問題や経済問題を合わせて行うことによって、「リットン調査団」や「ハル・ノート」のような役割をさせるようにしているのである。

アメリカの陰謀は、80年前に日本にやったのと同じ効果を中国共産党に対して影響力を持つことができるのか。

宇田川源流

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