「宇田川源流」【現代陰謀説】 フランスと中国で繰り広げられる左翼的パンダ外交
「宇田川源流」【現代陰謀説】 フランスと中国で繰り広げられる左翼的パンダ外交
毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしてる。
日本の国会でも話題になっているが、日本共産党の議員が、軍事機密や外交機密に関する内容を国会の審議で質問し、その内容を答えないということを避難するようなSNS投稿が出てきている。基本的にその返信を見ていると、おおむね「機密に関する内容を質問する方がおかしい」ということが書かれており、なかなか面白い。
そもそも「共産主義」というのは、いくつかの段階を経ているのであるが、基本的には「人類は平等である」ということを書いており、基本的には全ての成果物を平等に配布するということで、その人の努力や勤務時間など様々なことをすべて無視するという、人間らしさや人間の精神面を全く無視した社会制度であり、そのうえ、それが人類全体であるということから、国境や民族や宗教を全て無視するという政治制度になっている。そのような「人間性を無視した」制度を実現するために「唯物史観」という考え方を採用し、その内容は「実態のあるもの(要するに分配できる物理的に存在するもの)にしか価値を感じない」ということであり、例えば宗教・神などというものは全く考えないし、また、精神、道徳、努力、伝統、文化、歴史、信用等も、目に見えないので全く価値がない。彼らが価値を感じるのは、歴史によって日本を脅迫すれば「金」という分配できる物質に変換するからであり「だからどうした」ということを言えば、その内容は見えなくなってしまう。
そしてこの内容の矛盾を包み隠すために、早く共産主義に参加した人には、利益があり、その利益を誇示することによって、共産主義を広める。同時に、歴史や文化や宗教等によって生活の糧を得ている人々には、「ブルジョワジー」であり「帝国主義」「封建主義」として、その内容を糾弾するということになる。米中対立の本来の対立点はこの共産主義と唯物史観である。逆に唯物史観であるということから、「嘘」等は当然に良いことであり、彼らはモラルそのものが崩壊した社会にあるといって過言ではない。
そのことは、日本に来ている中国人観光客のマナーのない姿を見ればわかるが、このように共産主義そのものの内容を見れば、多くの日本人が感じることができるのではないか。同時に歴史を重視しない人々は、歴史的建造物に落書きをしたり、マナーという面では、公共の場で大声で話すなど、日本人の感覚からは許せないものも少なくないのである。
<参考記事>
地政学上の駆け引きで存在感を見せる中国のパンダ外交―仏メディア
2025年12月12日 6時0分 Record China
https://news.livedoor.com/article/detail/30188217/
<以上参考記事>
そもそもパンダ外交とは何であろうか。皆さんにもなじみがないのかもしれないが、一応その点から見てみよう。
中国のパンダ外交は、「友好」の象徴としてパンダを貸与する一方で、いくつかの効用を同時に持つ装置として機能しています。
・ 第一に、「中国は危険な覇権国家ではなく、柔らかく文化的な大国だ」という自己イメージを他国の世論に刷り込む視覚的なプロパガンダ装置。
・ 第二に、「パンダを受け入れた国=中国と一定レベル以上の関係を維持したい国」というシグナル化。これは対米関係・対EU関係の中での“線引き”にもなりうる。
・ 第三に、貸与契約や研究協力、観光需要などを通じた、長期的な制度・経済の結びつきの形成。
つまり、パンダは「可愛い動物」ではなく、「関係性を固定化するサイン」であり、「『中国と完全には対立しない』という含みを持った選択肢」を相手に取らせる仕組みです。これを「陰謀」と呼ぶか「戦略」と呼ぶかは価値判断ですが、構造としてはかなり緻密です。
今回の訪中では、マクロンは北京で習近平とウクライナ、貿易、そして広義の対欧関係について厳しい議論を行った後、成都でパンダや古代の水利施設などを視察し、より「軽い」ムードで訪問を締めくくっています。報道では「ウクライナと貿易で成果乏しいが、パンダとピンポンでソフトな演出」といったトーンも見られます。
ここで重要なのは、「本題(ウクライナ・台湾・経済安全保障)において明確な合意や譲歩がほとんどないまま、視覚的には『友好的で温かい中国=習近平』のイメージが欧州世論・フランス世論に輸出されている」という点です。
この構造を、「陰謀」として読むならこう整理できます。
・ 本丸である台湾・ウクライナ・対ロシア制裁・経済安全保障の論点では、習近平は基本姿勢を崩さない。
・ その一方で、「パンダ」「古代のダム」「 ping-pong」のイメージを通じて、「中国は話の通じる、文化的で魅力的なパートナー」という物語を上書きしようとする。
・ 結果として、フランスやEU内部で「対中デカップリング一辺倒ではない選択肢」が心理的に正当化される余地が広がる。
ここまで来ると、パンダは単体の「陰謀」というより、「強硬さ(ロシア支援・台湾問題での強硬姿勢)を覆い隠しつつ、欧州の対中分断を進めるソフトな布」を提供していると言えます。
台湾問題において、中国が日本・アメリカ・NATO(広義には欧州)に仕掛けているものを「陰謀」として読み解くと、露骨な軍事行動よりも、認識と時間感覚の操作が中心だと思います。
ひとつの仮説として、次のような構図が見えてきます。
1. 「武力行使は今すぐではない」というイメージの拡散
パンダ外交や文化交流、経済関係の強調は、「中国は長期的安定を望んでいる」「すぐに台湾に手を出すとは考えにくい」という印象を周辺国や欧州に植え付ける方向に働きます。これにより、日本やアメリカ、NATO諸国の中で、「対中抑止への政治的コスト」を上げることができます。
「あんなに友好的にマクロンとパンダ見てた国を、今すぐ露骨に敵視するのか?」という心理的抵抗です。
2. 欧州を「台湾問題から少し引かせる」
習近平にとって、台湾を巡る本格的な危機の際に最も厄介なのは、アメリカと日本・オーストラリア等のインド太平洋諸国に加えて、欧州がどの程度「政治的に」コミットするかです。
パンダや首脳外交を通じて、「EUは米国の対中戦略に自動追随すべきではない」「台湾は欧州の『地政学的優先順位』ではない」という空気をじわじわ育てることができれば、将来の危機時に欧州の反応を鈍らせる効果があります。
3. 「台湾問題=NATOの範囲外」という認識の固定化
習近平としては、「台湾問題をNATOの射程外の問題」として固定したいはずです。
そのためには、欧州に対して「あなたたちの当面の危機はロシアであり、台湾はアジアの問題」という物語を流し込み続ける必要がある。その文脈で、パンダ外交や首脳の文化的演出は、「中国は欧州の敵ではなく、むしろロシアとの関係を調整できる存在だ」というイメージ操作の一部になります。
ここでの「陰謀」は、「台湾問題そのものの非軍事化」ではなく、「台湾問題をめぐる欧州の内部優先順位を下げる」ための物語操作としての陰謀、という整理がしっくり来ると思います。
ウクライナ戦争に関して、中国はロシア寄りの立場を取りつつも、「停戦」「和平」「仲介」といった言葉を用いて、自らを「平和のパートナー」として演出してきました。マクロン訪中でも、ウクライナと貿易が主要議題でしたが、報道によれば、具体的な打開策や中国からのロシア圧力の明確な約束には乏しく、「象徴的な対話」に近いものだったとされています。
ここでの「陰謀」は、次のように読むことができます。
・ 一方でロシアの戦争継続を事実上容認しつつ、他方で欧州に対しては「我々は和平への窓口になりうる」という幻想を維持する。
・ パンダや文化的演出は、この「平和仲介者としての中国」という自己イメージを、視覚的に、感情的に補強します。
この構造は、日本やアメリカ、NATOに対して次のような含意を持ちます。
1. 欧州に「中国との完全な対立は得策ではない」という思考習慣を根付かせる
ロシアに影響力を持つ数少ない大国としての中国を前面に出すことで、「中国を敵に回すと、ウクライナの和平も遠のく」という心理が欧州側に生まれやすくなります。
これにより、対中制裁やハイテク分野でのデリスキングを強める動きに、欧州内部でブレーキがかかりやすくなる。
2. 「対ロ戦線」と「対中戦線」を切り離す
アメリカや日本は、「ロシアのウクライナ侵攻と、中国の台湾への圧力」を同じ構図の中で捉えがちです。一方で中国は、欧州には「ロシア問題は中国を通じて解決可能かもしれない」「台湾は別問題」というラインを刷り込みたい。
その結果、将来、台湾をめぐる緊張が高まったときに、「ウクライナで中国の仲介に期待した欧州」が、対中強硬策を取りにくくなる可能性があります。
3. 日本・アメリカ・NATOの「一体性」を緩める
日本やアメリカにとって理想的なのは、「対ロ・対中を含めた権威主義陣営への対応で、欧州とインド太平洋が一体化する」構図です。
しかし中国にとっては、「欧州はロシア中心、日本とアメリカは中国中心」という分断を維持した方が有利です。マクロン訪中での「パンダと ping-pong」は、この分断を感情レベルで自然化させる効果を持ちます。「欧州は欧州のやり方で中国と付き合う」という言説が強まるほど、日米欧の安全保障認識はズレていきます。
日本・アメリカ・NATOに対する「陰謀」の中身をまとめると、「今回、習近平がマクロンを迎え、パンダ外交を繰り広げたことを通じて、日本・アメリカ・NATOに対して仕掛けた陰謀は何か?」という問いは、次のように言い換えられると思います。
・ 台湾問題に関して:
「欧州の台湾への関心と危機感を、静かに遠ざける陰謀」
つまり、「台湾は世界秩序を揺るがす決定的な問題ではなく、アジア地域の複雑な問題であり、中国とは話し合いが通じる」という物語の構築。
・ ウクライナ問題に関して:
「中国を『ロシアを抑えうる平和仲介者』として位置づける陰謀」
その結果、「中国と対立しすぎるとウクライナ和平も遠のく」という心理的制約を欧州に植え付け、NATO全体の対中強硬姿勢を弱める。
・ 日米欧の関係に関して:
「日米と欧州の認識と優先順位をズラす陰謀」
日米にとっては「ロシアと中国は連動した脅威」だが、欧州には「ロシアは脅威だが、中国とは複雑であり、敵ではない」という感覚を強める。そのギャップを狙い、将来の台湾危機や対中デカップリングに対する国際的な一枚岩を崩す。
パンダは、そのための「可視化された優しさ」であり、「硬い話を曖昧にしたまま、柔らかい印象だけを残す」ための道具です。
この問題は、「パンダ=陰謀」と言い切ることで、実は「可愛いソフトパワーの裏にある、構造化された物語操作や時間感覚の操作」を見抜華なければならない。重要なのは、「陰謀」というラベルを貼って安心することではなく、「どのようにして我々の優先順位や感情が、こうした演出によって微妙にズラされているか」を自覚的に見ることが重要です。
・ 日本としては、「欧州が台湾に対してどれだけ関わる意思があるのか」「中国が欧州をどう位置づけているのか」を、こうしたパンダ外交を通じて読み解く必要がある。
・ アメリカやNATOとしては、「中国がロシアとの関係をテコに、自らを『必要なパートナー』として売り込んでいる構図」を直視しなければならない。
・ そして我々メディアの受け手としては、「パンダ」「 ping-pong」「歴史遺産観光」といった柔らかいニュースの背後で、「何が語られずに終わったのか」「何が曖昧なまま放置されたのか」を見る眼が求められます。
逆に、日本の左翼やリベラル勢力、または、その人々を背景にしてる頭のあまりよくない日本の政治家などは、保守政党であるにもかかわらずパンダ外交を行おうとしている。そのことにも非常に注意しなければならないのではないか。
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