「宇田川源流」【日本報道検証】 火種を撒いた立憲民主党が見苦しい幕引きの無責任
「宇田川源流」【日本報道検証】 火種を撒いた立憲民主党が見苦しい幕引きの無責任
毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」として、まあニュース解説というか、またはそれに関連するトリビアの披露とか、報道に関する内容を言ってみたり、または、報道に関する感想や社会的な問題点、日本人の文化性から見た内容を書き込んでいる。実際に、宇田川が何を感じているかということが共有できれば良いと思っているので、よろしくお願いいたます。
さて今回は、11月26日に行われた国会の党首討論からその内容を見てみたいと思います。現在の国会での関心事項は、高市内閣の政治ということになりますが、その中で中心的な話題は「総合経済対策」「スパイ防止法」そして「日中関係」であろうと思う。
その日中関係の悪化に関しては、すでに何回かここでも取り上げている。私は独自の見解を持っているし、この件に関して海外の人とも話していて、様々な意見交換を行っている。実際にこの東アジアにおける台湾問題は、その捕え方が非常に難しくセンシティブな問題ということが言えるのである。
日本もアメリカも、欧州各国も、1970年代中華人民共和国の膨大な人口と、最貧国であるという事実から、膨大な市場性があるということと、同時にその国における安価化労働力ということから、妥協して中華人民共和国との間に国交を結んだ。それまでは、「中華民国」、今の台湾が国交の中心であったが、人民共和国を「中国」としたのであるその時に国交の条件として「一つの中国」「一国二制度」ということを承認することが条件になったのだ。
さて、この妥協が現代に大きく影響する。このようなことを考えれば、アメリカのニクソン大統領と日本の田中角栄首相は、ある意味で現在の政治状況の原因を作った二人ということができるのであろう。もちろん、その時にはそのようなことがわかるはずがないので、この二人を責めることはできないのが実態であろう。
さて、このような台湾をネタに国会予算委員会で質問を行ったのが、立憲民主党の元幹事長で民主党政権の時に位は外務大臣の経験もある岡田克也氏である。さて、このような歴史があり複雑であることもわかっている内容で、そのような外務大臣の経験がある議員が、このような微妙な問題に関して質問をするであろうか。とくに、この内容に関して、大きな問題になることは明らかである。そのことがわからないほどの新人でもあるまい。
<参考記事>
《高市答弁》“事実上の撤回”発言の野田代表、火種をまいた立憲民主党の“マッチポンプ”に批判集まる
11/29(土) 週刊女性PRIME
https://news.yahoo.co.jp/articles/c57291216e97bc5d860016dc44a119dee599e1a4
<以上参考記事>
さて、もう一度書くが、この岡田氏の質問に対して、高市首相は「台湾で紛争があり、なおかつ、そこに米軍が援護し、米軍と中国の間で新たな戦争が起きた場合は、存立危機事態になりうる」ということを発言した。しかし、朝日新聞と立憲民主党の一部議員や共産党議員、またはその支持者の人々のXなどSNS等への書き込みは「台湾有事は存立危機事態」「日本は戦争に参加」というような内容(一部要約)であった。もちろんほかもそこに追随する書き込みなどを行い、その報道に関して、薛剣駐日大阪総領事が「汚い首を斬ってやる」という、およそ外交官とは思えない、品性のない不穏当な書き込みを行ったのである。
なお、この高市首相の発言に関して、多くの外交官は、もちろん私が付き合っているのは中国寄りの国は少ないのであるが、この発言に関しては、基本的に何の問題もないし、また、従来の政府見解と全く同じであるとしている。もしも何かが問題かを問われたら「台湾という具体的な例を挙げた」という事であろうということになる。
その後の中国政府の対応は皆さんもわかっていると思うのでここでは繰り返さない。
さて、立憲民主党は、当初「日中関係が悪化したのは、高市が悪い」というような、基本的にお決まりの批判しかできない。そのうえ中国の主張に合わせて「撤回しろ」ということを言っているのである。はっきり言って知恵がないのか、「アメリカが援護して、新たな戦争が起きた場合には、存立危機事態になる」という文章のどこに問題があるのかわからないし、台湾と中国の戦争に参加するなどとしたことも言っていないので、撤回する場所はない。このような時に中国と同調して話をしていること自体が「外患誘致罪」に当たるのではないかと私などは考えてしまう。
さて、私と同じような考えをした人は少なくない。そして、この内容に関して「岡田克也が悪い」「岡田克也は中国のスパイである」「立憲民主党が悪い」というようなことを主張し始めたのである。その数はかなり多く、また、直接メールなどで講義をしている人も少なくないようである。また元立憲民主党の議員で会った山尾志桜里氏等も、かなり強い口調で野田代表と岡田氏の主張の矛盾や国会質問の問題点を書いている。
このことは、単純に「小選挙区制の中で、与党を批判することで立憲民主党の支持を上げようとしたところ、かえって立憲民主党の支持を下げる」結果になったものであり、なおかつ、それらの批判的な質問や抗議に対して、立憲民主党が党として対応できないレベルになったということである。本来抗議や質問は真摯に対応すれば逆に支持を増やすことができるが、そのようなことができない状態であったということである。これは、いくつかの種類があって、一つには単なる誹謗中傷なので対応しても意味がないということもあるが、中に派論理的な質問や抗議もあったと思うが、そもそも岡田克也氏が、そのような指摘を受けることを前提に、周辺国との影響などを考慮せずに話したのに違いないし、また、元外務大臣であるにもかかわらず、中国政府のこの反応を予想しないで発言したのである。なお、岡田氏は一般的な質問をしたと言っているが、バシー海峡とか台湾という言葉を使って具体的な事例として質問をしたのは、岡田氏である。ある意味で、今の結果を見れば、岡田氏がスパイと疑われても仕方がないのではないか。
さて、この事態を重く見た野田代表は、26日の党首討論で存立危機事態に関して質問をした。
「まず私の答弁でございますが、存立危機事態の認定、いかなる事態が存立危機事態に該当するかということについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して判断するということ。これは繰り返し答弁をいたしております。
これは平和安全法制成立当時の安倍総理のご答弁もそうでしたけれども、私も繰り返し述べてきたものでございます。
そして、ではなぜそういう答弁をしたかということなんですが、予算委員会でご質問をいただいて、今ほど申し上げた答弁を私はいたしました。」
この発言をもって、「実質的撤回」というように野田代表は評価したということになのである。さて、そもそも「撤回」ではなく「そもそも支持者や中国政府の誤解でしかない」ということをなぜ言わないのであろうか。そのうえで、これは撤回というように考える論理が全くわからない。つまり、「立憲民主党側に、この話を『撤回した』として幕引きをしなければならない」という事情があるということになる。当然に、立憲民主党はぢ亜票団を派遣して中国政府に説明に行くようなことはせず、ただ自己満毒的に「実質的に撤回した」というだけだ。まったくこのように混乱させたというような自覚もなければ、その結果責任も外交上の原状回復を行うことも全く行わない。まさに「無責任」な幕引きを図ったということに他ならないのである。
はっきり言って、「現在の立憲民主党には、政権担当能力、特に外交能力が著しく欠如しており、政権を任せるなどとんでもない」ということが明らかになっただけなのではないか。このような無責任な正統は早くなくなることが国益にかなう事であろうと考える。
0コメント