「宇田川源流」【日本報道検証】 日米黄金時代と媚中外交の二律背反という閣内不一致

「宇田川源流」【日本報道検証】 日米黄金時代と媚中外交の二律背反という閣内不一致


 毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」として、まあニュース解説というか、またはそれに関連するトリビアの披露とか、報道に関する内容を言ってみたり、または、報道に関する感想や社会的な問題点、日本人の文化性から見た内容を書き込んでいる。実際に、宇田川が何を感じているかということが共有できれば良いと思っているので、よろしくお願いいたします。

 さて、今回は、今話題になっているトランプ大統領の相互関税に関する内容を見てみましょう。基本的に日本のマスコミもまたアメリカのマスコミも、「トランプ大統領の暴走」というようなことばかりで、アメリカの相互関税に関して理解を示すようなものはありません。メディアからすれば、アメリカの大統領選挙で「赤っ恥」をかかされたというような、自分たちが予想したものと異なるという、自分たちの取材不足からくるものやアメリカの有権者のトレンドを完全に見誤った思い込みの取材結果の「逆恨み」的な報道が多く、なぜかまったく内容が見えてこないということになる。

これは日本政府も同じで、2月に日米首脳会談で「日米黄金時代」などと言いながら、トランプ大統領の政策の真意を全く理解できていないということが大きな問題である。つまり、「黄金時代」と言いながら、しっかりとしたコミュニケーションが取れておらず、「黄金時代」という言葉だけが独り歩きしている。

そういえば、「黄金時代」とは何が「黄金時代」なのか具体的な内容は全くわかっていない。日米関係も親密で、アメリカにとっての他の同盟国よりもお互いの理解が深まり相互に補完関係が成立し、また、相互の役割分担がしっかりと理解されているということ、それが以心伝心的に行われているということが多分「黄金時代」であり、日本の身勝手が許されるものが黄金時代の内容ではない。残念ながら、石破内閣にはそれくらいのことも見えていないのか、アメリカの真意を全くわかっていないし、また、日本の役割が何かということも全く理解できていない。残念ながら「黄金時代」という抽象的でなおかつ空虚な言葉が独り歩きしていしまっているだけで、具体的に何があるのかなどは全く見えていないということになる。アメリカからすれば「日本がアメリカを関税政策を受け入れることで理解してくれ賛同してくれるのが黄金時代の内容ではないか」といわれても、日本は、その時に具体的な内容を決めていないのであるから、反論もできないのである。

そこまで不安定な、そして思い込みと申そうと言葉遊び的な抽象論で話をしていること自体が、石破内閣の「致命傷」ということができる。

<参考記事>

トランプについて「相性は合うと思う」勘違い石破総理の残念さ…「一体どこの評論家なのか」鬼の関税に何もできない我が国のリーダーに絶望

4/10(木) みんかぶマガジン

https://news.yahoo.co.jp/articles/b4e9d8a367fa537bbdef3d2a87271720eee826ab

日中修学旅行相互受け入れ促進「違うんじゃないか」維新・西田薫氏 岩屋外相は釈明重ねる

4/10(木)産経新聞

https://news.yahoo.co.jp/articles/7fb96c3445e78aa896e38e5873f3661f91c9c086

<以上参考記事>

 今回のトランプ相互関税で、最もよくわかるのは「トランプ大統領の標的は中国共産党である」ということである。

トランプ大統領の第一期政権と第二期政権は、その陣容が大きく変わっている。副大統領は福音派のペンスから貧困出身でティーパーティー派のバンスに代わっているし、また、国務長官もティラーソンという実業界それも石油業界の大物から、ルビオに代わっている。しかし、この中で変わらない人が数名いることに注目しなければならないのではないか。その中の「トランプ経済政策の顧問」といわれる人がピーター・ナバロである。ある意味で今回の相互関税の生みの親であり、日本では「米中もし戦わば」という本の著者として知られる人物である。2016年アメリカ合衆国大統領選挙に立候補したドナルド・トランプ陣営の政策アドバイザーに就任し、トランプ政権の1期目では新設された国家通商会議(後に通商製造業政策局)のトップを勤めている。筋金入りの中国脅威論者であり、日本の非関税障壁や貿易赤字も問題視している。その著書「米中もし戦わば」の中では「アメリカが中国製品への依存度が高ければ、アメリカが中国製品を買うたびに中国の軍事力を増強させることを手助けしているとする。このため中国の経済と軍事を弱体化させるためには、中国との貿易関係を縮小するべきであるとする。アメリカが国際社会でのリーダーシップを維持するためにはアメリカの経済を健全化させることが最も重要であり、そのためには貿易赤字を削減することであるとする」という論を出しているのである。

そのような中で考えれば、「日米黄金時代」などと言いながら、中国に修学旅行の学生を誘致する岩屋外務大臣のような存在は全く理解できないというか、多分「裏切られた」というような感覚を強める結果になる。

昨今、トランプ大統領が日米安全保障条約の不公平性を言い、また、非関税障壁や貿易赤字に触れていることを考えれば、当然院「日本に裏切られているのであるから、日本への特別扱いはすべきではない」というような雰囲気が、大きな内容になってきていることあは明らかである。要するに、岩屋外務大臣が示している。媚中外交によって「日本への配慮をすべてなくし、他の国、場合によっては中国と同様の潜在的敵国としての関係で対応する」ということを行うという感じになってしまうのではないか。

石破内閣からすれば、単純に「トランプ大統領が中国との敵対的な関係を持っている」にも拘わらず「日米黄金時代と王毅外相が来た時の媚中外交という敵対的両陣営への股裂き外交」ということになる。もっと言えば根本的な部分で「どちらの陣営につくのかということで閣内不一致」が起きているということに他ならない。そのような「いつ裏切るかわからない」日本を特別扱いするようなことはないということになる。

米中の貿易戦争がこれから行われる。そのような中で、このような「閣内不一致」で対応できるのであろうか。参考記事にあるように、石破内閣が日本を滅ぼしてしまうことは十分にありうる話なのである。

宇田川源流

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