「宇田川源流」【日本報道検証】 韓国尹大統領の罷免決定の及ぼす影響

「宇田川源流」【日本報道検証】 韓国尹大統領の罷免決定の及ぼす影響


 毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」として、まあニュース解説というか、またはそれに関連するトリビアの披露とか、報道に関する内容を言ってみたり、または、報道に関する感想や社会的な問題点、日本人の文化性から見た内容を書き込んでいる。実際に、宇田川が何を感じているかということが共有できれば良いと思っているので、よろしくお願いいたします。

 さて、今回は、4月4日に韓国の憲法裁判所が判断した韓国の尹錫悦大統領に関して、その弾劾手続きが行われていたところ、その罷免が決定したということに関してみてみたいと思います。なお、この罷免の決定によって、韓国では尹大統領は直ちに退任し、そのことから、60日以内に大統領選挙が行われるということになる。当然に日本には大きな影響があるということになるので、その内容を見てゆかなければならない。

その大きな影響の前に、まずは、何が起きたのかを見てみなければならない。

尹大統領は2022年に韓国の大統領に就任し、日本における徴用工問題などの解決に尽力していたが、日本に近い立場であるとして、韓国の左翼的立場、特に、「共に民主党」の人々からの抵抗が強くあった。そのような状況の中において、2024年12月3日に「従北勢力を撲滅し、自由憲政秩序を守るため非常戒厳を宣布する」と緊急談話を発表し、戒厳令を行った。軍隊を議会に突入させて、「国会と地方議会、全ての政党活動と政治的結社、集会、デモを禁じる」との布告を出した。

しかし、議会は「非常戒厳」の解除要求決議案を可決し、12月14日、二回目の投票で弾劾手続きの瑕疵が決定されたのである。ある意味で、大統領が議会の政党活動の禁止をした後に、戒厳令の停止を議決してしまったり、同じ国会内で同じ議案提出を二回以上出してはいけないというような「一事不再理」がまったく存在しない韓国の議会の手続きには多少驚いたが、まさにそのような状況で、尹大統領の弾劾手続きが決定した。

今回はその弾劾手続きの最終的な決定で、韓国の憲法裁判所、日本でいうところの最高裁判所が、この内容を審理し、断崖と決定したということになる。

<参考記事>

尹大統領を罷免"重大な違憲"

2025年04月04日 16時08分時事通信

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-3988065/

<以上参考記事>

 韓国という国は本当におかしな国で、国内の政治であっても、他の国の事象であっても、なぜか引き合いに日本が出てくる国である。韓国を悪く言う人の中に「真の独立国ではない」というような意見があるが、この意味はいくつかの意味があり、その中の一つには、本来は朝鮮半島すべてが国家であるが今でも北朝鮮と内戦中の国であり、その内戦を終わらせることのできない国であるという意味もあるが、一方で、いつまでも過去に囚われており、現代社会において独立した感覚を持っていないという意味もある。実際に、韓国の大統領が戒厳令を国内にしようが、国内が分裂しようが、日本とは本来関係がないが、なぜか韓国の場合は日本の影響を問題視する。まあ、囚われているというのはそのようなことなのであろう。

さて、そのような中で、韓国の大統領の弾劾裁判では、〈1〉戒厳令宣布の目的や手続きの適法性〈2〉一切の政党活動を禁じた布告令の発表の適法性〈3〉国会に軍部隊を投入した目的〈4〉主要政治家らの逮捕を指示したのかどうか〈5〉選挙管理委員会に軍部隊を投入した目的の5つの争点で争われ、尹大統領側はその5つの争点全てで敗北(要するに断崖の主張を覆すこと)ができなかったということなのである。

さて、2020年のトランプ大統領の大統領選挙そしてその後のトランプ大統領支持者を含むバイデン大統領不支持派によるアメリカ議会選挙事件なども同じであるが、「選挙」または「政治の進め方」における「左翼主義者たちの他国からの介入があるのではないかという陰謀」が、語られていた。実際に裁判の中でそのような陰謀の証拠などは存在しないので、結局のところ、敗訴ということになる。もちろんそのような資料が存在したところで、それが証拠として採用されるかどうかもわからないしまた、その内容をどのように使う化によって全く先が見えない。

いずれにせよ「戒厳令の目的」ということもありまた、「適法性」などはそれらの陰謀論が見えなければ話にならないということになる。そのほかの争点も、基本的にはしっかりと説明できるものではない。同時に、尹大統領側は、陰謀があってもその陰謀を予防するという目的でしか話をできないし、また陰謀の予防ということを行ってもその手法として戒厳令が適当であったかということは大きな問題になる。

さて、一方尹大統領の主張がすべて「正しい」として、陰謀論が裁判官にまで回っているということも十分になる。実際に、韓国の裁判は世の中の雰囲気に流されてしまい条約や憲法の通りに判断をすることなどはない。そもそも日韓平和条約がありながら慰安婦問題や、徴用工問題などをすべて日本側の敗訴にするということ自体が法に従った判断とは言えないのであるから、裁判といっても韓国の場合はそれが公平性でしっかりとできているとは限らない。その様に考えればこの弾劾裁判も正しい判断が下されたかどうかも不明だ。そもそも、証拠を見ているだけであり実際に調査をするということではないので、その内容を見ることはできない。ある意味で「内戦中の政府」であり「日本の戦中の特別高等警察の様に結論ありきの裁判」をしてしまう可能性も十分にありうるのである。

さて、60日後の大統領選挙はどのようになるのか。実際に、共に民主党の李在明代表が有力との観測もあるが、実際にどのようになるのかはよくわからない内容ではないか。しかし、その大統領の後退まで陰謀であったとすれば、また、日本との対立は大きくなる。同時に、北朝鮮と韓国が同一化し、文在寅大統領の時代に言われたように、北朝鮮主導の朝鮮半島統一がなされる可能性がある。日本にとっては中国やロシアに次いで韓国もその日本のリスクになるということになる。

 今ただ尹大統領が弾劾になるという事しか報じていないがそのようなリスクをしっかりと認識し、備えることが大事ではないのか。そのような認識を必要とするので、あえて「陰謀」ということを今回は多めに書いたのでである。

宇田川源流

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