「宇田川源流」【現代陰謀説】　「闇の政府」打倒を表明したトランプ大統領

「宇田川源流」【現代陰謀説】　「闇の政府」打倒を表明したトランプ大統領

　毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。さて、様々な陰謀に関することをいつもは書いているが、今回はまさに「陰謀」と言われる部分を体現したかのような事件であったことから、その辺のことは無くしておこう。さて2022年12月初旬に、ハインリヒ13世なる人物が中心になったドイツのライヒスビュルガーと言われると言われる集団が「ドイツはディープステートという影の政府に支配されているために、正常な状況に戻さなければならない」ということを主張し、そして現在の政権を転覆させるということを目指したのである。この事件に関しては2022年のブログと翌2023年1月の現代陰謀説で開設したばかりである。

　その書いた内容には「陰謀論に騙された陰謀論者」ということを書いたと思う。まあ、私自身は「ディープステート」なるものを全く信じていないというか、その存在を見たことはないので信じることはない。また信じている人々は、なぜか「その出先機関」というようなものを攻める事ばかりであり、そのディープステートなるものを直接何かするというようなことは全くない。アクセスもしていないあたりがなかなか特徴的である。

　キリスト教やイスラム教というような、一神教は「二元論」を使い、善悪に分類する。しかし、その代わりに「陰謀論」というか「神に代わるもの」というような存在として「ディープステート」なるものを使っているということになる。そのために、妖怪や幽霊と同じように「ディープステート」なるものが出てくると、その場で思考停止になり、神のお告げのようにいつの間にかそれに従わなければならないような状況になってしまっている。もっと言えば、「信じるか信じないか」というような二元論が出来上がってしまうということになるのである。

　さて、そのようなディープステートが存在しているかしていないかということは別にして、その存在を信じている人物が、超大国であるアメリカの大統領になった。もちろん大統領1人がその内容を信じているのではなく、大統領のスタッフ全体や与党である共和党の一部も、すべてがこのディープステートを信じ、その存在と戦うということを考えているのである。

＜参考記事＞

トランプ大統領、打倒「闇の政府」強調　政府縮小、マスク氏礼賛　議会演説

3/5(水) 時事通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/2a24a556b6be688858aa08854f71d8cb24fb3987

＜以上参考記事＞

　現地時間3月4日のアメリカの議会演説で、トランプ大統領は「ディープステート（闇の政府）」と敵視する連邦政府を徹底的に改革する姿勢を改めて示した。

　さて、そのディープステートというのは実態があるかどうかはわからない。しかし、陰から世界を征服するということを考えている組織だそうで、アメリカ国内においてその支配がされているということになっている。その象徴的な存在がオバマ大統領であり、なおかつ、バイデン大統領が同様のディープステートの代表者であるというような形になっている。このことは2020年のトランプ大統領の二期目の大統領選挙で大きな話題になり、そして、その内容が議会選挙事件につながったといえる。

　ある意味で「ディープステート」は、それが存在すればということになるが、トランプ大統領にとっては2020年の大統領選挙の報復という意味も含まれているということになるし、一方で、今回の4年一期で最後であるということを考えれば、さまざあなことを急いで行うということになるのである。

　そのことから、「不法移民の無料住宅に220億ドル」「モルドバでの左翼プロパガンダ活動に3200万ドル」などと政府の「無駄遣い」の事例を列挙。社会保障関連費の支払先に「360歳の人も含まれている」と、政府の腐敗ぶりを強調している。このことは二つの意味を持つ。一つは、文字通り無駄の削減でアメリカをよくする、豊かにするということである。しかし、もう一つはこのような無駄遣いが、そのまま「ディープステートの資金源」になっているということを意味しているのである。

　まさにその内容は年間約5000億ドルに達する政府による「不正」という表明に残っている。そしてその内容をイーロン・マスク氏に託しているということになるのである。

　さて、実際に「ディープステート」が存在するかどうかはわからない。このブログの筆者である私自身は「ディープステート」の存在はあまり信じていない。というか、その目的もまた内容も、構成んや命令系統も全くわかっていない。またその組織があまりにも漠然としていてあまりよくわかるようなものではない。これでは2022年に逮捕されたドイツのハインリッヒ13世とあまり変わらない状態になってしまうのではないか。

　しかし、そのように「存在しているかどうか」ということではなく、「存在していると信じている政治勢力がいる」ということが重要なのである。

　そして、その政治勢力は、日本国内において安倍晋三元首相が見方であり、そしてその敵対勢力が「ディープステート」として認識しているということになるのである。その結果がどのようになるかということは、何かを言う必要がないのではないか。もちろん、そのようなことから石破首相は日米首脳会談で「無事に済むのか」ということを考えていたのであろう。しかし、トランプ大統領がウクライナの件でロシアのプーチン大統領に理解を示す発言をしていたことを見れば、トランプ政権は「ディープステートに所属する相手でも笑顔で接する」ということになり、その行動で敵かどうかを見るべきではないか。そのように考えれば大統領就任前にバイデン前大統領にも穏やかに接しているのである。

　ただ、石破首相だけがディープステートなのか、それとも石破内閣を作り出した人々が皆ディープステートとみなしているのか。そのようなことを考えなければならない状態なのではないか。

　トランプ政権の「ディープステート論」は議会で承認された。その意味は大きい。