「宇田川源流」【日本報道現象】 ほとんど時間の内事前通告による軍事演習の示すもの

「宇田川源流」【日本報道現象】 ほとんど時間の内事前通告による軍事演習の示すもの

 毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」として、まあニュース解説というか、またはそれに関連するトリビアの披露とか、報道に関する内容を言ってみたり、または、報道に関する感想や社会的な問題点、日本人の文化性から見た内容を書き込んでいる。実際に、宇田川が何を感じているかということが共有できれば良いと思っているので、よろしくお願いいたします。

 さて今回は、中国が直前の事前通告でニュージーランド沖での実弾による軍事演習を行ったことに関して、まさにその内容の問題を見てみようと思う。実際には中国はなぜそのようなことをしたのか、そして、国際社会はその内容に関してどのように見るのか、そして、今後どのようにすべきかということになる。一応、その内容を「ほとんど時間の内事前通告による軍事演習の示すもの」という題名にした。

さて、2月24日、中国は直前の通告を行っただけで、タスマニア海において中国人民解放軍が演習を行った。ニュージーランドの民間機は、飛行している間に軍事演習の情報を知り、慌てて軍事演習の域を回避するということになったのである。単なる軍事演習が民間機の航路を妨害するというようなことはあり得ない話である。

沿岸国がEEZに係る権能の行使として自国EEZでの他国の軍事訓練・演習を規制することは、一定の場合その必要性は認められ得るものの、特段の事情がない限り、EEZに係る沿岸国の利益を守る手段として過剰であり、その正当性は基本的に認め難いと言える。よって、沿岸国は自国EEZにおける他国の訓練・演習を原則規制できず、それゆえ、EEZでの軍事訓練・演習に関し、実施国が事前に沿岸国の同意を得ることは特段の事情がない限り不要と解される。

<参考記事>

NZ外相、中国の軍事演習を議題に 事前通告の迅速化を要請へ 中国艦がNZ沖で実弾射撃

2/24(月) 産経新聞

https://news.yahoo.co.jp/articles/d40aff996fc8fb1e100bb46ee46bf59486a01719

<以上参考記事>

 さて、中国やロシア、北朝鮮がこのようなことになるのは、日本がしっかりとした抗議を行っていないということが大きな問題ではないか。もちろん日本がしっかりとした抗議をしても、その言うことを聞くような国々ではない。しかし、しっかりと抗議し国際法的な問題解決を図るということが行われなければ、後に禍根を残す。今回のぬーじーだんどとの関係も、「日本の沿海では問題がなかった」というような言い訳をするということが予想される。そのようなことをすれば、「許してきた日本が悪者になる」ということをまずは考えるべきであろう。

というのもEEZ内の軍事演習ということに関して言えば、当然に、北朝鮮のミサイル演習がある。また、中国の軍艦による日本のEEZ内の侵入の話はあまりにもおかしな話ということになるのであろう。なお、このように書くと、「尖閣諸島に入っているのは、海警局の船であって軍ではない」などというあまりにも愚かなことを言ってくる人がいるので、先に明言しておくが、現在の中国海警局は、人民解放軍の所属であり、国境警備軍である。要するに海警局というようなことを言っていても、実際は軍艦の一種であるということになる。

さて、今回もそのような内容である。要するに中国が日本と同じようにニュージーランドに対して行い、民間航空機の航路を妨害したということになる。

さてでは中国は何を狙っているのか。

一つは、間違いなく軍事的な威圧である。その威圧によって中国は何らかのメッセージを出している。台湾に、アメリカのペロシ下院議員が来た時には、その後、台湾の周辺で軍事演習を行った。つまり、台湾に対してアメリカとの関係を継続すれば、軍事的な威圧をかけるということを伝えているということになる。ニュージーランドも同じであろう。要するにアメリカがトランプ体制に変わった状態で、クワッドなどの反中国軍事同盟に参加しているニュージーランドに対して、軍事的な圧力をかけたという事であろう。当然にそのような軍事的な圧力に屈することはないと思われる。しかし、そのようにして対話をするきっかけを作ったといえば多分成功したということになるのであろう。

第二に、軍事演習はあえて民間空路を含んだ地域ということである。要するに事故を起こす寸前で目立つ行為をするということになるのではないか。実際には、その様にして目立つことにになる。そしてその目立つ内容があえて中国が自分たちの思い通りにするということを主張しているということになるのである。

当然に国際社会はこれに対して問題を提起することになるが、しかし、ニュージーランドが提起しなければ他の国が行うことはできない。そこで対話の後ということになる。まあ、実際には事故が起きてからでは遅いのであるが、しかし、そのようなことをおコアうのである。実際に中国はそもそも全体主義なのであり、そのことから、人の命などは全く重視しないということになる。そのことがううようになるということになるんであろう。

では日本はどのようにすべきかということになる

もちろんニュージーランドに何かできるということではない。しかし、これを国際法的に考えるということが重要になるのではないか。

実際にこのニュースがあまり報道されていないという日本の問題が最も大きな問題なのである。国際法的に問題があるということを認識できず、何もなかったら何でも良いというような日本の価値観を、しっかりと正義を得るということになるのではないか。

宇田川源流

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