「宇田川源流」【日本報道検証】 ヨーロッパで不信感を持たれた「一帯一路」
「宇田川源流」【日本報道検証】 ヨーロッパで不信感を持たれた「一帯一路」
毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」をお送りしている。「日本報道検証」というのは、なにも報道を同行しようというものではなく、単なるニュース解説であると考えいてただいて構わない。もちろん、その内容に関して、あまり日本の報道機関が報道していないものでありなおかつ重要であろうと判断できるものも少なくないのであるが、私の性格上あまりまじめなものばかりではないので、その点はご了解願いたい。
さて、今回は、11月1日に、セルビアの首都ベオグラードの北西70kmにある都市、ノヴィサドの鉄道駅で、駅舎の外側に設けられた屋根が崩落する事故が発生。少なくとも14人が死亡し、30人以上が重軽傷を負った事故から、この工事を請け負った中国に対するヨーロッパの不信感と一帯一路への不信感に関して見てみたいと思う。
そもそもセルビアといって、どの様な国であるか、皆さんはすぐにイメージできるであろうか。あまりピンとこない人が多いと思うが、そのような場合、中国はそのような日本であっマリなじみのない国に行って、一帯一路の宣伝をしているのであるというように考えていただければよいかもしれない。国際情勢に明るくないということは、日本においていくら様々なことを言っていても、具体的に行動できないということになるのである。
ちなみに、セルビアは旧ユーゴスラビアの中の国で、東南ヨーロッパ、バルカン半島中西部の内陸に位置する共和制国家。首都はベオグラード。北にハンガリー、北東にルーマニア、南東にブルガリア、西にボスニア・ヘルツェゴビナ、南にコソボ、北マケドニア、南西にモンテネグロと国境を接している。また、同国のヴォイヴォディナ自治州部は西にクロアチアが接している。民族構成は、セルビア人が82.86%、と最も多い。セルビア人のほとんどは正教会の信者であり、セルビア正教会に属している。また、マジャル人やクロアチア人の多くはカトリック教会、ボシュニャク人やアルバニア人はイスラム教が多い。
セルビアの2018年の国内総生産は、IMFの試算によると約505億ドルである。モンテネグロを含むセルビアの鉱業を特徴付けるのは豊富な有機鉱物資源である。品質は低いが燃料に向く褐炭を大量に産出する。2002年時点の採掘量は、世界シェアの3.8%に達する3450万トン(世界第10位)である。品位の高い石炭の採掘量は10万トン、原油は88万トン、天然ガスは28千兆ジュールである。無機鉱物資源は種類が多いものの、採掘量は少ない。亜鉛、金、銀、銅、鉛、アルミニウムの原料となるボーキサイト、マグネシウムを産出する。
そんな国の首都の鉄道駅を中国が、日本のODAのようにして開発し、そして、その駅が崩落出死傷者を出す事故を起こしたということになる。
<参考記事>
「中国が改修」セルビアの駅崩壊で高まる不信感 「一帯一路」の一環、不透明さに市民らが抗議デモ
11/20(水) 東洋経済オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/865bdc1ed24bf95acf349a0c4fd44f89b855cb44?page=1
<以上参考記事>
駅は、運輸省が1600万ユーロ(約26億円)を投じて2021年から中国企業によって改修工事が行われ、今年7月に工事が完成したばかりだった。駅の改修は中国政府が進める「一帯一路」構想の一環で駅の改修工事を請け負ったのは、中国鉄路国際有限公司(CRIC)と中国通信建設有限公司(CCCC)だったが、もともと中国人はセルビアにおいてあまり信用されていないことから、数千人規模のデモが発生し、中国人排斥を訴えいているということになる。
この問題の裏には様々な「中国に対する不満」が隠れている、
一つ目は「債務の罠」である。実際にこの駅の金額に関しては中国政府またはアジアインフラ投資銀行画セルビアに貸し付けているということになる。日本の場合はODAでこのようにしたとしても、その支払いが免除されたり、あるいは金利が付されていなかった吏ということがある。しかし、中国の場合はしっかりと金利を付すばかりではなく、その金利が変動して、契約通りではなくなる場合が少なくない。日本のODAなどの場合は「作ってくれてありがたかった」というようになるが、中国の場合は「借金を背負わされた」というような感覚の方が大きい。
そのような感覚になってしまうのは、「その場にそぐわない」または「周辺とレベルがあっていない」使節が出来上がってしまう。もちろん橋梁や港湾など、あまり周辺の施設と関係のないものであれば、最先端の技術を使ったモノを作り、便利になって何十年たっても、府狂くならないような設備を釣ったほうが良い。しかし、駅や空港の様に一般の国民が利用する場合は、あまりにも最先端の設備を作っても意味がない。よく、日本のマーケティングなどでは「半歩先に行った商品を作れ」というようにいうのであるが、あまり先端すぎると、利用者の方が全く理解できないものができてしまうということになってしまうのである。そのうえ、デザインなども周辺と全く異なる内容になってしまうということになる。
そのうえ、「不良品」である。インドネシアの高速鉄道も全く動かなくなってしまうし、ベトナムの橋梁も開通式の日のうちに崩落する事故があった。ラオスでがダムが決壊するということになってしまい、大事故になっている。これらの事故に関して全く中国は資料を開示しない。そのうえ、作り直しや修善はすべて別料金となっている。
要するに「借金だけ押し付けられ、工事はすべて中国企業が利益を上げて行って、そのうえ手抜き工事で不良品をつかまされ、修繕などはすべて追加で料金を必要とする」という、かえって損失が大きくなり、また被害まで出てくるということになる。
そのうえ駅が使えなくなって、犠牲者が出ているのである。
このような状態でヨーロッパでも、もちろんほかの国でも中国が信用されるはずがない。実際に、アジア通貨危機の時も東南アジアで排斥されたのは中国人であり一部の国では、中国人というだけで虐殺された人っも少なくない。要するに「相手に借金を押し付けて、おいしいところや経済的な利益はすべて中国人が持って行ってしまう」ということが最も大きな問題である。もちろん唯物主義なので、「信用」などという目に見えないものではなく、金銭という即物的な内容しか見えてこない。それが中国人なのであるが、そのような態度に、元ワルシャワ条約機構で共産主義国家であった東ヨーロッパであるセルビアでも反感を買っているということになる。
当然に、このような中国の人々は、政治の上層部を買収している。これはアフリカや東南アジアでもおなじみである、そしてその買収された不正が明らかになることによって政治不信場合によってはクーデターが起きるのである。
今回の事件もそのようなクーデターそして中国b慣れが起きる可能性が高い事案ではないか。この数千人規模のデモが、どの様に発展するのかということが注目されるところである。
まあ、中国が世界で嫌われているということは間違いがない事実の様である。
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