「宇田川源流」 日本代表の「喫煙」について許すか許さないかの議論の果て

「宇田川源流」 日本代表の「喫煙」について許すか許さないかの議論の果て


 19日に、日本体操協会は、オリンピック代表の宮田笙子が、19歳であるにもかかわらず喫煙をしていたということから、代表を辞任したという発表をした。基本的に、喫煙をしていたことがばれたからと言って、代表を辞任するはずがないので、教会側が圧力をかけて、辞退させたということなのであろう。

このことに関して、様々な内容が出てきている。

まず一つめは「喫煙の写真」があるということなのであるが、残念ながら、これは合宿から帰ってきた時にその写真が出回るということになる。つまり、誰かが宮田選手の出場を妬み、そのうえで、そのようなスキャンダルを出して、辞退させたということなのであろう。単なる妬みなのか、あるいはそのことによって自分が代表になろうとしたということなのかはよくわからないが、今回はすでにオリンピックのエントリーシステムの期日が過ぎてしまっているので、もしも代表を狙って蹴落とすというような事であれば、その目論見は失敗し、日本代表が弱くなっただけということになる。まあ、私の、ジェンダー差別的な感覚から言えば、「女性のドロドロした」などという嫉妬の世界があるというような感覚になるが、最近では男性の嫉妬もかなりなものであるので、困ったものである。まあ、いずれにせよ「嫉妬によるスキャンダルの告発に簡単に団体が出てきてしまう」ということもおかしな話であるし、将来の体操界などを考えて、日本全体のことを考えて行動ができなかったのかというような観点でも非常に残念である。

もう一つは、この発表に対して、「スキャンダルを起こしたのであるから当然」というような感覚の意見もあるが、一方で、「煙草の喫煙くらいで残念」「才能があるのだから復帰の道を探してあげるべき」など、擁護するような意見も散見される。この内容は、「どの視点で物事を考えるのか」ということで、その考え方は全く異なるということにあるのであるが、他の例と組み合わせて考えれば、日本の「規律に対する考え方の問題点」が見えてくるのではないか。

体操女子に激震 宮田笙子代表辞退で団体戦は「4人で戦わざるを得ない」と西村専務理事 怪我、病気以外での交代認められず

 日本体操協会は19日、都内で緊急記者会見を行い、パリ五輪女子代表の宮田笙子(19)=順大=の代表を辞退したことを発表した。代表には16年リオ五輪、21年東京五輪代表の杉原愛子が帯同補欠を務めているが、怪我以外での交代は認められていないため、団体戦は4人で臨むことになった。

 西村専務理事は「五輪のエントリーのシステムとしての期日は過ぎている。その後の選手の交代については病気、怪我、ドクターの証明が必要。すでにJOCと協議しているが、今回は適さない。現時点では4人で戦わざるを得ない」と、説明した。

 60年ぶりの団体メダルを狙う女子だが、苦しい状況に追い込まれた。団体は予選は5人のうち各種目4人が演技し、上位3人の得点が採用される方式。決勝は5人のうち各種目3人が演技し3人の得点が採用される方式となっている。4種目をハイレベルでこなせる宮田は、要といえる存在だっただけに、予選通過すらも苦しい状況に追い込まれたといってもいい。

 宮田はすでにパリ五輪に向けて渡欧していたが、複数の関係者によると喫煙の疑惑が浮上し、代表行動規範に違反した疑いで、事前合宿地のモナコから帰国。協会の聞き取り調査を受けた。

 17日に報道陣に公開されたモナコ合宿で姿がなく、日本体操協会の田中光女子強化本部長は「事情により今日は参加していない」として詳細は明らかにしなかった。

 宮田は今季、全日本選手権、NHK杯を制した女子のエース的存在で、1964年東京五輪以来となる団体メダルを狙う女子代表に激震が走った。21年東京五輪後に台頭し、初出場だった2022年の世界選手権で平均台銅メダル、個人総合8位と活躍。全員が初出場の代表の中心選手として期待がされていた。宮田はパリ五輪に向けて「エース兼キャプテンとして重大な責任がある。明るく日本を引っ張っていけたら」と話していた。

 チームは19日にパリの選手村入りし、28日の予選に出場する。

 ◆宮田笙子(みやた・しょうこ)2004年9月21日生まれ。京都府出身。中学3年で鯖江市内の中学に転校し、鯖江高を経て現在順大2年生。24年全日本個人総合選手権で初優勝。NHK杯は24年大会に3連覇を達成。世界選手権は22年に種目別平均台で銅メダルを獲得。得意種目は床運動と跳馬。床運動では村上茉愛さんも決めたH難度の「シリバス」を持つ。座右の銘は「脚下照顧」。151センチ。

2024年7月19日 14時31分 デイリースポーツ

https://news.livedoor.com/article/detail/26820462/

 日本のことわざに「一事が万事」ということもあるし「一罰百戒」ということもある。一方で「仏の顔も三度まで」というようなこともあるし「弘法も筆の誤り」というような言葉もある。要するに失敗した場合、またはスキャンダルなどがあった場合、日本には古来様々な考え方がある。まずはそのことを考えてほしい。

そのうえで今回の内容を「喫煙くらいで」と考えるのか「未成年(20歳以下)が法律違反をして」というように考えるのかということを考えるべきであろう。

まずは「喫煙くらいで」と考える場合は、例えば高校生が喫煙をしていて「退学処分になった」という事例を考える。何故「一般の高校生は退学処分になり、宮田選手は擁護されるのか」と考えると、オリンピック選手だけ不公平というような感じになってしまう。基本的には、その辺の処分は「法の下の平等」出なければならないと考える。確かに、タバコを吸っただけで退学となれば、それはオリンピック選手ではなくても、将来の芽を摘まれてしまうのであり、そのようなことは望まれるものではない。

そもそも「飲酒」「タバコ」の未成年の禁止という法律は何のためにあるのか(このほかにも馬券などもそうなのであるが)。本来は本人の健康などのことを考えての禁止事項であり、そのことによって、受動喫煙などのことがあっても、それほど大きな社会的な内容ではない。自己責任をどの様に考えるかということでしかない。

「たばこは吸ってもよいが、マナーを考えろ。あとそれは自己責任であるということを自覚しろよ」これが我が母校の教えであった。高校でタバコを吸ってもよいがということを言うこと自体が非常識なのであろうが、しかし、「何故だめなのか」ということをしっかりと説明できる大人がいるのか、自己責任で吸っているという状況の時に、その責任に対してしっかりと教えるべきである。もちろんこの一文は、煙草を肯定しているわけではない。煙草を禁止する以上に、重要なことがあるということではないか。

もう一つは、これが「タバコ」であるからこのように容認されることになるのであるが、では、「麻薬」「覚せい剤」の場合は、同であろうか。例えば先週、もう一つ事件があった。サッカーの日本代表の選手が婦女暴行を行ったということで、逮捕されている。この時は、今回のような「擁護発言」は少なかった(ごくわずかにはあった)。「法律違反」であることは同じであるが、しかし、婦女暴行は悪くて喫煙は擁護するという基準もおかしな話であろう。そのように「基準がしっかりとした批判または擁護」を行うべきではないか。

そして、もう一つは「そのようなことを禁止したり批判する前に、そもそも道徳をしっかりと教えるべき、または自己責任という感覚を教えるべきであり、それを教えてこなかった、現在の学校教育がおかしい」ということをしっかりと考えてしまうべきではないか。日本代表が弱くなる。それは「日本の社会や教育がおかしい」ということにそろそろ気づくべきではないかと思う。

宇田川源流

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