「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 後にゴッドマザーとなる彰子皇后のはじめと定子皇后

「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 後にゴッドマザーとなる彰子皇后のはじめと定子皇后

 毎週水曜日は、大河ドラマ「光る君へ」について、様々なことを書いている。今回は、定子(高畑充希さん)が死ぬところで終わる。この定子の死というのは当時の藤原家と、天皇家においてさまざまな変化をもたらしていたということになるのではないか。

さて、今回皇后定子が薨去するところでの描写がなかなか面白いう。実際に記録に残っているように藤原伊周(三浦翔平さん)が泣いているのに対して、弟の藤原隆家(竜星涼さん)は、部屋の外で退屈そうにしている。

この二人は、以前安倍晴明(ユースケ・サンタマリアさん)が、「弟君は、後にあなたのお役に立つ存在になります。」と道長(柄本佑さん)に言っていたことに由来する。こののちに、藤原伊周は、こののちなかなか大使を生まない彰子に対して、自分の甥(定子の子)が次の天皇になるとして、多くの公卿を夜自分の家に招くようなことをしていた。しかし、彰子が子供を産むことによってそれが絶え、徐々に失意のうちになくなってゆく。

その間に、伊周・隆家兄弟が伊勢国を基盤とする武士の平致頼を抱き込んで、8月2日に平安京を出発して大和国の金峰山へ参詣中の道長に対して暗殺を実行しようとしているとの噂が出るなど、道長との対立はかなり激化してゆく。今回の演出では、「すべてあいつのせいだ」という言葉一言でこれらの先をすべて想起させる内容になっている。

一方の隆家は、今回は、退屈そうにしているものでしかなかったがそののちに自ら望んで太宰府に赴くことを希望し、そのうえで、刀伊の入寇の際に軍を指揮して日本を助ける活躍をする。高麗が虜人送使・鄭子良を派遣し、刀伊から奪回した日本人捕虜259名を送還する。隆家は鄭子良に対して朝廷の返牒を遣わし禄物を与えるなど後処理まで行っているのである。この武勇は、ある意味で花山院の牛車に弓を放ったところに由来する部分があり、悉皆と伏線になっているのが面白い。

ある意味でその伏線が全て生きてきているのが、今回の大河ドラマの特徴ではないか。

光る君へ:「えっ、うそ」あまりに急な、突然の別れ 定子の最期に視聴者ショック!「心の準備してなかった…」

 俳優の吉高由里子さん主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」(総合、日曜午後8時ほか)の第28回「一帝二后」が、7月21日に放送された。同回では、本編終了残り5分から、高畑充希さん演じる定子の最期が唐突に描かれ、多くの視聴者がショックを受けた。

 第28回では、年の暮れ、まひろ(吉高さん)は道長(柄本佑さん)との子を出産。宣孝(佐々木蔵之介さん)は子を賢子と名付け、約束通り我が子として育て始める。

 一方、道長は入内させた娘の彰子(見上愛さん)を中宮にし、定子と后を二人にする「一帝二后」を、国家安寧のためにもくろんでいた。詮子(吉田羊さん)や行成(渡辺大知さん)が、一条天皇(塩野瑛久さん)の説得にあたる……と展開した。

 終盤、顔色を失くしたききょう(清少納言、ファーストサマーウイカさん)が、伊周(三浦翔平さん)の前に現れる。「皇子様か?」と聞く伊周に言葉が出ないききょう。伊周は何かを察し、急いで定子の元に駆け付けるも、定子はすでに息絶えていて、ナレーションで「姫皇子を出産し、この世を去った」と説明された。

 同シーンの少し前まで、定子はききょうと穏やかに言葉を交わしていたため、SNSでは「えっ、うそ」「早くない?」「えええええ、突然のお別れ…」「あまりに急な」などと驚きの声が上がったほか、「こんな静かに……定子様」「えぇ…今週なの…心の準備してなかった…」「定子様、本当に可哀想なお人だった…」といった感想も書き込まれた。

2024年07月21日 MANTANWEB編集部

https://mantan-web.jp/article/20240721dog00m200031000c.html

 さて、今回は後に「ゴッドマザー」といわれるほどの権勢を誇り、現在「女院」といわれて権勢を誇るように見えている藤原詮子(吉田羊さん)よりも権勢を誇る藤原彰子(見上愛さん)の、まだ初々しい時代が書かれている。はじめ赤染衛門(凰稀かなめさん)がいたが、後に、『源氏物語』作者の紫式部、王朝有数の歌人として知られた和泉式部、栄華物語の続編の作家出羽弁、紫式部の娘で歌人の越後弁(のちの大弐三位、後冷泉天皇の乳母)、「古の奈良の都の八重桜 けふ九重に匂ひぬる哉」の一首が有名な歌人の伊勢大輔など平安自ぢ亜の女流文学界を支える多くの人をここに従ている。

そんな彰子も初めはそれほどの権力もなく、定子皇后に遠慮する感じでいたが、定子皇后崩御の後には、一条天皇の唯一の正妃となったが、一条天皇はその後も元子を寵愛するなどし、彰子はその間、故定子の子を引き取り養育している。

さて、そのようなことになるのであるが、なかなかの演出で、初めのうちは、文学もあまり得意ではなく、母の源倫子(黒木華さん)がやきもきしながら女院藤原詮子のところに行くなど様々なことが行われていたことになる。

子供のことになると、どんな事でもしてしまうということになる。

一方藤原道長は一時期病に倒れる。その目が覚めた時に「まひろ」と口走るということになる。「子供の古都には何でもしてしまう」というのは、まさに道長が「自分の子」であるまひろの子、今回名前が決まり藤原賢子となるが、その子のために、まひろを彰子皇后の女房淫将来してゆくということになる。今回はまだ夫である藤原宣孝(佐々木蔵之介さん)が生きているので「励まなければ」という言葉だけで終わっているが、実際には、より様々なことがあったのではないか。逆に、その藤原宣孝は、曾野道長とまひろの間に入ってうまく立ち回っているという姿がなかなか面白い。人の心の間にうまく入る、ということや、その心と心のすれ違いなどが、うまくキャラクターによって描かれている。そのような「記録にないつながり」をうまくドラマで表現し、また、セリフや、上記に書いたが、「さりげない演出」で見せていることが、今回のドラマでは非常に面白く書かているのではないか。

これから彰子皇后が、徐々に人が変わったようになってゆく。その物語もなかなか興味深い。

宇田川源流

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