「宇田川源流」【現代陰謀説】 上海協力機構にみる「中ロ蜜月」の裏側
「宇田川源流」【現代陰謀説】 上海協力機構にみる「中ロ蜜月」の裏側
毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。現代に存在する陰謀を、現在普通に読める内容から、注意深く抽出し、その内容をしっかりと見てゆくということから、陰謀を暴き出し、その陰謀に対して、しっかりとした対応をとるということを見てゆく、そのような連載である。
実際に、陰謀を見出すということは、徐々にできてきているのではないか。陰謀というのは、いま日本で流行している陰謀論のように、なんとなく行われたり、あるいは漠然とした目的があって行われるものではなく、陰謀そのもののの黙定位がしっかりしており、そのために工作を行い、そして資金を投入するというっ様な作業になる。そしてそのためには、「陰謀を仕掛けた」と相手国にばれないようにしなければならず、また、他の国にも悟られてはならないということが中心的な議題にある。「陰謀」はあくまでも「陰」で動くものであり、日の当たる世界の話ではないのである。そのように考えた場合、陰謀というのは、仕掛けた本人(本部など)もその進行をつぶさにりかいすることはない。例えば、ある国家があり、その国家の政府が陰謀を仕掛けるとしても、軍などの組織が仕掛けるので政府のトップそのものはその進行がわからないし報告も直接入るものではない。そのような意味で、仕掛ける人々はたまにそれを表の「日の当たる場所」にだす。まさにその日の当たる場所に出すことそのものが「ニュースになる」のである。
そのようなニュースになった端緒を捕まえてそれを解析することが重要になる。院b法には「大きな目的」があり、その目的に寄与する形で「中目標」「細部」というような感じで別れる、もちろん呼称は様々であろう。そのさまざまな目標に関して、いろいろと行わなければならないということになるのではないか。
さて、このように見ていると、現在の中国とロシアは「反米」「反英」「反民主主義」ということで、ある意味でその「中くらいの目標」は同一である。しかし、最終的な目標である「自国がトップとなって世界に覇権主義を示す」ということになれば、最終的には中国とロシアが対立するということになる。二頭は並び立たないのである。ではそれをどのように調整するのであろうか。そこが「上海協力機構」ということになる。
中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が会談…対米意識し結束確認「歴史上、最良の時期」
【アスタナ=東慶一郎】中国の 習近平シージンピン 国家主席とロシアのプーチン大統領は3日、カザフスタンのアスタナで会談した。両首脳は友好関係を確認し、ウクライナ侵略で対立する米国などを念頭に置いた結束を強調した。
プーチン氏は会談冒頭で中露関係について、「歴史上、最良の時期を迎えている」と述べた。習氏も「永遠の友好関係を維持しなければならない」と応じた。会談は中露が主導する上海協力機構(SCO)首脳会議に合わせて行われた。
露大統領府とタス通信によると、プーチン氏はSCOを「公正で多極的な世界秩序の重要な柱としての役割を強化してきた」と称賛した。習氏もSCOの「運命共同体としての結束力強化を目指す」と語った。4日に行われるSCO首脳会議では、ウクライナ侵略を支持するロシアの隣国ベラルーシの加盟が決まる見通しだ。
習氏は会談で「違法な一方的制裁や覇権主義に対抗するロシアを支持する」と述べ、あからさまに米欧を非難した。ウクライナ情勢については、「政治的解決に向け、積極的な努力を継続する用意がある」と語った。露大統領報道官によると、両首脳はロシア抜きでの和平交渉は無意味だとの認識で一致した。
露政府高官によると、交渉が難航しているとされるモンゴル経由でロシアから中国に通じる天然ガスパイプライン計画「シベリアの力2」について、両首脳は早期合意を目指すよう指示した。
両氏の会談はプーチン氏が訪中した5月以来。タス通信によれば、会談時間は約50分だった。
2024/07/04 10:59 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240704-OYT1T50059/
現在の世界情勢で、上海協力機構が旧ワルシャワ条約機構に匹敵する内容になっているということはだいたいわかる。ブッシュ大統領の当時に、テロとの戦いということを強調してしまい、イスラム圏を中心にした戦いに終始している間に中国が覇権主義を標榜し、力をつけ、ろ紙をしのぐような大国に育った。オバマ大統領の頃には、「米中二大大国性」ということを普通に主張するに至っており、旧ソ連との「米ソ冷戦」で把握、二大大国の相手が中国になったことをその時点で理解していたのだが、国民までその認識が浸透していなかったことから、長期間ロシアとの冷戦の感覚がアメリカ国民の間には残っていたといえる。
当然に経済力は世界で20位前後のロシアが、軍事大国であるというのは核兵器の保有数ということになるが、今回のロシアのウクライナ侵攻は核兵器を使わなければ、ロシアの軍隊はそれほど強くはないということが見えてきたのではないか。そのような意味で中国は、改革開放御当初は経済や政治体制など、または法律を学ぶために留学生を出したが、2001年胡錦涛の時代より科学技術習得の内容を出した。これは、明らかに「反米の頭」としてロシアを超えるということが目的であった。つまりアメリカに対抗する国になるということが目標であった。その意味でロシアと中国はライバルでありなおかつ、反米の同盟国であったということになる。
さて、そのような内容で上海協力機構になったのであるが、初めのうち、つまるくらいな侵攻するまではロシアのプーチンを立てていた中国もウクライナ侵攻がうまくゆかず長期化して他の国の支援を得なければならない状態になってから、中国が「本性を出してきた」ということになる。
さて、今回の内容は、上記の記事から個々の言葉を見てみよう。
プーチン氏は会談冒頭で中露関係について、「歴史上、最良の時期を迎えている」と述べた。習氏も「永遠の友好関係を維持しなければならない」と応じた。<上記より抜粋>
現在の国際情勢で中ロがウクライナ侵攻などで連携が取れていることは誰が見ても明らかであろう。なおかつ、上海協力機構なのだから、協力して当然の関係性である。それにもかかわらず、なぜこのようなことを「言葉にして再確認しなければならないのか」ということがなかなか興味深い。上記記事も解説している人々も、さも当然でアメリカに対するアピールであるということを報道しているが、実際はどうであろうか。そもそも敵対的でありなおかつ上海協力機構の銘酒であった地位から、最貧国、支援をえなけえばならない地位に落ちてしまったプーチンは、内心中国なんてそれほど上位国であるとは思っていない。しかし、現在は中国を立てていなければ、ならないというような事情がある。一方、中国側は、既に実行行為として銀行がロシアの取引を扱わなくなってきており、ロシアを徐々に締め付けている状態になっているのであるが、一方で、アメリカとの対抗上ロシアは必要な国だ。以前は北朝鮮がその役割で、狂犬のようにミサイルを打っていたが、今はミサイル実験ではなく、ウクライナへの実行行為である。
そのように考えた場合、このようにしながら「ロシアを属国にする」というような心が見え隠れしており、上海協力機構における主導権と反米の銘酒となる地位を中国は標榜する。それを、認めさせるためには、やはり今のうちからプーチンに反旗を翻されては困る。つまり「永遠の友好関係を維持しなければならない」つまり「ロシアは永遠に中国の支援で活きられる国に作り替えるべき」というようなメッセージにも読める。このように「言葉にしなければならない」ということから、その本音が見えてくることは十分にありうる。まさに「蜜月」ではあるが「いつ破綻してもおかしくない上下関係の構築」が中で行われている。
当然にこの関係にうまく入り込めば、両国の関係をバラバラにできるということになる。このバラバラにするような動きこそが「カウンターインテリジェンス」ということになる。
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