「宇田川源流」【現代陰謀説】 中国が主張する反テロが示す「今後」

「宇田川源流」【現代陰謀説】 中国が主張する反テロが示す「今後」


 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。世の中に跋扈している、何だかわからない陰謀論とは異なり、しっかりとした根拠と調査に基づく「現在進行形の陰謀」を今あるニュースや、だれでも見ることのできるニュースや既知の事実を使って、多くの人と共通認識にしてゆくということを見てゆきたいと思う。

さて、世の中一般的な「陰謀論」は、どこか目に見えない、実際には誰も見たことのないような団体が出てきて、その人々がなんらかの欲望にかられた何かを企てているという話がほとんどであり、それも「何か事件が起きてからの後講釈で、さも初めから何でもすべてが計画されていたかのような話がでてくる」だけであり、その陰謀を止める方法や、陰謀に対して備えることも何もない。そもそも「事前に何かの事件を予言するような話は全くない」ということになる。

本来、陰謀の話をするのは、政治や現実の世界では、「現象」から全ての確率を予想し、それに対して備えるという異なる。つまり、最も重要な内容は「カウンター・インテリジェンス」であり、単純に陰謀を語って怖がっているだけでは意味がないのである。そのようなことも全くわからないような内容になってしまうのではないか。

「F O F」という言葉が、日本の都市伝説の中には存在する。それは、「フレンド・オブ・フレンド」つまり「友達の友達」である。「誰かが言っていた」という話になるのであるが、まさに「私の友達の友達がね…」というようなことを言い、その内容を話をするのであるが、実際には、その友達の友達という存在は会ったこともないし、また、その存在の名前も知らないということになる。そのような「F O F」が出所という意味で、またその情報の出口も実効性も何もない。そのような話をするのが「陰謀論」になってしまっているということになる。

では、「中身のある本当の陰謀を語る」ということはどのようなことなのであろうか。

今回は、中国が「反テロ白書」を公表するということになる。その内容を公表するということの意味は何か。そして、日本は何ができるのか。

中国が「反テロ白書」を公表

 【北京時事】中国政府は23日、反テロリズムに関する法整備や対応をまとめた白書を公表した。白書は、教育により「過激主義」の浸透を防いできたとして、思想統制を正当化。新疆ウイグル自治区での人権問題を指摘する西側諸国などを念頭に、「人権を口実にした内政干渉」を批判した。

 中国政府は反テロの名の下に、新疆などでの思想統制を徹底している。白書は「反テロ闘争の主戦場」である新疆で貧困脱却が進み、観光客も増えたと説明。政府の取り組みにより「国家の安全と社会の安定を力強く守り、人民大衆の安全は著しく向上した」と主張した。

 また、「各国の政治体制には違いがあり、直面するテロの形式は異なる」と強調。「一部の国は自らの意図を押し付け、他国のやり方を無責任に批評している」と非難した。 

2024年01月23日 16時41分時事通信

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-2752813/

 中国の「反」という言葉の使い方は「反腐敗」などというようなことからもわかるように、「中国共産党の政策に反対する」ということを意味する。同時に「体制に反対するのであるから、当然に処罰の対象とする」と言ことになるのである。

さて、「テロを処罰する」「腐敗を処罰する」ということは、当たり前のような感覚がある。しかし、実際はどうであろうか。この問題の最も大きなポイントは、「共産党の政策に反する」ということになる。つまり「政策」が変われば「腐敗」や「テロ」の定義も変わってくる。例えば、日本では政府に反対する抗議デモなどは、政治信条の自由や言論の自由で保障されている。しかし、中国の場合は「人権を訴える」ということは、中国共産党の体制に反対するということになるのではないかということになる。つまり、「他の国でも認められていること」や「言論の自由によって、自由の物事を言うこと」だけではなく、例えば、中国共産党政府が包み隠している事実、例えば、「六四天安門事件」などの事をことさらに強調する事(今の習近平独裁政治においては、そのことを語るだけではなく、インターネットで検索するだけでもダメなようである)であっても、既に「テロ」ということになる。単純に、「政府の方針に反する」ということは、共産党の言うことに盲目的に従うということになり、同時に不都合な事実は全て隠したままにしておくということを意味している。

新疆ウイグル自治区での人権問題を指摘する西側諸国などを念頭に、「人権を口実にした内政干渉」<上記より抜粋>

中国政府はこのように言っているが、では、そのことが意味することはウイグルの自由は完全に失わせるということを意味しているのである。

そのことは香港の民主化ということも完全に否定するし、台湾の独立もその通りである。要するに「台湾有事は日本の有事」ということは、そのまま「共産党政府に反対する事」であり「テロ」と認定されるということになる。同時に、そのことは日本にいる中国人もすべて認定される。

つまり、次の展開は、日本やアメリカなど、台湾の独立を支援する国家は「テロ支援国家」ということになるのだ。今までは「核心的利益」という言葉を使っていたものに対して、「テロ支援」というような批判に代わる。そして「テロリストを処罰する」というようになれば、当然に「特別軍事作戦」というような内容、つまりアメリカがウサマ・ビン・ラディンをパキスタンで逮捕したり、ロシアがネオナチを処罰すると称してウクライナに侵攻するように、台湾に、またはその台湾の首謀者が逃げたとして日本やフィリピンにも、侵攻することができるような国内法を整備したということになるのである。

逆に言えば、「テロという言葉を使い、特別軍事作戦も肯定する為の名目を作った」ということである。日本は、その内容を早めに公表し、「テロ」という名目で日本を攻撃しようとしているというように、先手を打って公表する。そのようにすることによって、中国派少なくとも一時的には「そのようなことはしない」と言わざるを得なくなる。そしてその言質を取ったうえで、日本の両親を示すべきであろう。

そのうえで中国が攻めてくるという前提で、防御を固めるべきではないか。そのようにしながら、「日本にいる中国人がテロを行わないように」ということで「監視対象にする」ということを公表すべきであろう。当然に中国共産党政府は自分たちの陰謀で、逆に、カウンターとして日本でのスパイ行動が制限されることになる。当然に様々な意味で、脅迫をする「戦狼外交」になるとは思うが、そこに屈しない内容を行うべきではないか。

宇田川源流

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