「宇田川源流」 COP28で化石燃料の削減と原子力発電への転化を決議
「宇田川源流」 COP28で化石燃料の削減と原子力発電への転化を決議
まず用語説明から見てみたい。「COP」とは締約国会議(Conference of the Parties)の略で、多くの国際条約で加盟国の最高決定機関として設置されている。しかし、日本ではこの内容に関してここでは、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のことを言う。28とは28回目ということになるのである。
このCOPは、198か国・機関が参加する気候変動に関する最大の国際会議であり、毎年開催されている。毎年国を変えて行っており、2000年の「京都」で開催した「京都議定書」などは、少し前に様々なことになっているのではないでしょうか。COPには、各国の政府、学者、NGO、ビジネスリーダーなど、さまざまなステークホルダーが参加し、多様なテーマに関するイベントやセッションが行われ、気候変動に関する最新の情報が交換され、議論が行われます。
締約国から提出された排出インベントリー(大気中に放出された温室効果ガスの量を計算したもの)をもとに、条約の目的達成に向けた締約国の対策の効果や進捗状況を評価することもCOPの大切な役割となる。COPは約2週間にわたって開催され、首相級・閣僚級の会合が開かれ、また個別のテーマについての議論が行われるということになっている。UNFCCC-COPでは、世界中の国々が集まって、気候変動に関する問題や取組について話し合い、具体的な行動計画の策定や国際的な合意がなされます。気候変動問題という国境の無い問題の解決には、地球規模での対処が必要である。このため、多国間での合意形成を進める場であるCOPは非常に大きな役割を果たしている。
COPの歴史は、1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットにさかのぼるす。地球温暖化、オゾン層の破壊、熱帯林の破壊や生物多様性の喪失などの環境問題が深刻化し、世界的規模での早急な対策の必要性が指摘されたことを受けて地球サミットは開催された。本サミットで国連気候変動枠組条約が採択され、1994年に発効されました。この条約を批准した国は、この条約の「締約国」と呼ばれることになる。ちなみにアメリカや中国はこれに拘束されていない。条約が発効した翌年の1995年からCOPが定期的に開催されるようになった。
COP28スタート、ドバイで開幕式…日本は途上国の被害対処基金に15億円拠出
【ドバイ=矢野恵祐】国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が30日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開幕した。日本政府は、気候変動で途上国が被る「損失と損害(ロス&ダメージ)」に対処する基金の設立のために1000万ドル(約15億円)を拠出すると表明した。
社会基盤が脆弱(ぜいじゃく)な途上国は、干ばつや洪水など気候変動による自然災害で深刻な被害を受けやすい。そこで昨年のCOP27では、災害に弱い途上国を支援する基金の創設で合意した。
この日の本会議では、基金の運用方法が議題となり、議長国UAEとドイツが各1億ドル(約150億円)の拠出を表明。日本政府の代表は「一刻も早く基金の運用が始まることを望む」と述べ、1000万ドルの拠出を誓約した。英国と米国も支援する考えを明らかにした。
また、世界気象機関(WMO)は今年の世界平均気温が174年間の観測史上、最も高くなるとの見通しを発表。COP28では12日までの会期中、地球温暖化対策をテーマに、198か国・地域の代表者らが話し合う。1、2日には首脳級会合があり、日本からは岸田首相が出席する。
12/1(金) 読売新聞オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/23a097384ec121aa58ac822c1265149c25ace5eb
「2050年までに世界で原子力発電3倍」 日本も賛同 COP28
米政府は2日、2050年までに世界全体の原子力発電の設備容量を3倍にすることを目指す宣言に、日本を含む21カ国が賛同したと発表した。宣言は、アラブ首長国連邦(UAE)で開かれている国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)に合わせて公表された。
日本では今年5月、原発の60年超運転を可能にした「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」が成立。岸田政権は原発回帰の方針に転じており、宣言への参加で、その姿勢が鮮明になった格好だ。
宣言は米国が英国とともに主導し、フランスやカナダ、スウェーデン、フィンランド、韓国などが参加。ポーランド、ガーナ、モロッコなど原子炉はまだないが建設計画を持っている国も加わった。
宣言によると、世界の平均気温を産業革命前から1・5度上昇に抑える国際目標の達成に向けて「原子力が重要な役割を果たすことを認識する」と指摘。そのうえで「50年までに世界全体で原子力発電の設備容量を3倍にする目標に向けて協力することを約束する」とした。設備容量とは一般的に発電設備が一定の時間に発電できる最大量(発電能力)を指す。
また、世界銀行などの国際金融機関に原子力を融資対象に含めるように促し、小型炉など新型炉の開発・建設を支援することも盛り込まれた。
米政府の高官は「米国は原発をクリーンエネルギーの重要な一部と位置づけている。世界中の将来のエネルギーミックスにおいて比率を拡大する機会だ」と述べ、小型炉などの開発を推進する姿勢を強調している。
今回の宣言は、世界全体で「3倍」を目指すものだが、経済産業省幹部は「この宣言をもって国内の原発を増やすという話にはならない」と話す。【岡田英、佐久間一輝、ニューヨーク八田浩輔】
12/2(土) 毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/4f44147ba9b881720b83c7f59dbf390bd5c0c1c0
地球温暖化をどのように考えるかということになる。その時に必ず問題になるのが「温室効果ガス」である。基本的に温室効果ガスは、普通、海の中に溶けて消化される。それと残りは樹木による光合成で消化される。そのことによって、処理できる温室効果ガスを超えて排出ができてしまうと、地球が温室化することになり温暖化が進む。
化石燃料を燃やし続けると、当然に、温室効果ガスが多くなる。しかし、現在の文明の中で電力や自動車などの移動手段を失わせて、その内容で生活が成立することはないもちろん産業革命までの世界は、化石燃料も電力もなく生活をしていた。しかし、その生活に現代人を戻すことはできないのではないか。当然に寿命は急に少なくなるであろうし、また医療も崩壊する。それどころかか現在の生活水準はすべて低くなるということになる。それはさすがにできない。もちろん核戦争が起きるなどして何かあり、そのことによって仕方なく電力などがない場合などになってしまえば、また原始化し、そのことにって文明が急激に止まるようなSFの創作物は少なくない。しかし、そのようになるかどうかはよくわからない。多分、人口は半分に近くなるくらいまで少なくなるであろう。
さて、そのことから、何とか電力などを維持しなければならない。そこで出てきたのが「温室効果ガスの排出の少ない発電方法」ということになる。その一つが「再生可能エネルギー」でもう一つが「原子力発電」ということになる。再生可能エネルギーは当然に「発電量にむらがある」ということになる。例えば太陽光発電であれば、「昼間」は発電できるが「夜間」は発電できない。つまり「夜間電力供給が切れる」可能性があり、それでは意味がない。つまり、「発電した電力を保存する技術がなければ再生可能エネルギーを使うことはできない」ということになる。そこが充電電池ということになるが、そのためには銅やコバルトが必要である。しかし、その電池に必要な資源は今はあまりとれていないということになるのではないか。
一方原子力発電ということになれば、「危険性」が大きな問題になる。スリーマイル・チェルノブイリ・福島、いずれも大きな事故になり、また後遺症なども出てきている。問題は、この危険性を克服できるのかということになる。しかし地球温暖化が原因と思われる気象事件が少なくなく、待てない状態になっている。その為に危険性を覚悟のうえで原子力発電を推進する。当然に再生可能エネルギーをなくすということではなく、再生可能エネルギーにいる銅やコバルトの算出での環境破壊にも配慮するということになる。
そのように考えた場合、原子力の研究をすべきでありむやみに反対するということではないということになるのではないか。日本の原子力アレルギーの人々は、時代に完全に取り残されることになる。それが今回のCOP28の結論だ。そのことが見えないと、世界に貢献できないということではないか。
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