「宇田川源流」【宇田川版教育論】 子供たちに夢を与えることのできない現代の教育

「宇田川源流」【宇田川版教育論】 子供たちに夢を与えることのできない現代の教育


 毎週水曜日は「宇田川教育論」か「大河ドラマ」に関してお話をさせていただいている。ニュースの解説ばかりでは肩が凝ってしまうので、一週間の真ん中は少し気を抜いた話ができるようにということで、大河ドラマに関しては「現在よりも過去について、そしてテレビドラマということに関して話をする」ということを、また「宇田川教育論」に関しては「若者を教育するということを通して、日本の将来を考える」ということをテーマにしている。要するに水曜日は、いつの間にか「現在ではなく、過去や未来を語る日」というようなテーマになりつつある。もちろんそのようなことをはじめから企画したわけではないのであるが、いつの間にかそのようなテーマになっている。

 今週は「教育論」である。

さて、最近の高校生の「将来就きたい職業は何か」ということが、たまに話題になる。実際に、小学生の時の「将来の職業」ということは、基本的には現実離れした夢であり、同時にその夢は、テレビや漫画などからその人がどのように影響をうけ、その中でどのようなことを考えているのかということをしっかりと反映させていることになる。しかし、その反映された夢の中に、「現実」ということはあまり見ていない。何しろ社会のことがマリよくわかっていないし、その小学生の生きている世界というのは、小学校と遊び友達、せいぜい通いごとをしている塾や○○教室の中の友達たちであり、そのような友達も、ほとんどが重なっているという「狭い世界」の中の夢であるといえる。

しかし、高校生くらいになれば、徐々に理解してくるということになる。さすがに返信ヒーローになりたいというような現実離れした夢はなくなる。もちろん高校球児の中にはプロ野球選手などと言うような夢を持つ人もいるが、それはそれなりに現実を見据えての事であり、無邪気な、実現不能な夢を持つことは無くなるといってよいのではないか。

しかし、それでも夢を持ってもらいたいというのは、大人たちの希望である。では「現実をしった高校生に大きな夢を持ってもらう」為には何をすべきなのか。

男子高校生の将来就きたい職業 YouTuber→公務員に 2年で激変「安定した収入」「社会貢献したい」の声

 ソニー生命保険株式会社はこのほど、全国の中高生1000人(中学生200人、高校生800人)に対して、「中高生が思い描く将来についての意識調査2023」を実施。男子高校生のなりたい職業で公務員が1位に。2021年調査で1位だったYouTuberが8位に下落し、2年で激変する結果となった。(調査期間:2023年6月8~14日)

 まず、中学生200人(男女各100人)に将来就きたい職業を聞くと、男子ではYouTuberなどの動画投稿者(22.0%)が1位に輝き、「自分の好きなことを発信しつつ、お金も稼げるから」「現在収益化に向けて活動をしているから」などの理由が寄せられた。次いで、2位はITエンジニア・プログラマー(17.0%)、3位はプロスポーツ選手(15.0%)、4位はゲーム実況者(11.0%)、5位はゲームクリエイター(10.0%)となった。21年に実施した同調査の結果と比較すると、ゲームクリエイターが12位から5位へと大幅上昇。プロスポーツ選手も6位から3位へと順位を上げた。

 女子では、絵を描く職業(漫画家・イラストレーター・アニメーター)が19.0%を獲得し、1位に。「アニメが好きだから」「ボカロのサムネを描いたり、小説の表紙や挿絵を描いたりしてみたいから」などの理由があった。次いで、2位・ボカロP(17.0%)、3位はYouTuberなどの動画投稿者、歌手・俳優・声優などの芸能人(いずれも16.0%)、5位・ゲーム実況者(11.0%)と続いた。こちらも21年調査で3位だった絵を描く職業が1位にランクアップ。また、ボカロPが5位から2位に、ゲーム実況者が10位から5位へと上昇した。

 続いて、高校生800人(男女各400人)に同質問をすると、男子の1位は公務員(15.8%)で、「安定した収入を得ることができるから」「人のためになりたいし、社会貢献したいと思ったから」などの理由があった。以下、2位はITエンジニア・プログラマー(11.8%)、3位は会社員(10.0%)、4位は教師・教員(8.5%)、5位は学者・研究者(8.3%)となった。21年の調査結果と比較すると、公務員が4位から1位に上昇。また、会社員も11位から3位、学者・研究者も16位から5位へと大幅上昇した。一方で、YouTuberなどの動画投稿者は1位から8位へと大幅に順位を下げ、2年で激変する結果となった。

 女子では、1位が看護師(14.2%)、2位が公務員(11.5%)、3位が保育士・幼稚園教諭(10.3%)、4位が歌手・俳優・声優などの芸能人(9.8%)、5位がデザイナー(8.5%)という結果に。1位・看護師には「病院でお世話になったときに憧れたから」「人の役に立てるから」などの意見が集まった。21年調査との比較では保育士・幼稚園教諭が5位から3位に、デザイナーが10位から5位へと上昇した。(ソニー生命調べ)

(よろず~ニュース調査班)

2023年8月13日 10時0分 よろず~ニュース

https://news.livedoor.com/article/detail/24791393/

 先日、甲子園では慶応高校が優勝した。高校野球の話である。その甲子園での慶応高校の優勝の優勝には二つのことが話題になった。一つは応援に関するクレームのような内容であり、そのことはここでは言及するのはやめておく。もう一つは「自由な高校」ということである。

さて、「自由」というのは、少なくとも高校野球の世代では「坊主頭ではなく、サラサラヘアである」とか「自分たちで考えて野球を楽しむ」というようなことである。一見大人から見れば、「全部子供たちにやらせるのであるから楽をしている」と思うかもしれないが、実際は「子供たちが間違った方向に行かないようにしながら、遠回りしても手を出さない忍耐が必要」ということであり、なおかつ「自分たちで気づかせるためのアドバイスやコミュニケーション」が必要であるし、また、「夢を諦めそうになった時のモティベーションの持たせ方」ということも重要である。一見「楽」なように見える「自主性」は、実は、大人や指導者にとっては「かえって忍耐を必要とする」ということにある。同時に、その内容に関して言えば、「子供たちに自分で選択したことの自分で責任を取る」ということを教えるのであって、同時に、子供たちだけに責任を取らせるわけにはいかないので、社会的には指導者が責任を取る体制を整えておく必要があるのだ。

要するに、何か命令をして言うことを聞かせている方が実は楽であり、自主的にやらせて、経験を積ませ、なおかつ自己責任ということを教え、そのうえで、自由ということを教えることの方が難しいのである。逆に言えば、慶応高校はそのような素晴らしい指導者を迎えたということであろう。

さて、では現在の高校生は同であろうか。高校生の「登校拒否」が増えている。これは何もいじめというような紋愛ばかりではなく、高校や学校のシステムにあまり未来や自分の将来を感じないということの表れである。登校拒否というのは、自主的に自分の判断で投稿をしないということであり、それは自分がその高校と会わないということに他ならない。ぎゃくにいえば、その様に自分で判断する力があるということを意味している。

では、なぜそのような子供が増えているのか。それは上記のように「堅実な事」を目指すような指導し化していないからに他ならない。もっと言えば、「高校生の可能性をつぶしてしまう指導しかしていない」ということに他ならないのではないか。

「安定した収入を得ることができるから」「人のためになりたいし、社会貢献したいと思ったから」<上記より抜粋>

まさに、このような理由が出てきてしまうこと自体が「自分」ということをあまりわかっていないしわからせるような、自分で自分を考えさせることをしていない指導しかないのではないかという気がする。自分の将来の可能性を全く感じていないのではないか。そしてそのような指導ができていないというのが今の高校である。

まさに記憶してそれを答案用紙に書くというような、マークシートですべてが決まるような内容しか教えられず、「人生」をマークシートで塗りつぶしてしまうような話をしていては意味がないのではないか。

まずは学校では人間教育をすべきではないか。私はそう思う。

宇田川源流

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