「宇田川源流」 中国が8分野を優先して情報関連を国有化したことの意味

「宇田川源流」 中国が8分野を優先して情報関連を国有化したことの意味


 日本人は「情報」というものを「タダ」と思っているといわれる。実際に「水」「安全」「情報」というものに関して、非常に重要なものであるにもかかわらず、なぜか日本に来るとそれらの価値が全くないかのような状況になってしまっている。日本はそれほど、水は豊富にあるし、また安全であり、なおかつ情報によって差別されたり、競って不利な扱いを受けたりということが少ない、平和な国であるということになる。

 しかし、その「平和」は間違いなく「日本国内」だけの事であり、世界で通用する価値観ではない。世界に出れば、水は有料であることが当たり前、喫茶店で無料で水が出てくるなどと言うことはあり得ないし、低sy国屋でお茶が出てくることもないのである。また安全などは基本的にないと思った方が良い。どこに行っても置き引きやすりなどは注意しなければならないし、場合によっては強盗やレイプなどが日常茶飯事であるという国も少なくないのだ。そして情報、この情報に関しては、情報のレベルにもよるが国家が率先して「盗みに来る」場合がある。まさにスパイなどと言うことはそのものであり、どうにかなるような話ではない。つまり「国が積極的に個人の情報を取る」などと言うことは普通の話であり、国同士の情報のやり取りというような問題になってきているのである。

 実はこれが世界標準であり、マイナンバーカードの「情報を取られるかもしれない」などと言うような騒ぎは、世界標準というよりは、間違いなく「日本特有の平和ボケ」というような感じにしか見えない。もっといえば、アマゾンやグーグルなど、外国の民間企業には平気でカード情報まで出しておきながら、なぜ自分が税金を払っている政府に対して情報を取られることをそれほど警戒するのか、甚だ疑問であるが、このマイナンバーカードに関してはその時に話すことにしよう。

 さて、情報というのはそのようにして守るものである。日本の場合は「なんでも共有する」というような文化があり、秘密を持っていると「何か怪しいことを隠しているのではないか」というようなことを噂される文化にある。ある一定のコミュニティ(昔は村社会になるが今ではママ友など属しているコミュニティがあるが)の中にい一員で会うr場合「コミュニティの中の情報の共有」ということが当然になっており、その村社会の掟が多くある。しかし、他の国では「個人」が大きく存在することになる。要するに「個人」と「国」の間に「村社会」が介在し、その村社会全体の秘密ということになるのである。そのような国はあまり存在しないのが世界の標準である。

中国が情報システム国産化へ

 中国政府が、政府や国有企業が使用するオフィス関連機器や情報システムを国内企業の製品のみで構成する「国産化」を2027年までに完了するよう内部文書で指示していることがわかった。中国は外国企業を差別しないことを定める世界貿易機関(WTO)の政府調達協定に加盟する姿勢を示し、政府調達の対外開放を促す環太平洋経済連携協定(TPP)にも加盟を申請する一方で、国内的には日本など外国企業の排除を進めていることになる。

 在北京の複数の外交筋によると、中国政府の国有資産監督管理委員会は22年9月、政府や国有企業に対し、情報システムの全面的な国産化を進めるよう、文書で通達した。「79号文書」と呼ばれる文書は、23年1月から3か月ごとに国産化の進展状況を同委に報告することも求めているという。

 コンピューターや複合機などのOA機器やサーバー、電子メール、ファイルのシステムなどを対象としている。〈1〉共産党と政府が国産化を進め、国産製品の質の向上や中堅メーカーの育成を図る〈2〉金融、通信、電力、石油、交通、航空宇宙、教育、医療の「8大重要業界」に国産化を拡大〈3〉その他の全業界にも広げる――の3段階で進めるという。

 関係者によると、同委は79号文書を口頭で説明し、手書きで写すことだけ認め、その後回収するという手法を取ったとみられている。79号文書は、同委のサイト上でも公開されていない。他国からの外資排除の批判を避けるため、証拠が残らないようにした模様だ。

 中国はWTOの政府調達協定への加盟交渉を15年以上継続し、「対外開放」の姿勢を強調してきたが、外交筋などの間では疑問視する見方が強まっている。

 米国の業界団体関係者によると、中国の国有銀行ではすでに情報システムにIBMやアドビなど米大手の製品を採用しない調達外しが進んでいるという。

 中国政府は国家安全の一つに「情報」を位置づけており、国内企業だけで高性能製品を製造する能力の構築が狙いとみられる。今後、民間への波及も必至で、外国製品が中国市場に参入する余地がさらに狭まるとともに、将来的には中国企業がこの分野で世界市場のシェア(占有率)拡大を図っていくとの観測も出ている。

2023年07月07日 05時00分読売新聞

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12213-2431055/

 その情報に関する世界の標準は、当然に、現在であっても同じである。最近ではトランプが大統領であった時に中国とアメリカの間で「知的財産権」のもんだいが大きく取り上げられ、そのことで中国とアメリカの間でのデカップリングが進んだというようなことは記憶に新しいのではないか。実際に、トランプ政権時の議会では民主党も賛成して中国に対する知的財産権の問題による経済デカップリング政策、または制裁という事を支持していた。そのことはバイデン政権に代わっても、対中国でカップリングが継続していることで明らかである。

 知的財産権の侵害とはそこまで大きな話であり、日本の場合、「千人計画」なることで、研究機関に中国人の研究者を入れて、その研究者が兵kに中国の軍事企業に機密情報をメールしていても、不正競争防止法でしか対処できない状態になっている。この事から、現在ウクライナを苦しめているイラン製のドローンの多くは、日本の技術が使われているというのである。中国からイランに情報が使われ、そして、そのイランで作られた兵器がロシア軍にわたってウクライナ国民を殺している。当然に、同じことが「日本に対して」行われても全くおかしくないのである。

 それでも上記のように、「日本はコミュニティの内部にある情報の共有」ということは全く気にしないで行っており、日本の不正競争防止法で逮捕された中国人研究者はその「コミュニティの中にうまく入り込むことができた」ということに他ならない。

 さて、そのようなことをして他国の情報を盗んだ(少なくとも今回の日本の事件ではそういうことになる)中国政府は「そろそろ自分の国で様々な情報が集まった」と判断したのであろうか。情報を逆に「取られないように」ということを考え始めたのである。それが、今回の情報機器の国産化ということであろう。

 コンピューターや複合機などのOA機器やサーバー、電子メール、ファイルのシステムなどを対象としている。〈1〉共産党と政府が国産化を進め、国産製品の質の向上や中堅メーカーの育成を図る〈2〉金融、通信、電力、石油、交通、航空宇宙、教育、医療の「8大重要業界」に国産化を拡大〈3〉その他の全業界にも広げる――の3段階で進めるという。<上記より抜粋>

 見ていただいてわかるように、「すべて軍事」に関する内容である。金融は軍資金、通信や電力は情報インフラや製造インフラ、そしてて交通宇宙は兵器(ミサイル)、教育・医療も軍事には欠かせない「愛国教育」や「傷病兵や化学・生物兵器開発」ということになる。中国はこれで国産化を勧め「戦争を開始して経済制裁を加えられても軍需産業とインフラに関しては自前で準備できる」ということを行ったということになる。当然い、ロシアの現在の惨状を見ていて、経済制裁後のロシアの問題などを見てそのようにしているのであろう。あとは資源を保管しておけばよいということになるのである。

 すべてを戦争準備と見るのはうがった見方かも知れないが、しかし、その時が近づいていることは間違いがない。そのような時期に日本の企業の中にはこれから中国に進出して新設の向上を作るという「非常識」な企業があることは、本当に信じられないものである。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

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