「宇田川源流」【宇田川教育論】 ネット利用とネット依存の「現在の若者考」

「宇田川源流」【宇田川教育論】 ネット利用とネット依存の「現在の若者考」


 毎週水曜日は「宇田川教育論」か「大河ドラマ」に関してお話をさせていただいている。ニュースの解説ばかりでは肩が凝ってしまうので、一週間の真ん中は少し気を抜いた話ができるようにということで、大河ドラマに関しては「現在よりも過去について、そしてテレビドラマということに関して話をする」ということを、また「宇田川教育論」に関しては「若者を教育するということを通して、日本の将来を考える」ということをテーマにしている。要するに水曜日は、いつの間にか「現在ではなく、過去や未来を語る日」というようなテーマになりつつある。もちろんそのようなことをはじめから企画したわけではないのであるが、いつの間にかそのようなテーマになっている。

今週は「教育論」である。

 さて、「教育論」と言っても、何でもかんでも情報や知識を子供に植えつければよいというものではない。様々な勉強会で講師と話していると、その講師は「社会人相手なんだからこのことくらいはわかるはずだ」というようなことを言う場合がある。例えば北方領土の話をしているときに、「千島と対馬の違いは何ですか」という、実に根本的な質問がくる。講師の先生は「それくらいは地図を見ればわかるでしょう」というし「小学校で習っているはずだ」ということを言うのであるが、しかし、知らないし、現在の日本では知らなくても十分に毎日の生活はできるのである。

 このエピソードを語った時に、「それはその人が特別に学歴が低いのでは」というようなことを言う人がいる。しかし、では今度は私の友人の話になるが、京都大学出身で現在ジャクサの教授をしている人であるが、「織田信長ってなんで死んだんだっけ」ということを飲み会の最中に言ってきたことがある。要するに、彼の頭の中からは完全に「本能寺の変」が抜け落ちているということになる。ジャクサで宇宙の研究をしている人にとって過去の歴史上の人物が何で死んだかなどと言うことは全く関係ないし、興味もない。もちろん、京都大学ということは、今も昔も全教科を行っているということになる。つまり社会も習ってたはずであり、大学受験の前後であれば覚えていたであろう。しかし、使わなければ忘れるのも、当然のことではないか。

 人間の記憶とはそういうものなのである。

中学生5人に1人ネット依存の傾向 東京・世田谷区が大規模調査 区内の小中学生約3万4000人が回答

 東京・世田谷区は、区内の小中学生を対象にスマホやインターネットの使い方について大規模なアンケート調査を実施し、中学生の5人に1人がネット依存の傾向があることが調査結果から明らかになりました。

 アンケート調査は世田谷区内90の小中学校を対象に行われたもので、小中学生およそ3万4000人から回答を得ました。

 それによりますと、小学生の13.3%、中学生の21.6%に「ネット依存の傾向がある」ことが明らかになりました。

 厚労省が採用しているネット依存の傾向を調べる際の8つの項目のうち、5つ以上が当てはまると「ネット依存の傾向がある」とされています。

 8項目は

(1)ネットに夢中と感じる

(2)満足のため使用時間をもっと長時間にしたい

(3)中止を試みたがうまくいかないことがたびたびある

(4)時間を短くしようとするとイライラする

(5)考えていたより長く続けてしまう

(6)ネットで人間関係を台無しにしたことがある

(7)熱中を隠すため家族や先生に嘘をついたことがある

(8)絶望、不安から逃げるためにネットを使う

 一方、ネットを1日4時間以上使用していると答えた子どものうちおよそ6割が、面識のない人とLINEなどのSNSで連絡を取ったことがあると回答。

 そのうち13.9%は実際に対面で会ったことがあると回答していました。

 世田谷区によりますと、今回のアンケート調査をもとに小中学生が対策を話し合い、来月、区や保護者に向けて提言を行う予定です。

 アンケート調査に携わった兵庫県立大学環境人間学部・竹内和雄教授は、「世田谷区だけでなく全国的にコロナ禍でネットに触れる時間が増加したことも影響し、ネット依存の傾向がある子どもが増えいるのではないか」と分析。そのうえで、「ネットを通じて子どもたちが犯罪やいじめなどのトラブルに巻き込まれる前に対策を取る必要がある」と指摘しています。

2023年7月6日 9時58分 TBS NEWS DIG

https://news.livedoor.com/article/detail/24557978/

 さて、現在の若者で問題になっているのは「ネット依存」である。確かに「Z世代」の特徴として「ネットネイティブ」という言葉が必ず出てくることになるのであるが、ではその「ネットを利用している」のと「ネットに依存している」そして「ネットに囚われている」ということでは全く異なる。人間は「道具」を使うことができるが、同時にその道具に依存しすぎてしまうと道具に囚われてしまうことがあるのだが、まさにそのような状況になっているのではいか。

(1)ネットに夢中と感じる

(2)満足のため使用時間をもっと長時間にしたい

(3)中止を試みたがうまくいかないことがたびたびある

(4)時間を短くしようとするとイライラする

(5)考えていたより長く続けてしまう

(6)ネットで人間関係を台無しにしたことがある

(7)熱中を隠すため家族や先生に嘘をついたことがある

(8)絶望、不安から逃げるためにネットを使う

 このうち5つ以上当てはまる人がネット依存だそうだ。実際に考えれば、何も子供だけではなく、現在の大人もネット依存は少なくない。少し前は「ゲーム依存」などがあったのだが、ゲームがネットでできるようになりそして、スマートフォンで時間に関係なく、また自分の置かれたシチュエーションに関係なく、ネット環境に触れることができる。そのうえ、動画などで物事が入ってくる状態になれば、当然に、ネット依存が深まる。

 一方で、教育の現場も「LINEで連絡する」「ポータルサイトで情報を流す」など、片方でネット依存を注意しながら、学校や教育の現場と子供の間をネットでつなげているという現実もある。そのようなことはすべて棚に上げて「ネット依存は良くない」などと言うのであれば、できないとは思うが、学校が率先してアナログに戻せばよいのであり、何を都合の良いことを言っているのかというような気がするのである。ましてや、大学受験の願書をネットで受け付けてみたり、受験情報がネットで公開されるようになれば、子供はネットを使わざるを得ない、そしてその情報の関連情報を見ているうちに、面白い方、興味のある方に流れてゆき、そして、外部の人とつながるというようになってくるのは当然のことである。

 このような話をするときは「禁止する方向」になる。それは毎週土曜日に連載している「土曜日のエロ」でも同じだが、「禁止する」のではなく「あるという前提で物事を区別できるような教育を施す」ことが重要なのではないか。今の教育現場はそのような京いきゅができない人ばかりであり、学生や子供の質の低下や時代の違いではなく、「教職員の質の低下」をこれらの現実から見て、食い止め改革してゆくことの方が先ではないかと思うのである。

宇田川源流

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