「宇田川源流」【大河ドラマ べらぼう~蔦重栄華乃夢噺】 2025年大河ドラマ決定

「宇田川源流」【大河ドラマ べらぼう~蔦重栄華乃夢噺】 2025年大河ドラマ決定

 ゴールデンウィーク明けの水曜日は、「NHK 大河ドラマ」について書いてみたい。

ちなみに、先週5月7日、ゴールデンウィーク最終日の大河ドラマ「どうする家康」は、三方ヶ原の戦いであった。武田信玄と、まだ若い徳川家康の戦いであり、徳川家康が惨敗するという史実の戦いである。なかなか興味深い書かれ方をしている。今回の「どうする家康」は、様々な解釈論の中でも「これはあり得ないと言物だけを排除した解釈論」であり、史実や記録には全くなかった「武田信玄と徳川家康の事前の面会」など、様々なところで物議をかもしている。しあkし、それはそれでドラマとして割り切って楽しめばよいのであるし、まあ、軽いというような批判もあるのだが、そこはそこで脚本の妙だけではなく、演じている役者への演出などの問題もあるので、何とも言いようがない。

三方ヶ原の戦いは、まさに徳川家康そのものの運の強さなどが「後の世になって、後付け講釈」によって語られることになる。逆に言えば、それだけ激しい敗戦であったということが言えるであろうし、また、無謀な戦いであったということでもあろう。それだけではなく、少なくともその時点で武田信玄は徳川家康などは敵であるとは思っていなかったし、また、相手にもしていなかった。その相手にもしていなかった部分が、そのまま表れ、「小物であったがゆえに、助かった」ということと「その小物が天下を統一し、200年を超える平和の世を作った」ということが、驚かれることになる。

そのような意味合いが、なかなか表に出なかったということが、今回のドラマの最も惜しい部分であり、そもそものテーマである、若き家康の迷いや選択ということに関してはしっかりと書かれていたのではないか。

さて、しかし、今回はその「三方ヶ原の戦い」について書くのではなく、再来年、2025年の大河ドラマが決まったということをご紹介しようと思ているのである。その主人公は「蔦屋重三郎」である。

25年大河主演は横浜流星「光栄」 蔦屋重三郎の生涯描く「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」脚本は森下佳子氏

 NHKは27日、2025年に放送される大河ドラマ第64作「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」に俳優の横浜流星(26)が主演すると発表した。横浜はNHKドラマ初出演。脚本は17年の大河「おんな城主 直虎」の森下佳子氏が担当し、江戸時代の版元で浮世絵師の喜多川歌麿や東洲斎写楽、葛飾北斎らを世に出したことで知られる“江戸のメディア王”蔦屋重三郎の生涯を描く。

 横浜は「放送100年目の記念すべき年に主演します。役者をやるうえで大河は一つの目標で、選んでいただき大変光栄。培ってきたものを活かして蔦屋重三郎を生きられたら」と意気込み。日本のメディア産業やポップカルチャーの礎を築いた蔦屋重三郎については「最初は自分も存じ上げなくて、この話をいただいて今勉強してる」という。「江戸のメディア王といわれていたそうで、歌麿や北斎のように自分は普段プロデュースされる側だが、今回はプロデュースする側ということで、それを経験できるのが楽しみ」と語った。

 森下氏は連続テレビ小説「ごちそうさん」、大河ドラマ「おんな城主 直虎」、TBS「JIN―仁―」「義母と娘のブルース」「天国と地獄~サイコな2人~」などを手掛けたほか、今年放送されて反響を呼んだNHKドラマ10「大奥」の脚本も担当した。

 ◆横浜 流星(よこはま・りゅうせい)1996年(平8)9月16日生まれ、神奈川県出身の26歳。2011年にファッション誌「nicola」のメンズモデルで人気投票1位を獲得。「仮面ライダーフォーゼ」でテレビドラマ初出演。「烈車戦隊トッキュウジャー」でトッキュウ4号/ヒカリ役を演じ、人気を集めた。昨年は主演映画「嘘喰い」「アキラとあきら」「線は、僕を描く」が公開されたほか、「流浪の月」では各映画賞助演賞を受賞。現在主演作「ヴィレッジ」が公開中。極真空手初段。

【最近10年の大河ドラマ主演】

2024年「光る君へ」 吉高由里子

2023年「どうする家康」 嵐の松本潤

2022年「鎌倉殿の13人」 小栗旬

2021年「青天を衝け」 吉沢亮

2020年「麒麟がくる」 長谷川博己

2019年「いだてん」 中村勘九郎・阿部サダヲ

2018年「西郷どん」 鈴木亮平

2017年「おんな城主 直虎」 柴咲コウ

2016年「真田丸」 堺雅人

2015年「花燃ゆ」 井上真央

2023年4月27日 15時32分 スポニチアネックス

https://news.livedoor.com/article/detail/24136001/

 さてまずは辞書で「蔦屋重三郎」を調べてみよう。朝日日本歴史人物事典から引用である。

江戸中期の書物・地本問屋。父は尾張の人丸山重助,母は津与。喜多川氏に養われる。名は柯理。号耕書堂,薜羅館。蔦唐丸の筆名で狂歌,戯作の作もある。江戸新吉原に出生。長じて新吉原五十間道で貸本,小売を主体とする本屋耕書堂を開業,安永4(1775)年から鱗形屋孫兵衛版『吉原細見』の改め・卸を手掛ける一方,地縁を背景に,灯籠番付や俄の絵本などの吉原関係の草紙を主体とした出版を始める。5年秋からは自版の『吉原細見』を刊行,以後富本正本,稽古本,往来物,流行の戯作類と次第に出版の内容を広げ,天明3(1783)年9月には通油町に進出する。これより先,当時の狂歌・戯作界の中心的人物大田南畝の知遇を得てより,流行の狂歌を媒介として結集し始める狂歌・戯作壇の連中と親交を深める。 同年,南畝編『万載狂歌集』刊行を契機として江戸狂歌流行が爆発的な流行をみるや,自ら狂歌師となって狂歌の集まりに積極的に参加,狂歌師・戯作者の活動の場をお膳立てすることによって作品の出版を独占的に手がけ,天明期戯作・狂歌の最良の部分を世に送り出すことになる。それまで中心的,指導的な立場にあった人間たちの熱が冷め,狂歌・戯作壇が徐々に停滞の兆しを見せ始める天明末から寛政初めにかけては,板元主導の態勢を強化していくが,寛政改革の余波による有力作者の退陣はその傾向に一層拍車をかけた。書物問屋に加入し,営業内容の多角化を図るのもこのころである。寛政3(1791)年刊山東京伝作洒落本三部出版が時の風俗矯正政策に抵触し,咎めを受けて財産半減の処分を受ける。寛政中・後期,戯作や狂歌本の出版においては,進取の気に富むものに乏しいが,寛政6年から7年にかけ,東洲斎写楽の錦絵を140点余刊行するなど,錦絵や書物系統の書籍の出版などに注目すべき仕事も多い。当時を代表する錦絵や草紙類を世に出したというだけではなく,文芸の史的展開に深く関与したという点でも注目すべき板元であろう。

<以上引用抜粋>

さて、現在の本屋または貸しビデオなどの店である「蔦屋」はこの人物から名前を取っている。上記にも書かれているが、文化文政時代に一大流行を博した黄表紙本や狂歌本などを作り、多く日本の町人文化に寄与した人物である。山東京伝や東洲斎写楽などを世に送り出し、そのうえで、町人文化と吉原文化を現在に伝える重要な「町人文化」の担い手となった人物であり、現在のNHKが世界に日本の浮世絵文化などを伝える時にはさけてはとおれない人物である。

その主役を横浜流星さんが行うという。まあ、そこまで良い男ではなかったと思うのであるが、そこはそこでよいのではないか。また、脚本は森下佳子さんが書くという。「女城主直虎」野時の脚本であり、有名ではない歴史的主人公を書きながら、有名な人にシフトしながら最後まで書ききる力は、「直虎」で見せてもらっている。ある意味で、今回の吉原文化などを女性的な目線で書くことができるのではないかと期待している。

さて、この蔦屋重三郎、『写楽』(1995年)、ではフランキー堺さんが、そして『HOKUSAI』(2021年)では、今年の大河ドラマ「どうする家康」で武田信玄を演じている阿部寛さんが演じている。重厚で、なおかつ押しの強いくせ者の感じが強い役割であり、横浜流星さんがそこまで演じられるのか期待が膨らむのではないか。

このほかにも、写楽や山東京伝など、様々な江戸の文化人を誰が演じるのか、そして松平定信など、蔦屋を取り締まる側を誰が演じるのかなど、なかなか面白い。ある意味で、「蔦屋を取り締まらなければならない人が、吉原で遊び、その家族が黄表紙本を読んで喜んでいる」という家庭内の矛盾をどのように書いてゆくのか、コミカルなのかシリアスなのかなども気になるところだ。

今から様々なことを書かれるのであろうから、その部分をこれから見てゆきたいところだ。

宇田川源流

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