「宇田川源流」 前近代的な高校野球の「ブラックルール」で野球人口が減るのでは?

「宇田川源流」 前近代的な高校野球の「ブラックルール」で野球人口が減るのでは?

 ブラック校則というのが話題になっている。「校則」というのは、学校の規則であり、当然にそれに従わなければならないということが義務付けられているのであるが、一方で、その内容がなぜそのようになっているのかよくわからないという事も少なくない。仲には笑ってしまうような物も少なくなく、本来は法律に違反しなければよいと思うのであるが、しかし、なぜか変なものが少なくなかった。

これら「ブラック校則」がなぜできたのかと言えば、私から見れば「大人の身勝手」以外の何物でもないという感じであろうか。単純に「高校生らしさ」ということを言い始めるのである。では「らしさ」とはいったい何であろうか。

そもそも「高校生らしい」ということ自体がおかしい。そもそも「高校生らしい」とか「らしくない」に関係なく、彼ら、彼女たちは間違いなく「高校生そのもの」である。当然に「高校生そのもの」に対して「高校生らしさ」を求めるということのおかしさはだれも気付かないのであろうか。それは「本物に、本物らしさを求める」ということになるのであるが、そのことが見えていないことが、高校の「校則を決め、守らせている人々」の最もおかしなとこではないか。

では「らしさ」の本質とは何か。つまり「高校生ではない人である大人」が「高校生に対する大人の勝手なイメージ」を本物の高校生に押し付けて、本物の高校生の姿を打ち消しているということなのである。しかし、多くの大人がそのような行動を起こしているということなので、当然に、その「不自然さ」を全く気付かないということになるのであり、そのような事がいまだにまかり通っているのである。高校生同士が高校生の内容を決めているのではなく、高校生ではない人々が高校生らしさという大人の勝手な価値観を押し付けて、本物の高校生の価値観を虐げているということが、現在の最もおかしな内容なのである。

そして、そのようなことがまた高校野球の所で起きてしまった。

侍ジャパンで話題のポーズ、高校球児はダメ…「自由に楽しむ方法を」と疑問の声も

 18日に開幕した第95回選抜高校野球大会の第1試合、東北(宮城)―山梨学院(山梨)戦で、両手を上下に重ねてコショウをひくポーズ「ペッパーグラインダー」を球児がしたところ、審判から注意される一幕があった。

 ポーズは開催中の野球の国・地域別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)で、日本代表「侍ジャパン」のラーズ・ヌートバー選手らが披露し、話題になっている。

 一回、東北の金子和志選手が相手のエラーで出塁し、ベンチに向かってこのポーズをして見せたところ、一塁塁審から注意されたという。試合後、東北の佐藤洋監督は「あのパフォーマンスで日本中が盛り上がっているのに、注意されるというのは大反対。自由に野球を楽しむ方法を考えてほしい」と語った。

 これに対し、日本高校野球連盟は「不要なパフォーマンスやジェスチャーは慎むようお願いしてきた。選手の気持ちは理解できるが、プレーで楽しんでほしい」とのコメントを出した。

2023年3月18日 20時52分 読売新聞オンライン

https://news.livedoor.com/article/detail/23896162/

日本高野連「不要なパフォーマンスは慎むようにお願い」 東北のペッパーミルポーズを審判が注意した件で談話

◆第95回センバツ高校野球大会第1日 ▽1回戦 山梨学院3―1東北(18日・甲子園)

 東北が侍ジャパンで注目される“ペッパーミルポーズ”を取り入れ、審判から注意を受けたことについて、日本高野連は「高校野球としては、不要なパフォーマンスやジェスチャーは従来、慎むようお願いしてきました。試合を楽しみたいという選手の気持ちは理解できますが、プレーで楽しんでほしいというのが当連盟の考え方です」とコメントした。

 東北は初回、先頭の金子和志が遊失で出塁した際、一塁ベース上でベンチに向かってペッパーミルポーズをした。これが一塁塁審から注意を受け、ベンチにも「パフォーマンスはダメです」という趣旨の注意があったという。

 同校の佐藤洋監督は「あれやって、怒られましたからね。何でこんなことで、子どもたちが楽しんでいる野球を大人たちが止めるのかな、と感じました。もう少し子どもたちが、自由に野球を楽しむことを考えてほしい。日本中が盛り上がっているのに、なんでダメなのか理由が聞きたい」と首をかしげていた。

2023年3月18日 19時8分 スポーツ報知

https://news.livedoor.com/article/detail/23895714/

 高校野球連盟は、毎回おかしなことを言う。現在の「ブラック校則」と何ら変わらない、高校生にあるまじき前近代的な規制を行っているということになる。以前は「坊主頭」出ないといけないとか、バク転禁止など、現在の自由で様々な価値観がある高校生をグラウンドで表現するということが出来ないような形になってしまい、自由な高校サッカーの方に野球人口がかなり流れてしまったのではないか。

しかし、高校野球連盟には、全くその反省はない。いまだに「高校生らしさ」という、自分たちの偏狭な価値観を高校球児に押し付けていながら、そのようなおかしな状況になっていることが全くわかっていないということになる。

それでも、理解できないことはないという意見もある。

例えば、「挑発的なポーズ」などは良くないという。当然に敵に対して敬意を払う武士道的な精神を学ぶということは重要であるし、また、その主張が政治的であったり他人を侮辱するような内容であるのは好ましくない。実際に過去のオリンピックやWBCにおいて、どの国(地域)とは言わないが、政治的な主張をしたり、他国を侮辱するような事を主張し、または観客がそのような横断幕を掲げる国があり、国際的に問題になったことがある。その国が、精神的に成長できていない国であるということで、注意をしたにとどまるが、本来ならばオリンピック憲章に違反するようなことであることは間違いがない。そのようなことを高校生が真似るのは良くないであろう。

では、今回WBCでヌートバー選手が行っていた「ペッパーミル・ポーズ」は同であろうか。

佐藤洋監督は「あれやって、怒られましたからね。何でこんなことで、子どもたちが楽しんでいる野球を大人たちが止めるのかな、と感じました。もう少し子どもたちが、自由に野球を楽しむことを考えてほしい。日本中が盛り上がっているのに、なんでダメなのか理由が聞きたい」と首をかしげていた。<上記より抜粋>

この東北高校の佐藤監督に言葉は、間違いなく正論であろう。例えば、WBCでヌートバー選手はその他の日本の選手が「ペッパーミル・ポーズ」をやっているのを見て、誰かが不快に思ったり、または挑発されたというようなことがあるのだろうか。または野球のプレイを楽しんでいないというように映っているのであろうか。足手や政治的な何らかのメッセージであるというように考える意図がいるであろうか。あのポーズ(私も知っているが)を見て、そのように考える人がいるとすれば、それはよほど、なんでも政治または侮辱ということに結び付けてしまうような偏屈な考え方であるか、または少し頭がおかしいのではないか。高校野球連盟の人は、ヌートバー選手を見て、そのように感じているのであろう。

要するに「自分たちが許可したこと以外は全て規制する」というような、「ブラック校則」ならぬ「ブラックルール」があり、それが日本を停滞させているのではないか「その象徴」が高校野球連盟になってしまっている。このような態度は、慎むべきであり、高校生にパフォーマンスを含め自由に野球を楽しませてあげることはできないのであろうか。

宇田川源流

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