「宇田川源流」【現代陰謀説】 別に陰謀ではないが「昆虫食」は何故コオロギばかり言われているのであろうか

「宇田川源流」【現代陰謀説】 別に陰謀ではないが「昆虫食」は何故コオロギばかり言われているのであろうか

 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。現在の世界に生きる陰謀をそのまま解析してゆこうと思っている企画であり、そのことによってマスコミのニュースの読み方や、あるいはその中に含まれる様々な内容を見てみようというものである。

さて、そのマスコミであるが「一斉に何かをやり始めた」というときには、我々は警戒しなければならないのであるということは、既にこの連載もかなり回を重ねてきたので、わかっているのではないかという気がする。

今までも「あれはいったい何だったんだ」というようなことが少なくなかったのは、様々なところでご記憶のとおりである。

日本人は、非常に横並び意識が強く、なおかつその横並び意識の中から、「他と一緒ではない」ということに対して「非常に恐怖を疎外感を感じる」というような性質があり、何だかわからないが、一部のブームが全体に広まることが少なくなく、そのうえ、それが「国民的熱狂」に繋がる可能性が少なくないのである。

この「国民的熱狂」は、例えば昭和の初期には、「戦争」に日本を導いてしまいながらも、そのことをあまり認識しない状況にあるということになり、また、ブームなどが発生して、その後急に冷え込むので、商業投資などをうまくゆかせなくする要因となっている。

以前の話であるが、アメリカのヤンキースタジアムの名物であるホットドックの「ネイザンズ」が、日本に出店するという相談を受けたことがある。この時に、結局出店をせず、日本人のフランチャイジーが、数店出店したのにとどまるのであるが、出店をしなかった理由は「日本にはブームがあって投資をしたころにはブームが去って投資が無駄になり商業が最も難しい国であるから」というものであった。

まさに日本の「国民的熱狂」や「ブーム」はそのように世界からも敬遠される要因になっているが、そのことを全く見えていない人々が少なくないのである。


敷島製パン、コオロギ商品めぐり対応苦慮 デマや陰謀論も拡散...提携企業は法的措置を検討

 Pascoで知られる製パン大手「敷島製パン」のコオロギパウダー入り商品を巡り、虚実ないまぜの情報が数多く広まっている。

 昆虫食への強い抵抗感からか、間違った憶測にもとづく批判や、こじつけのような言説が少なくない。提携企業は風評被害に対し、法的措置も辞さないとしている。

■電凸や不買を呼びかける投稿も

 敷島製パンは20年12月から、昆虫食の大学発スタートアップ「FUTURENAUT」(群馬県高崎市)と共同で「Korogi Cafe(コオロギカフェ)」シリーズを展開している。

 パンやフィナンシェなどにコオロギパウダーを配合し、通販限定で販売する。将来の食糧不安に備えた取り組みだ。発売開始2日で完売したほど好評を博し、メディアにも多く取り上げられている。

 しかし、23年2月中旬ごろから昆虫食の是非がツイッターで議論となり、敷島製パンにも飛び火した。

 冷静な意見表明やファクトに基づく指摘がある一方、「Pascoの生産ラインでコオロギ入りも作っていると思うと(中略)買う気にもならない」「パッケージにコオロギ粉入りと明記してもらいたい。不用意に食してアレルギー出る人もいるかも知れない」などと真偽不明の情報が広まった。陰謀論や荒唐無稽な言説を根拠に、いわゆる電凸や不買を呼びかける投稿もあった。

 過剰なバッシングには、「心理的嫌悪感は分かるけどPasco不買とかさ、短絡的過ぎるよ」「デマに対しては厳格な対応をすべきかと」とあきれる声も少なくない。

■敷島製パンの見解

 シリーズの商品サイトでは、2月28日までに上部の目立つ位置に注意事項が掲載された。

 コオロギカフェは専用の施設で製造しており、それ以外の商品とは工場建屋、製造ライン、製造スタッフが異なると説明する。そのため他商品にコオロギパウダーが混入する可能性はなく、使用する予定もないとした。

 Q&Aページも28日に更新された。具体的な変更箇所は不明だが、主に次の説明が記載されている。

【アレルギーについて】

 コオロギには甲殻類に似た成分が含まれており、えびやかになど甲殻類アレルギーの方にとってはリスクが高いと言われています。そのため、下記のような注意喚起文を赤字でラベルに表示しています。「本品で使用している食用コオロギパウダーは、えびやかになどの甲殻類と類似した成分が含まれています。えびやかにのアレルギーをお持ちの方はお控えください」

【販売について】

 「Korogi Cafe」シリーズ商品は公式オンラインショップ専用の商品であり、スーパーやコンビニエンスストアで販売していることはありません。また、KorogiCafe商品はコオロギを使用していることが特長であるため、コオロギを使用した商品であることをパッケージにも分かりやすく記載しております。

【原料のコオロギについて】

 Pascoで使用しているコオロギパウダーの原材料となっているコオロギは、専用の農場にて、大豆やトウモロコシから作られた餌を厳密な管理下で与え養殖されています。

■FUTURENAUTの見解

 FUTURENAUTも21日、「弊社に食用コオロギの安全性に関するお問合せが増えております」として、Q&Aを公開した。

「寄生虫についてどう対応していますか」

「コオロギには酸化グラフェンが含まれているという研究を見ました」

「加熱処理について、沸騰水で40分、オーブンで7時間という事だが、本工程で安心というエビデンスがあるのか」

「世界や日本でコオロギを食べていなかったのは、安全性の観点で問題があったからではないですか」

「妊婦の方が流産する可能性がある成分が入っているのか」

 などの質問が寄せられているとし、例えば「コオロギには発ガン性があるという研究を見ました」には、「弊社ではそのような学術研究があることを把握しておりません。ご覧になった査読付き研究論文をご提示ください」と回答。

 「コオロギの菌数や残留農薬が心配です」には、「弊社では、食品衛生法に基づく菓子製造の許可を取得し、管理された設備を使用し(衛生管理基準である)HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の方法に基づき食品を製造しております。また、加工食品について定期的に食品微生物と残留農薬の自主検査を行い、品質管理を徹底しています」と説明した。

 「科学的根拠のない風評の流布」には顧問弁護士と相談の上、厳正に対処するとしている。

 自社メディアでは16日に「少なくともうちは、国から多額の補助金、助成金、研究費が入ってるわけではありません。(昆虫食の会社に限らず申請ができるような持続化補助金や、そういったものは利用はしていますが、それは昆虫食だからもらえる補助金ではありません)」とも発信している。

 敷島製パン広報室に3月1日、取材を申し込むと「弊社としての回答は差し控えさせていただきます」、FUTURENAUTからも「大変申し訳ありませんが、昨今の倫理観やリテラシーに欠けた情報拡散の現状を鑑みてお断りいたします」と返事があった。

2023年03月01日 19時49分J-CASTニュース


 食料不足が叫ばれている。そもそも「国連」が「このまま人口を抑制しなければ、世界で飼育されている畜産業が破綻し、食料が少なくなる」ということを予想し、そのことから、「昆虫食」を推奨することになった。

国連食糧農業機関(FAO)によると、畜産は、気候変動、大気汚染、土地・土壌・水の劣化、土地利用の懸念、森林破壊、生物多様性の減少に「非常に大きく関与」している。現在から2050年までに食肉生産が倍増すると予測されており、現状の環境負荷を維持するには、生産高単位当たりの負荷を50%削減することが求められる。

持続可能な生産システムの確立には、従来の家畜を食用昆虫に大規模に置き換えることが必要だとする研究もあり、そのためには食用昆虫に対する欧米の認識を大きく変え、サプライチェーンに昆虫を取り入れた食料システムを求める経済的な後押しが必要であるとする。

さて、このようなところで、中国などの「なんでも食べる国」は別にして、日本などは「蜂の子」「イナゴ」などを食材としては幼虫や蛹が比較的多く用いられるが、成虫や卵も対象とされる。

先史時代から人類は昆虫を食べ、現在もアジア、中南米、アフリカなど124か国で一般的な食品として約20億人が2000種類以上の昆虫を食べている。昆虫食は、人間以外の霊長類を含む多くの動物に広く見られ、アリクイ、センザンコウなど、昆虫食が専門の動物だけでなく、キツネ、タヌキなどの雑食性の動物においても常に食べられている。

昆虫は動物性タンパク質が豊富であり、牛肉や豚肉に代わる環境負荷が少ない食べ物としても期待されている。

世界経済フォーラム(WEF)も、気候変動を遅らせることができる代替タンパク源として注目する報告書を発表している。

さて、昆虫食は様々な見地から言われている。またその虫の種類も様々であるはずだが、なぜか日本では「コオロギ」ばかりが言われている。ちなみにコオロギは「蛩」という感じで書くように、あまり良い印象では思われていない。しかし、そのような状況でありながら、他の昆虫ではなく、なぜか蛩ばかりが注目されているのであるもちろん、なんらかの事情で「飼育が簡単」などの話があるのかもしれないが、しかし、そのことから、「何故一斉に蛩なのか」ということが見えないということになる。

ちなみに「蛩」は、古代から「危険な食べ物」として、カニなどのアレルギー反応が出る場合があったり、あるいは妊婦が食べると中毒症をおこして、酷い場合は命を落とす可能性がある。そのような注意書きも何もなく、このようなことを一斉に「蛩」を食べさせるようにするというのは、「蛩以外の危険性の少ない昆虫を他の国に回す」というものである。

同時にコオロギを飼育するのには大量の大豆を必要としているために、そもそもその大豆を食べた方が栄養のバランスが良いということになるのではないか。

そのような検証を全くせずに「国連が言ったから」などとして、推奨していることが「陰謀」の始まりなのではないだろうか。食糧危機をあおり、そのうえで、危険なものを食べさせる。まあ、私は、そもそも虫が嫌いなので。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

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