「宇田川源流」 「昔の名前で出ています」ということしかできない立憲民主党の人材不足と日本からの無用

「宇田川源流」 「昔の名前で出ています」ということしかできない立憲民主党の人材不足と日本からの無用


 参議院選挙の惨敗を受けて、立憲民主党が執行部を「刷新」ということなのであるが、残念ながら「全く刷新できていない懐古主義」が発動した。まあ要するに立憲民主党というのは「このような面子しか出てこない」ということでしかなく、基本的には立憲民主党の人々の「後継者がいない」ということを露呈した。

泉健太代表はそのままであるにしても、岡田克也元副総理を幹事長、安住淳元財務大臣を国会対策委員長に、長妻昭元厚生労働大臣を政務調査会長に、大串博志元首相補佐官を選挙対策委員長にということらしい。今まで幹事長を務めていた西村智奈美・逢坂誠二両氏を愛表代行ということだそうだ。

要するに「新しい人材がいない」ということでしかない。そもそも岡田克也・安住淳・大串博志の各氏は、今話題になっている旧統一教会の機関紙に何度も顔を出したり、あるいは、イベントに祝電を送るなどの事を行っている。ついでに言えば、機関誌に出ていたのは民主党政権の時であり、そのことにおいて政治が曲がったなどと表現されても、民主党が政権担当を行っていた時にやっていた話でしかない。そのような状態でよく今まで「他人事」のように自民党議員に対して追求していたと、さすがに民主党のお家芸である「ブーメラン」は現在も健在でしかないのではないか。

要するに「現在自民党に対して追求している内容と同じ疑惑を持つ人を役職者に据えなければ政党としての活動が正常化しない」ということでしかない。

ではなぜ立憲民主党はそのような状況なのであろうか。民主党政権時も「秘書は二軍半(二軍と三軍の間)」と言われるくらいスタッフが揃っていない。政治というのは政治家だけではなく、その政治家を支える多くのスタッフによって運営されるのであるが、そのような二軍半の人しかいないというのが、当時のマスコミの間の評判であった。この言葉には二つの背景がある。一つは、「優秀な人材が集まらない」もう一つは「優秀な人材がいても政治家自身が目立とうとして人材を生かせない」ということになる。現在の立憲民主党は政権担当時ですらそのレベルであったのに、ほぼ万年野党になり、反対しかできない政党になってしまって、より一層人材が少なくなっているということが、今回の人事で明らかになってしまったのである。

立民 新執行部が発足 幹事長に岡田克也氏 国対委員長に安住氏

 立憲民主党は両院議員総会を開き、幹事長に岡田克也・元副総理、国会対策委員長に安住淳・元財務大臣を起用するなどの人事案を了承し、新たな執行部が発足しました。

 先月の参議院選挙での敗北を受けて、立憲民主党の泉代表は、党の体制を強化する必要があるとして、26日、国会内で開かれた両院議員総会で、新たな党役員の人事案を示しました。

それによりますと、

▽幹事長に岡田克也 元副総理、

▽国会対策委員長に安住淳 元財務大臣、

▽政務調査会長に長妻昭 元厚生労働大臣、

▽選挙対策委員長に大串博志 元総理大臣補佐官を起用します。

また、

▽代表代行には今の逢坂誠二氏に加えて、

 新たに幹事長を務めてきた西村智奈美氏を起用します。

 こうした人事案について、出席者から大きな異論は出ずに了承され、新たな執行部が発足しました。

 これを受けて泉代表は、政権を担う政党となる準備を進めるため、党内に「次の内閣」を設ける考えを示したうえで、「国民のために働くのが立憲民主党だということを内外に強く発信していきたい」と述べました。

 泉代表「政権党目指す党を打ち出すため ベテラン起用」

 立憲民主党の泉代表は記者会見で「政権交代を考えたとき、党の中に元総理大臣や大臣経験者、行政の中身を熟知している議員が数多くいることが多くの国民に伝わっていない。政権党を目指す党の姿を強く打ち出すため、ベテランを起用した」と述べました。

 そのうえで、政権に対する姿勢について「おかしなものは批判するし、政策も提案していく」と述べました。

 また、泉代表は旧統一教会との関わりが確認された議員を執行部に起用したことについて「自民党のような支援を受けたり、関連施設を訪問したりという関係ではない。経緯をおおやけにして再発防止につなげることが必要だ」と述べました。

   岡田幹事長「国民に信頼してもらえるよう頑張る」

 立憲民主党の岡田幹事長は、記者会見で「野党第一党としてしっかり立て直していかなければならないという明確な任務がある。政権を担いうる政党として国民に信頼してもらえるように頑張ることが私の責任だ」と述べました。

 また、岡田氏は、旧統一教会の関係団体の取材に応じ、インタビューなどの記事が掲載されていたことについて、「しっかり調べるべきだったと言われればそのとおりで、弁解の余地はなく、反省している」と述べました。

 そのうえで、旧統一教会への対応について「結果として政治がねじ曲げられた可能性があり、与野党が一緒になって事実を明らかにし、おかしなことがあれば正していく」と述べました。 

このほか、共産党との関係について問われたのに対し、岡田氏は「政策的に同じベクトルのものがあれば、協力していくことはあるが、基本的な政策が違うので、政権をとったときに共産党が閣内に入ることはありえない」と述べました。

   安住国対委員長「『たたかう国対』として自公に対峙」

 立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「立憲民主党が日本の政治にとって必要だと国民に思われるよう『たたかう国対』として巨大な自民・公明両党に対じしていく。野党がチェック機能を発揮しなければ政治は暴走するので『提案型』も大事だが、政府に対して目を光らせ、調べ上げてから対案を示すという順番を絶対に忘れてはいけない」と述べました。

 また、安住氏は2010年に旧統一教会の関係団体「世界日報」の取材に応じ、インタビューの記事が掲載されていたことについて、参議院選挙の直前に、当時の民主党の選挙対策委員長に就任し、前任者からの引き継ぎで取材を受けたと説明しました。

 そのうえで「当時『世界日報』と旧統一教会の関係は全くわからなかった。それ以外一切関わりはないし、これからも十分注意する」と述べました。

   自民 茂木幹事長「提案型野党を堅持か見てみたい」

 自民党の茂木幹事長は記者団に「新たに役員になられた方々にお祝いを申し上げたい。泉代表が就任の際に掲げた『提案型野党』の路線を堅持するのか、変えるのかをまず見てみたい」と述べました。

   維新 松井代表「旧民主党の重鎮が仕切っている」

 日本維新の会の松井代表は大阪市内で記者団に対し「どう見ても岡田代表に安住幹事長といった感じで、泉さんは政調会長代理あたりのポジションに見える。完全に旧民主党の重鎮たちが仕切っているようにしか見えない。立憲民主党とも是々非々の関係は変わらないが、野合、談合はしない」と述べました。

2022年8月26日 18時05分 NHK

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220826/k10013788551000.html

 もう一つのことを書きたい。あえて言うが「なぜこのような懐古主義の人材になったのか」ということは、当然に「そのようにしなければ政党の運営が成り立たない」ということにあり、その人材が育っていないということになる。

さて、「人材を育てる」ということは、どういうことであろうか。当然にベテランの人々がいて、その技ワオ盗むということで出てくるのであるが、本来は「基礎」があり、そのうえで「技術」「思想」などがあり、そこに自分の「オリジナリティ」を咥えて一人前になってくるということになるのである。

政治の場合は、当然に「政治」ということの役割が割り、また、「政治哲学」や「政治倫理」があり、そのうえで、「政治的イデオロギー」があり、そのうえで現在の社会や国際関係などを分析し、自分ができる専門的な内容を行うものである。現在の野党が行っている「批判」というのは、当然に自分たちがそれらの政治的な基礎や専門性があり、その場合の路線が異なるということに関して、政治的な哲学やイデオロギー、または、社会分析が異なるなど、与野党間の差を明らかにし、その内容をより高めるために行うものであるはずだ。

しかし、残念ながら「批判のための批判」しかしない政党は、そもそも「政治哲学」も「イデオロギー」も何もない。それどころか「政治倫理」も存在しない。その為に、例えば原発の再稼働にしても消費税増税にしてもまた沖縄の普天間基地辺野古移転も、民主党政権時に自分たちで行ったことを、自分たちで批判してしまっている。これが政治哲学や政治倫理を基礎から学んだ人々の行うことではないということは、誰が見ても明らかである。同時に、自分たちが御なっていることを他人がやっていて批判するなどは倫理的に許されるものではない。旧統一教会問題などはまさにその典型であるが、民主党はそれ以前から、年金未納問題から10年以上その体質が全く直っていない。つまり、現在の立憲民主党の人々は、10年以上全く「政治倫理も政治的な哲学もイデオロギーも」全て全く成長せず、単純に何も出来ない状態で「批判しかできない政党」となったのである。

つまり「教育する内容がない」というのが現在の立憲民主党ということになる。ちなみに、岡田克也などは、一応もともと自民党にいたり、あるいは小沢一郎の訓示を受けているということがある。そのことから、少々足りないながらもそれらのことを「聞きかじっている」者の、残念ながら、若手は「批判だけすれば政治家になれる」というy他人を否定する文化でしか政治家を行ったことがない。その為に、「政治家としての基礎」が全くないということになるのである。これでは「育たない」のではなく「立憲民主党そのものに育てるだけの土壌がない」ということになる。

その意味では共産党の方がそのような所はしっかりしている。一応共産主義理論というのは、私はその立場には全く反対であるが、理論的には理解できるし、また、若手でもその辺をしっかりといえる人は少なくない。枝野幸男氏が代表であった時に共産党と連合を組むということは、当然に、それらのことを危惧してのことであろう。しかし、それは「資本主義の中で動いている労働組合から考えれば、全く許容できるということではない」ということになってしまうのである。

さて、本来は、立憲民主党は政治哲学やイデオロギーを学ぶことが大事であり、一度立ち止まって基礎を学ぶべきであろう。ここで岡田氏などが「批判のたえの批判」を政治的に行うようになった場合、野党は滅びの道に向かったと解釈できるのである。

宇田川源流

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