「宇田川源流」 この時期に内閣改造をしながら内閣支持率を維持できない岸田内閣の前途

「宇田川源流」 この時期に内閣改造をしながら内閣支持率を維持できない岸田内閣の前途


 8月10日に、岸田首相は内閣改造を行った。基本的に「人情」として、昨年に就任した大臣たちに、「夏休み」期間「大臣」として過ごさせてあげるということが、ある程度認められていたということになる。当然に夏休みというのは、お盆で自宅、つまり選挙区の地元に帰るのであり、それをうまく使うことによって次の選挙に弾みがつく。少なくとも政治家としての名誉というか自尊心を満足させることができる。多くの大臣が、それで最後であるとしても、少なくとも一度は夏祭りなどを「大臣」という肩書で入ってみたいものであろう。

 そのような「自尊心」を傷つけないために、安倍元首相やそのほかの総理経験者は、基本的には夏休み後にしか内閣改造は行わなかったし、また、次の内閣には、そのようなことはしないように申し送りをする。当然に安倍元首相は岸田首相に対して、もちろん菅前首相や麻生元首相も岸田首相に対して、少なくとも夏休み後にないアック改造を行うように申し入れたはずである。

 しかし、岸田首相はその夏休みの前である8月10日に内閣改造を行った。当然に、大臣を解任した人からは岸田首相は恨まれることになる。しかし、それでも行わなければなr名藍事情があったと解釈すべきであろう。その内容はいったい何なのか。今回のような内容はその「事情」を知ることが最も重要なのである。

異例の「お盆の直前」改造、霞が関や党内に不満の声…安倍派閣僚「生前に配慮求めていたはず」

 岸田首相(自民党総裁)が内閣改造・自民党役員人事を10日に行うことに、政府・自民内から不満の声が出ている。お盆の直前という異例の時期での実施が唐突に表明され、議員の地元回りや省庁職員の夏休みに影響したためだ。

 党内では、執行部を含めて内閣改造・党役員人事の時期は9月上旬頃との見方が大勢で、5日の臨時国会閉会後、政党や各省庁は事実上の夏休みに入ると見る向きが多かった。5日夕に「10日にも内閣改造」との一報が伝わると、党内や各省庁は騒然となった。

 中堅議員は「全く理解できない。この時期は戦没者を悼み、静かに過ごすべきだ」と批判する。省庁からも「旅行を急きょキャンセルした」などと困惑の声が上がった。

 安倍派の閣僚は記者団に対し、銃撃事件で死去した安倍元首相は生前、閣僚がお盆の時期に地元に入る「お国入り」が可能になるよう配慮を求め、首相は人事を9月に行う考えを安倍氏に伝えていたと不満を示した。一方、首相は6日の記者会見で「新しい体制を早くスタートさせたいと常々思っていた」と述べ、首相側は「安倍氏と9月の人事を約束した事実はない」と否定している。

2022年08月09日 20時27分 読売新聞

https://news.nifty.com/article/domestic/government/12213-1799897/

19閣僚中14ポスト入れ替え、防衛・厚労に経験者「再登板」…初入閣組は派閥推薦を重視

 岸田首相(自民党総裁)は10日に行う内閣改造・党役員人事の顔ぶれを固めた。全19閣僚中14ポストを入れ替える一方で、閣僚経験者を多く登用する。防衛相は浜田靖一氏(66)、厚生労働相は加藤勝信氏(66)と、いずれも経験者を再登板させる。経済安全保障相には自民党政調会長の高市早苗・元総務相(61)を起用する。

 浜田氏は無派閥の衆院当選10回。麻生内閣の2008~09年に防衛相を務めた。台湾情勢の対応に加え、年内に国家安全保障戦略など3文書の改定が控える中、経験が評価された。

 加藤氏は、安倍内閣で厚労相を2度務めた経験があり、新型コロナウイルス対策の陣頭指揮にふさわしいと判断された。

 その他の閣僚経験者では、河野太郎・元外相(59)をデジタル相に、西村康稔・前経済再生相(59)を経済産業相に充てる。

 初入閣組は各派閥の推薦を重視する姿勢が目立った。岸田派の寺田稔首相補佐官(64)を総務相、麻生派の永岡桂子・元文部科学副大臣(68)を文科相、安倍派の西村明宏・元官房副長官(62)を環境相、二階派の谷公一・元復興副大臣(70)を国家公安委員長に起用する。

 山際大志郎経済再生相(53)は留任させる。

 国家安全保障を担当する首相補佐官には、岸信夫防衛相(63)を起用する。

 党役員には、各派閥から重量級を充てる。麻生太郎副総裁(81)と茂木敏充幹事長(66)を続投させ、政調会長に萩生田光一経済産業相(58)、選挙対策委員長に森山裕総務会長代行(77)、総務会長に遠藤利明選対委員長(72)を起用する。

 新たな閣僚や党役員と「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)との関係について、首相は9日の長崎市での記者会見で「自ら点検し、厳正に見直すことが前提だ」と述べた。首相は9日に各議員に電話で入閣を打診した際、旧統一教会と関係を断つよう求めた。

 首相は10日午前に党役員を決定し、臨時閣議で閣僚の辞表をとりまとめる。午後に閣僚名簿を発表し、皇居での認証式を経て第2次岸田改造内閣が発足する。首相は同日夜の記者会見で内閣改造の狙いを説明する。

2022年08月09日 22時41分 読売新聞

https://news.nifty.com/article/domestic/government/12213-1800099/

 さて、今回の内閣改造に関しては、主に「旧統一教会」ということが注目される。もちろん、この旧統一教会の内容は非常に大きな問題になってくるということになる。しかし、よく考えてみれば、「宗教による寄付問題(いわゆる霊感商法問題)」という問題と、一方で、主教と政治の「癒着」という問題、そして、そのことが内閣改造に当たるという問題、そして安倍元首相の暗殺問題ということになしては、全く異なる問題である。日本のマスコミの多くは、その四つの問題はすべて意識的に混ぜて、一緒にようにして行っている。つまり、あえて混同させて誤解させるように結び付けているのである。

 そもそも霊感商法問題は「宗教・信教の自由」と「個人の一方的な意志表示」を行うための「単独に意思による贈与」である。その行為そのものに信教の自由が存在すれば、そこに強制力を働かせることができない。そもそもあれだけ事件を起こしたオウム真理教も法的には強制できない。要するに信教を強制的にやめさせることはできない。あの江戸幕府でさえキリスト教を禁教にしながら、全ての人をキリスト教から離れさせることはできない。

 その状況をわかっていながら旧統一教会の問題ばかりを重視し、そのことで支持率が下がってくる。さて、その内容はいったい何なのであろうか。本来、岸田内閣は首相であるならあ、それらをしっかりと説明をすればよいはずだ。しかし、それを行わずにそのすべてを真沢あせたマスコミの論調に乗ってしまったのである。つまり、岸田内閣はマスコミに対抗してこれらの内容をしっかりと国民に説明する能力がないということになる。

 本来「正しいこと」つまり、「正義」を実現しなければならない政治が、いつの間にかマスコミの支持率に踊らされ、そのうえ、その内容をそのまま受け入れて、組閣を断行した。まさにそのようなことが行われたのである。

 実際には、それだけでは無い。電通とAOKIのオリンピックをめぐる贈収賄事件など、そのほかの事件も様々ある。しかし、岸田内閣は何も指導的なことは行っていないし、そのことに関してマスコミの前に出て、首相自身が説明をすることはない。もちろん、あの宏池会の「若手のホープ」吉川淫行議員に関しても、岸田首相自身が前に出て説明することはなかったし、また、G7などに関してもまた中国の台湾演習に関しても、岸田内閣が何もしていないことは明らかである。

 つまり「何もしない」ということ、そのものが見えてきてしまいそのことによって支持率が大きく下がったということになるのである。しかし、岸田首相本人は、それをすべて統一教会の責任で済ませようとしているのではないか。そのような責任転嫁体質であるということが、そのまま明らかになり、そして、そのことを自分で受けることのできない内閣であるということを隠さなければならないために、組閣を断行したのである。

 それが良いことなのどうか。それはこれから国民が判断することになろう。なお、個別の大臣の評価に関しては、また別の機会に譲ることにしよう。

宇田川源流

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