「宇田川源流」 「一つの中国」政策を堅持すると明言したバイデン大統領の極東

「宇田川源流」 「一つの中国」政策を堅持すると明言したバイデン大統領の極東

 米中首脳による電話会談が7月29日に行われた。まあ、その結果に関しては、既に様々なニュースで書かれている通りである。しかし、そもそもこの電話会談の前にバイデン大統領は「一つの中国の堅持」ということを表明するということを明言しているわけで、これでは話にならないのである。要するに、バイデン大統領は極東アジアにおける中国の派遣を認め、アメリカh宛を出さないと明言したのの等しいのである。そのようなアメリカ大統領に日米安全保障条約を守ることができるのか、もっと言えば、日本はそんなアメリカ大統領を頼りにして良いのか。そのことを疑問に感じざるを得ない。

さてまずは、「一つの中国」とは何かということを考えてみなければならない。一つの中国とは、中華人民共和国が主張しているもので、台湾は、中華人民共和国の一部であるということであり政治体制が異なるのは「一国二制度」によって一つの国でありうながら政治制度が異なるということを許容している「自治区」のようなものであるというような論理構造になっている。つまり、この論理の基づいて考えると、「国共内戦」は中国国内の内戦であるということになる。ここまでは良いであろう。しかし、そこに「一国二制度」ということを考え合わせると、「内戦の結果両方の政府が両立する」ということが存在せず、そこにすでに優劣が存在し、国際的には台湾の独立の道は閉ざされてい居るということになる。要するに国共内戦は何らかの形で終わっており、中国共産党が台湾も支配しているのであるが、一国二制度を認めて、台湾に自治政府を認めてあげているという論理になる。

つまり、この一つの中国を認めるということはそのまま「台湾の独立をアメリカも封じる方向で調整している」ということに他ならない。

これは、アメリカが台湾の独自に武器を供与(販売)したり、あるいは、独自に(共産党政府の許可なく)台湾の首脳と政治的な話をすることができないということになる。民間の交流(貿易または観光旅行)のみができるということになってしまうのである。

バイデン大統領は、そのようなことを電話会談で「強調」したということになる。

米大統領 “『1つの中国』政策堅持“ 米中首脳会談で強調へ

 アメリカのホワイトハウスの高官は27日、近く行われるとされるバイデン大統領と中国の習近平国家主席との首脳会談においてバイデン大統領が『1つの中国』政策を堅持するアメリカの台湾政策に変わりはないと強調する考えだと明らかにしました。

 アメリカ ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は27日、会見で近く行われるとされる米中首脳会談において「大統領は『1つの中国』政策を堅持するアメリカの姿勢に変わりはないことを確認する」と述べ、台湾をめぐる政策に変わりはないと強調する考えを明らかにしました。

 一方でカービー調整官は「台湾海峡の問題が武力によって一方的に決着させられることは引き続き望んでいない」と述べ、中国に厳しい態度で臨む姿勢も強調しました。

 台湾をめぐっては、5月の会見でバイデン大統領が台湾防衛のために軍事的に関与する用意があるのか問われたことに対して「ある」と答えたことに加えて、最近では大統領権限を継承する順位が副大統領に次ぐ2位であるペロシ下院議長が訪問を検討していると報じられていることを受けて中国側が強く反発していて、中国との緊張が高まるのを避けたいねらいもあると見られます。

   中国「関連する情報は適宜発表」

 近く行われるとされるアメリカのバイデン大統領と中国の習近平国家主席との首脳会談の日程などについて、中国外務省の28日の記者会見では、質問が相次ぎました。

 これに対し、趙立堅報道官は「私の回答はとても簡潔だ。両国の首脳はさまざまな方法で意思疎通を保っており、関連する情報は適宜発表する」と述べました。

 中国外務省の報道官は27日までの会見では、米中首脳会談に関する質問に対し「現時点で発表できる情報はない」という回答を繰り返し、開催するかどうか明らかしていませんでしたが、28日の会見では「情報は適宜発表する」と表現を変えていて、近く行われることに含みを持たせました。

2022年7月28日 18時57分  NHK

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220728/k10013739511000.html

 さて、日本国内のマスコミにおいて、一昨年のアメリカ大統領選挙でトランプ大統領を引きずり下ろし、バイデン候補を応援する論調が多かった。あの時の人々は、現在のバイデン大統領「中国に媚びを売る政策」とそれに基づく日本の不利益ということ人関してどのように考えているのであろうか。このような報道をして、何の責任も負わない「言論の無責任」が繰り広げられているから、日本のマスコミは「中国共産党に買収されているのではないか」などというような意見が出てきてしまうのである。まあ、ある意味で当たっているし、ある意味で陰謀論的都市伝説であるということになろうか。

いずれにせよ、オバマ大統領時代の副大統領であるということを理解しており、なおかつ副大統領候補にカマラ・ハリスのような人物を選んだ時点で、日本の民主党政権に近い内容しかできないということが理解できたはずであるが、そのようなことはおかまいなしである。まあ、日本でいくら叫んだところで、あの当時からアメリカの大統領選挙に日本人が関与することはできないので、意味はなかったのではないか。いずれにせよ、今回のようなことを予想できたにもかかわらず、その予想を報道しなかったということ、それはバイデンになるとかならないとか、アメリカの投票結果にかかわらず候補が東遷した倍の近未来予想として、それをできなかったということが、日本における報道機会の喪失であり日本言論界の不明であるといわざるを得ない。

さて台湾がこのような形で「独立の道」を封じられてしまった。そのうえ中国共産党が香港やチベットのように台湾に攻め入ったとしても、アメリカやイギリス、日本は介入できないということになる。つまり「内政干渉」ということになってしまい、国際法上違反行為であるということになってしまうのであろう。

そのようなことを誰が望んでいるのであろうか。中国共産党の意のままに台湾が翻弄されるということを意味している。このことは、例えば「南西諸島は中国の固有の領土」といい始めれば、アメリカはそれを承認しかねないということを意味している。日本人はこのようなニュースに接しても、自分の事と思うことは少なく、対岸の火事としか思っていない。ウクライナ侵攻に関しても、隣国のロシアがそのようなことを行っているにもかかわらず、ロシアが北海道や本州に侵攻してくる可能性ということは全く考えないのである。これも伏木な「平和ボケ」であるとしか言いようがない。

そのようにならないために、アメリカ大統領にもそれなりに影響力が必要であるし、台湾などにも連携しなければならないし、またウイグル問題っもチベット問題もウクライナ侵攻に関しても、自分の事というような感覚をもって感じなければならないはずなのであるが、日本のニュースは残念ながらそのようなことを報じないのである。

もう少し、様々なことを考え、関心を持つべきではないのか。

宇田川源流

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