「宇田川源流」【現代陰謀説】 香港返還25周年に見える中国の「遠くなった民主化」

「宇田川源流」【現代陰謀説】 香港返還25周年に見える中国の「遠くなった民主化」


 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。陰謀ということは、普段はあまり言われないのであるが、その内容を深くまた内容を見るということから、その内容を見てゆくということになるのではないか。

日本人は「性善説」で動いている人が多すぎる。これで戦前・戦後と国際社会の中で生きのこってこれたのであるから、かなりすごい話であるということになる。基本的にだまされたり、性悪説的に接してこられたとして損をしても、実際に日本という国家の屋台骨、まあ、国体という単語が適当であるかどうかは別にして、そのようなものが揺るぐということはなかったということになるのではないか。

日本の場合は、一部変な考え方をしている人もいるが、基本的には、かなりまともな考え方をしている人が多く、日本の伝統や日本の文化を「無意識のうちに」守っている人が大多数の所なのである。「ノイジーマイノリティ―」という言葉があるが、基本的には「マイノリティー(少数派)」でしかない。そのことは選挙の結果などでも見えてきているということになるのであろう。そのような人々に負けず、しっかりと国体を維持でいているのは、やはり日本という国の歴史と伝統と、日本人の国民性のなせる業であるし、同時に日本の国に悪意をもって接する国があっても、その国の内容を取り込みながらも日本としての本質を替えないということがしっかりとできていることが大きなところではないか。

では、「日本以外」ではどうなのであろうか。

日本以外の国ということを言うときに二つのことを気をつけなければならない。それは「歴史が浅い国」ということなのか、あるいは「民族がたくさんある国」ということなのかということである。ただしいずれにせよ「文化」「習慣」などが共通性を持つことが少なく、その非統一性が様々な悲劇の温床になるということになる。

逆に言えば、その「民族や宗教・文化の多様性や歴史が浅いことによる非統一性」は、その国を耕作しようと思っているものからすれば、これほど「簡単に国内に対立産むことのできる芽」があるという「餌」になるのだ。

「返還記念日は喜ばれる祭日ではない」香港返還25年 市民の“本音”は

 1日で香港は返還から25年を迎えました。

 香港返還時の“約束”として決定された一国二制度。香港の“高度な自治権”を認め、中国本土では認められていない言論や報道の自由を保障。完全とは言えませんが、民主的選挙も始まりました。以来、中国政府からの干渉がなかったわけではありませんが、不可侵な部分は存在していました。

 それを一変させたのが、習近平国家主席です。親中派が有利な選挙制度を導入し、容疑者を中国本土に送って裁けるようにし、中国共産党に反抗的な態度を取るだけで逮捕できる法律も施行されました。市民は、抗議の声をあげてきましたが、徹底した弾圧によって押しつぶされました。

 1日に新行政長官に就任したのは、弾圧の司令塔だった李家超氏です。

  李家超新行政長官:「中央政府の強い支持、強靭かつ優れた一国二制度。香港市民のたゆまぬ努力のおかげです」

 中国・習近平国家主席:「全面的に、正確に一国二制度を貫徹すべき。一国二制度は完全な制度。国家の主権、安全、発展利益を守ることが、一国二制度方針の最高原則。愛国者が香港を治めることを確実にすべき。愛国者に掌握させるべき」

 「一国二制度は成功している」としていますが、あくまで“中国共産党にとって”の話です。毎年、返還の日に行われていたデモもなくなり、保障されていたはずの自由は完全に奪われました。

市民:「返還後、香港にはいろんなことが起きた。いま返還記念日はみんなに喜ばれる祭日になっていない」

市民:「街には、バリケードだらけ。本当に支持されるような主席なら不要でしょう」

市民:「私は1997年香港生まれ。誰もが香港の輝いた時代を取り戻そうと言っているが、むしろそのまま受け入れた方がいいと思う」

2022年7月1日 23時30分 テレ朝news

https://news.livedoor.com/article/detail/22433247/

 さて、香港という地域を見てみよう。はっきり言って香港が独立いていた国になったことは、少なくとも記録に残る歴史上は存在していない。香港は、中国(古代中国を含む)の一部であり、その後、イギリスに租借されそして日本に占領され、その後イギリス領となり、1997年7月1日以降中国に返還されながらも、中国において「一国二制度」ということが言われ、台湾に適用するその内容がそのまま香港にも適用されるような状況になり、そのまま、現在に至っています。

 香港返還の時に、当時のサッチャーイギリス首相と鄧小平中国国家主席との間では50年間はイギリス統治時の民主主義体制を維持するという約束であったが、その約束は2001年胡錦涛が国家主席になった時に覆され、その上、2008年に香港の教科書に共産党を賛美する内容を入れるということで大きな問題となった。

 ちなみに、香港返還時、香港の人々は、「イギリス国籍を取得する」ということでイギリス領事官に連日行列ができ、イギリスも、その内容に関して10万人と人数を決めて、それ以外の人々の受け入れを拒否するということになった。

 しかし、香港の人々は、そのことも納得せず、現在でも「出身国」と聞いて「中国人」という人は少なく「香港人」というようになっている。

 さて、その香港が返還されて25周年である。

 ちなみに、過去に何度か書いたと思うが、私が中国に初めて足を踏み入れたのは、香港返還の日に北京に入ったのであり、香港返還式典の真っただ中に、入ったことを記憶している、現座の北京とは全く似ても似つかない「埃っぽい、あまり文化的ではない汚い国」であり、まあ、現在の中国も似たような部分はあるが、それを隠すこともできない位な国であった。いたるところに、浮浪者やホームレスがあるというような状態であった。

 さて、そのような国が25年経って香港の返還の式典を行っているという状態である。

市民:「返還後、香港にはいろんなことが起きた。いま返還記念日はみんなに喜ばれる祭日になっていない」

市民:「街には、バリケードだらけ。本当に支持されるような主席なら不要でしょう」

市民:「私は1997年香港生まれ。誰もが香港の輝いた時代を取り戻そうと言っているが、むしろそのまま受け入れた方がいいと思う」<上記より抜粋>

 もちろんこれが一部の声かもしれないのであるが、しかし国際公約を破り、市民が喜ばないげんざいのせいじはいったいなんなのであろうか。まさに25年前の工作が功を奏すると、このような結果になるということの良い見本なのである。まさに今中国の「債務の罠」には待っているところの25年後がこれである。

宇田川源流

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