「宇田川源流」ロシアと連携していることをアピールする習近平の狙い
「宇田川源流」ロシアと連携していることをアピールする習近平の狙い
ロシアによるウクライナ侵攻が大きな国際問題になってきている。一方でロシアに対する経済制裁などはこれ以上ないレベルにまで行き、また、ロシアやウクライナが国際社会からはずれてしまっていること、そして中国がそれを支援していることによっていつまでたっても終わらないということの状態から、徐々に国際的な感覚としては「厭戦気分」が出てきてしまっている。
さて、ウクライナが現状において敗北してしまった場合、それも今まで想定しているようなものではなく、ウクライナそのものが滅びてしまうような敗北をしてしまえば、まさに「NATO」というよりは民主主義国家の敗北ということが言えるのではないか。NATO加盟を考えていたウクライナのゼレンスキー大統領の政権は、そのNATOに見捨てられてしまうということになるし、また、そこに加盟しようとしてしまえば、そのまま大国に攻められてしまうということになる。今後大国ににらまれて、なおかつ軍事同盟に入っていない国々は、そのまま民主主義陣営に見捨てられて滅びてしまう。そうなればだれも民主主義陣営に入らなくなってしまうということになる。これは「民主主義の敗北」ということに他ならない事態が発生したということになるのではないだろうか。
そのようにならないように、民主主義陣営、特にドイツとフランスは様々な意味でアピールをしているし、イギリスに関しては、過激なパフォーマンスをしている。ジョンソン首相がキエフに入りゼレンスキー大統領と会談していた時に、付き人はずっと「核のボタン」を持っていた。アメリカのようなアタッシュケース型ではなく、普段は持ち運ぶようなことがないのか、ズタ袋のような入れ物に入っていて、かなり重たいのか、へばっていたのが印象的である。逆に言えば、わざとそのようなパフォーマンスを映させていたということになり、ある意味でかなりのプレッシャーをロシアに与えていたのではないか。
しかし、逆に言えば、そのようなプレッシャーを掛けるしかロシアに対する圧力が聞かなくなっているということに他ならないということになり、その為に、それ以上のことができなくなってきている。
経済制裁などは、当然に、ある程度までしか効果がないだけではなく、その経済制裁に参加しない大国が出現してしまった場合には、全く問題がないということになる。その経済制裁に参加しない大国がかなりの基幹産業部分をにぎってしまっていれば、当然に「制裁をした側が苦しくなる」という状況になってしまう。今の日本やアメリカの物価高は、まさにその状況になってしまっており、「ウクライナを助けるための経済高(生活苦)を我慢できるか」ということに繋がってきているのである。
プーチン氏&習近平氏“結束” 欧米や日本の制裁「反対する」
ウクライナがEU(ヨーロッパ連合)加盟候補国として正式に認められる一方で、こちらも結束を固めているようです。中国やロシアなどが参加するBRICSの首脳会議で習近平国家主席が欧米などによるロシアへの制裁を批判しました。
中国の習近平国家主席をセンターに、プーチン大統領ら5カ国の首脳が並んだバーチャル集合写真。
バーチャルなのは、その会合がオンラインで開かれたからです。
中国・習近平国家主席:「一致団結、力を合わせて前へ進み、人類運命共同体の構築をするとともに美しい未来を切り開こう!」
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ。それぞれの頭文字を取ってBRICS。
世界人口の約40%、経済の25%を占めるグループです。その首脳会議で、習主席は「一方的な制裁に反対する」と、ロシアに対する欧米や日本の制裁を暗に批判しました。
プーチン大統領も追随します。
ロシア、プーチン大統領:「『よく考えず、我がままに行動した一部の国のせい』で危機は起きています。彼らは金融メカニズムを利用して、自分たちが失敗した責任を『他の国のせい』にしています」
その念頭にあるのは、同じく首脳会議をベルギーで開いているEUの動きでしょうか…。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「我々は『加盟候補国』として認められた。これは勝利だ。(2月の侵攻から)120日間、(独立から)30年間、この時を待っていた」
EUは23日、ウクライナと隣にあるモルドバを「加盟候補国」とすることを全会一致で可決しました。
首都キーウ。広場に展示されているモニュメントには「世界よ助けてくれ」という言葉が記されていました。
キーウ市民:「EUに加盟できれば、ロシアは今後この国に手を出せないでしょう」「EUのメンバーになれば、ヨーロッパ人として守ってもらえるし、この国も成長します」
一方、戦闘が長期化しているウクライナ東部では、ロシア軍が攻勢を強めています。
ドネツク州ではロシア軍による砲撃が集合住宅に…。
住民:「最初の爆発が強かったです。テレビを見ていましたが、マンションが震えました」「正直に何と言えばいいか…。ここはウクライナになるのか、親ロシアになるのか分かりません」
激戦が続くルハンシク州では、ロシア軍が要衝セベロドネツクの大部分を制圧。
隣接するリシチャンシク近郊の集落2つも制圧されたとみられています。
そうしたなか、ルハンシク州のハイダイ知事が24日午後、自身のSNSを更新。ウクライナ軍がセベロドネツクから撤退すると明らかにしました。
ハイダイ知事のテレグラム:「残念ながら我々はセベロドネツクから軍を撤退させなければならない。街のインフラは9割がた破壊された。そのほとんどは復旧できない状態です」
2022年6月24日 20時5分 テレ朝news
https://news.livedoor.com/article/detail/22392800/
さて、この状態を生み出しているのが「中国」である。
中国は当然に、この内容に関してアメリカに反発するということになり、ロシアに対する経済制裁に反対する立場にある。それを先日の「BRICS」の会議がオンラインで行われ、その中において、改めて中国においてロシアの味方になることを表明したということになる。このメッセージはある意味で「ウクライナに対して滅びろ」ということを示しているのであり、その内容をどのように考えるのかということはかなり大きな問題になっているということになる。
このブログではすでに、世界は二分(無関心を含めれば三分)されているという前提に立って話しており、それはそのまま「ウクライナ」というようなレベルの話ではなくなってしまっている。
日本の場合、大変おかしな話は、ふだんは「三戦」「超限戦」など、NHKを含めて中国やロシアの戦争がハイブリット化しているということを報じているにもかかわらず、なぜかこの経済制裁やサイバー攻撃を全く「戦争」ととらえていない。日本のマスコミというのは非常におかしいだけではなく、国際情勢によって自分たちの認識や知識をアップデートするということができないようで、これ等の現象を戦争ではなく「犯罪」とか「貿易経済行為」というような感覚でしかとらえていない。その為に、現在にいたっても、中国への投資やロシアとの経済協力(地下資源を含めるもの)を奨励していたり、またはそのような企業を紹介し、ウクライナの件を聞かないなどの話になっている。
しかし、それらが中国に投資した金額が、そのままロシアにわたりウクライナの人々を殺している。そのウクライナの人々が日本に亡命してきて、それをまた日本人の税金で養うということになるのであるから、まさに「マッチ・ポンプ」という状況になるのであるが、そのことを全く指摘することなく、増税を語っているのであるから、何と頭を使わない人々なのであろうかとおもう。
さて、この中国がロシアを「強く支持する」というようなことを言い始めたのは、なぜだろうか。実際に、このウクライナ戦争が始まる前において、中国とロシア派それほど親しくはなかった。しかし、中国はロシアを言う後ろ盾を欲しがっていたということになる。混ぜならば台湾を攻略するにあたって、背後を衝かれないようにするために、ロシアという広報を守る国が必要であったからに他ならない。その為に、今回もロシアを支持し援助するということになっている。
逆に言えば、ロシアの支持と連携性をアピールしなければならないほど、中国共産党内において台湾の侵攻に反対する勢力がいるということであろう。既に有料メルマガで書いているように、今年の国慶節明けが一つの内容であり、遅くとも2024年の習近平国家主席の三選目が決まるまで、つまり2024年の北戴河会議(8月初旬か?)までにある程度のめどをつける戦い方をすることが予想される。その時にロシアに支持させるためには今のうちに「貸し」を作らなければならないということになるであろう。そのように考えれば「ウクライナを犠牲にして、台湾を得る」ということになる。もちろん中国共産党からすればウクライナは犠牲ではない。
この事を見ながら、全く手をこまねいてばかりのバイデン大統領に日本の安全保障を任せられるのか、またこの物価高騰を招いたこの状態をどのように解決するのかも全く見えない状況になっている。その内容を政治的にBRICSが嘲笑っていながら、連携を強め、そして、集団の力を強くするということになるのではないか。
日本は、このようなときに何をやっているのであろうか。
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