「宇田川源流」 【大河ドラマ 鎌倉殿の13人】 ちょうど6月の末に頼朝の死という前半戦の終了

「宇田川源流」 【大河ドラマ 鎌倉殿の13人】 ちょうど6月の末に頼朝の死という前半戦の終了


 毎週水曜日は、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」について話をしている。まあ、私の好き勝手な話ばかりで申し訳ないが、しかし、その内容をちゃんと書いているということを見た方が面白いのではないか。まあ、作家とかそう言う分泌をしている人が、しっかりとそのようなことを書いておくというのは、ある意味で、面白い部分があるのかもしれない。

さて、今回は大泉洋さん演じる源頼朝の死である。大河ドラマは、鎌倉殿ノ13人であり主人公は北条義時であった。しかし、北条義時を選び、側近そして自分の後継者を見る人物として指名した「前半戦の主役」である源頼朝の死は、なかなか示唆に富んだものであったということになろう。その頼朝の死を描いた回の表題が「天が望んだ男」ということになっている。

ある意味で、頼朝は曽我兄弟の仇討の時に、「天の声が聞こえなくなった」ということを言っている。つまり、頼朝は「天が望んだ男」ではなかったということになる。いや、性格位言えば平家を滅ぼすまでは、天が望んだ男であったのかもしれない。しかし、それが曽我兄弟の仇討の頃から入れ替わり、今回は「天が望んだ男の入れ替わり」つまり「主人公が源頼朝から北条義時に変わった」ということを見事に描いた回ではなかったか。

このように見てみると、源頼朝というのは、「北条義時が天下を取る(北条得宗家として将軍と朝廷を操って実質的な天下を治める」ために、わざわざ平家を滅ぼし(この平家を滅ぼしたことは多くの人が望み、なおかつ源頼朝自身も父源義朝の復讐ということを表明していた)、そのうえで、北条義時が頭が上がらない上総広常・源氏のもう一つの旗頭である木曽義仲・義高父子、戦の天災であり、頼朝の弟である源義経、源氏の血を引く大姫、そして鎌倉殿になり替わることの実力を備えた源範頼を全て頼朝自身によって殺させているのである。まさに、北条義時のために、平家を滅ぼしただけではなく、自分に血がつながる将軍になりうる人をすべて排除したのちに、最期自分で死んでいったということになる。ドラマで書けば何とも都合の良い存在であったか。

要するに、前半戦で北条義時の邪魔をする人をすべて頼朝が「掃除」したということになるのである。

「鎌倉殿の13人」餅回避も…頼朝落馬 衝撃ラスト2分!ネットまさかの涙「あれだけ嫌われて…」

 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は26日、第25話が放送され、俳優の大泉洋(49)が硬軟自在に演じ、圧倒的な存在感を示してきた鎌倉幕府初代将軍・源頼朝が落馬した。頼朝の“最期”として有力な説が採用されたが、ラスト約2分にして落馬。SNS上には衝撃が走った。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第25話は「天が望んだ男」。身に降りかかる不幸が続き、不安にさいなまれる源頼朝(大泉)は阿野全成(新納慎也)に過剰に助言を求めた。一方、頼朝の嫡男・源頼家(金子大地)と比企能員(佐藤二朗)の娘・せつ(山谷花純)の間に長男・一幡が誕生。比企の台頭を危惧するりく(宮沢りえ)は夫・北条時政(坂東彌十郎)を焚きつけ…という展開。

 武蔵の豪族・稲毛重成(村上誠基)が妻に迎えた時政の四女・あき(尾碕真花)が3年前に病死。建久9年(1198年)12月27日、重成が追善の橋を架けた相模川で供養が営まれた。

 頼朝は全成の助言に従って凶兆を避け、縁起を担いで「方違え」をして参列。途中、和田義盛(横田栄司)の別邸に立ち寄り、巴御前(秋元才加)と面会。木曽義仲(青木崇高)討ちを詫びた。

 丸餅作りは、北条家仏事の恒例行事。頼朝は喉に詰まらせたものの、吐き出して“九死に一生”。不器用な北条時連(のちの時房・瀬戸康史)が作ったものだった。命拾いした頼朝は北条義時(小栗)と政子(小池栄子)に「わが源氏は帝をお守りし、武家の棟梁として、この先、百年も二百年も続いていかねばならん。その足掛かりを、頼家がつくる。小四郎、おまえは常に側にいて、頼家を支えてやってくれ。政子、これからは鎌倉殿の母として、頼家を見守ってやってほしい」と託し、自らは「大御所」になると宣言した。

 政子が立ち去ると、義時と2人きり。「小四郎、わしはようやく分かった。人の命は定められたもの。抗ってどうする。甘んじて受け入れようではないか。受け入れた上で、好きに生きる。神仏にすがって、怯えて過ごすのは時の無駄じゃ。神や仏には、聞かせられぬ話だがのう」――。

 頼朝は北条一門の酒宴に加わらず、一足先に鎌倉御所へ。馬上の人となった。林道。安達盛長(野添義弘)が手綱を引く中、頼朝は突然、右手に痺れを覚え、馬から落ちた。

 今作の頼朝は上総広常(佐藤浩市)、源義高(市川染五郎)、源義経(菅田将暉)、源範頼(迫田孝也)らを次々と粛清。その冷酷ぶりにSNS上には「#全部大泉のせい」というハッシュタグも出現し、何度もツイッターのトレンドに入る憎まれ役となった。

 一方、女癖の悪さが幸いし、長狭常伴(黒澤光司)(第7回、2月20日)や曽我十郎(田邊和也)五郎(田中俊介)兄弟(第23回、6月12日)の襲撃を回避し、命拾いする強運も。愛妾・亀(江口のりこ)のいる館が焼かれる「後妻(うわなり)打ち」の際の「ここまでするか?」(第12回、3月27日)、北条義時(小栗)と比奈(堀田真由)を奪い合いになった際の「あっ、そう!(見送りは)無用である!」(第23回)など、幾度となく視聴者の爆笑を誘う演技は大泉の真骨頂となった。

 この日の締めは、頼朝に駆け寄った盛長の「佐殿!」だった。SNS上には「まさか今日が泣く日とは…」「あれだけ嫌われてた頼朝なのに、涙が」「あれだけ好き勝手やってて、それにわがままで。で、これで泣かせるとか、なんて奴だ」「巨星墜つ…好感度爆上げなくても、やっぱり涙を禁じ得ない」「やっぱり私は鎌倉殿嫌いになれない。たくさんの人が悲しい思いをしたけど、洋ちゃんの鎌倉殿好きだったよ」「藤九郎の佐殿呼びで涙腺崩壊した…。最初から最期まで一緒だった藤九郎…」「頼朝と安達殿、たぶん伊豆に流された時のように2人で連れ立ち、えー昔のこと思い出そうとしても思い出せないよねー、フフフーと笑い合ってて、ああ、この主従は本当に主従だなぁとシミジミしていたら…佐殿!と叫ぶ声にああ、この主従は…本当に2人きりなんだ…!とグッときた」などの声が続出。ヒール役の頼朝だったが、視聴者の涙を誘った。

2022年6月26日 スポニチアネックス

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/06/26/kiji/20220626s00041000180000c.html

 さて、今回は頼朝の死を描いた。さすがに三谷幸喜だけあって、頼朝の死の前に、頼朝をピックアップし、そしてその周辺をすべて出して、様々な伏線を作ってから殺している。一日の中に様々な内容を凝縮しておき、そのうえで、その日常の会話の中に様々な将来を入れているということがなかなか素晴らしい。

大泉洋の源頼朝を最後に良い人にかき揚げ、そのうえで、まずは北条時政の妻りく(宮沢りえ)と会話させて、京都とのかかわりを断ち鎌倉を発展させると言わせている。まさに、その内容は北条氏が京都に戻らなかったということをそのまま書かせているということになる。そのりくも、北条時政に頼朝を倒して自分が天下を取る気はないかと話、そのことから、後の「牧の方事件」をうまく伏線を作っているのも素晴らしい。

そして、源頼家の妻せつが赤子を連れてきたときに抱かないということや、その頼家が他の女性(源為朝の孫)を妻に迎えるというときに、それを承認する頼朝ということで、北条と比企能員の亀裂を作ることをしている。なんといっても、こののちに「比企能員の乱」が存在するということがあり、そのことから、比企家と北条家の分裂の伏線を作っている。

自分がいなくなった時に鎌倉を任せるということから梶原景時、そして巴御前をかくまい、そのまま妻に迎えている和田義盛に対して和田合戦というような感じで、今回頼朝が声をかけ、なんらかの意思表示をした豪族が全て今後反乱をする。今回頼朝が直接声をかけず、それでも半裸を起こすのは畠山重忠だけである。

梶原景時の変・建仁の乱・比企能員の変・畠山重忠の乱・泉親衡の乱・和田合戦と、この後続くことになるがその伏線をすべて源頼朝にかぶせ、そして最後に北条義時と政子に「わが源氏は帝をお守りし、武家の棟梁として、この先、百年も二百年も続いていかねばならん。その足掛かりを、頼家がつくる。小四郎、おまえは常に側にいて、頼家を支えてやってくれ。政子、これからは鎌倉殿の母として、頼家を見守ってやってほしい」<上記より抜粋>と行っているのである。この二人が中心になって、朝廷と戦いである承久の乱がおきているのである。要するに、今回の内容で多分最終回(または義時の死を別にすれば、承久の乱)の承久の乱までの伏線を作っている。その見事さは、さすがに驚き感心するばかりだ。

「小四郎、わしはようやく分かった。人の命は定められたもの。抗ってどうする。甘んじて受け入れようではないか。受け入れた上で、好きに生きる。神仏にすがって、怯えて過ごすのは時の無駄じゃ。神や仏には、聞かせられぬ話だがのう」<上記より抜粋>

この言葉の後に、安達盛長と二人で帰る途中に、多分心臓発作か脳梗塞で落馬し、絶命する。まさに神仏に聞かせられない話をしてしまい、そしてその言葉に対して罰が当たった形をとった。さすがに北条義時に暗殺させるなどの事はさせず、うまく「天命を終えた男」を演じさせた。この事から、今までの身内の死もすべて「天命」であったかのような演出は、源頼朝を救ったのではないか。

これからは豪族の対立である。いやある意味で頼朝の撒いた伏線の回収であろう。それをどのようの表現するのかは非常に楽しみである。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

0コメント

  • 1000 / 1000