「宇田川源流」 いまだに批判政党から脱皮できていない立憲民主党の政策作成能力の欠如
「宇田川源流」 いまだに批判政党から脱皮できていない立憲民主党の政策作成能力の欠如
私が旧民主党、特に現在の立憲民主党を批判すると、かなり多くの反響を得ることがある。もちろん毎回ではないのであるが、立憲民主党の批判をSNSで書いた時などは、「いいね」という数字がかなり多めに跳ね上がる。場合によっては万の位になることも少なくない。まあ、それほどのことを書いているという自覚はないのであるが、しかし、そのことを言葉にしている人が少ないようである。
立憲民主党は、まあ、本人たちは都合の良いときは「民主党とは異なる」などといっているが、体質的には全く同じであり、その場限りのご都合主義と政権与党に対する批判でしか政策を言うことができない人々であることは、すでに多くの人が知っているとおりであり、そのことを単純に、具体的な例を挙げて指摘しているだけなのであるが、そのようなことができない人が多い。これは、批評する側の人間に感情が入ってしまい、なるべく客観的にわかりやすくはなしをするということができないでいるために他ならない。このような政党に対しては感情的にならず、淡々と事実を上げて、信用できないということを言えばよいだけで、まともに取り合う方が「大人げない」対応になってしまうのである。
さて、泉健太代表になって、そのような「批判路線」をやめるということを言っていたのであるが、それでは、支持率を得ることができないということになる。今や日本維新の会よりも支持率が低いという結果が出る程度であり、それだけ「批判をするということに依存していた」という結果が出てしまっているのである。つまり、それだけ「政策制作能力」が決定的に欠如しているということであり、泉健太代表になってから、いや、それ以前から立憲民主党が提出した法案でまともなものはほとんどない(さすがに一つもないとは言わないが)という状態である。
そもそも「法案」とは、一つの処でものを言ってはいけないのである。ある観点から見れば正しいことかもしれないが、他の観点から見ればとても容認できないなどということは多くある。民主党が政権をとる時の「マニフェスト」であるが、「ガソリンを値下げする」とあり、その後「温室効果ガス削減」とある。要するに化石燃料御値下げして、それを安く流通させるということで使用量を増やしながら温室効果ガスを少なくするなどということを言う。その上でそれを可能にするかもしれない技術開発の研究開発費を事業仕分けで無くしてしまうのである。これは「場当たり的」という対応で会って政府として多方面に責任を持った政策とは言えないのである。
これが民主党なのだ。
エネルギー政策に「リアリズムが足りないのでは」 立憲の参院選公約に指摘、泉健太代表反論
立憲民主党は2022年6月3日、22年夏の参院選に向けた公約を発表した。4月末に発表した「重点政策」で打ち出した「生活安全保障」を引き続き強調し、泉健太代表を大写しにしたポスターには「いまこそ生活安全保障が必要です。」とうたった。
「生活安全保障」は比較的広い概念で、「物価高と戦う」「教育の無償化」「着実な安全保障」の3つが柱。そのひとつがエネルギー安全保障で、「省エネ・再エネの推進によってエネルギー自給率の向上を図ります」とうたう。2022年3月には、地震で火力発電が停止し、気温の低下が予測されたことから、初の「電力需給ひっ迫警報」が出された。これをきっかけに原発再稼働の推進論も再燃するが、泉氏は「原子力に依存する形ではない方策というのも、十分我が国の電力を支える方策としては実現可能」だと主張した。
■2050年に「再エネ電気100%」で「化石燃料、原子力発電に依存しない社会を実現」
立憲の公約は、上記の3本柱を「医療・健康・コロナ対策」「雇用・年金・ベーシックサービス」「経済・産業・イノベーション」「環境・エネルギー」「地域・農林水産・災害対策」「人権・女性・障がい・多様性」「政治・行財政改革」の7つの政策分野を通じて実現を図る構造だ。
その中のエネルギー分野では、
「2050年省エネ60%(編注:13年比)・再エネ電気100%を実現し、雇用の公正な移行を図りつつ、化石燃料、原子力発電に依存しない社会を実現します」
とうたう。原発については「新増設は認めません」と明記。小川淳也政調会長によると、リプレース(建て替え)も認めない。再稼働については、個別政策の欄で
「実効性のある避難計画の策定、地元合意がないままの原子力発電所の再稼働は認めません」
と言及している。
ここで課題になるのが当面の電力の安定供給で、記者からは
「エネルギー有事みたいなものについて、立憲はどこまで考えているのか」
「リアリズムが足りないんじゃないかと見える」
といった指摘が出た。
■「もっと意思疎通ができれば取り組みが事前にできる力がある」
泉氏は大きく2つ反論した。ひとつが、「石油の、化石燃料の供給は逼迫(ひっぱく)して価格は上がっているけれども、日本が確保できていないわけではない」。もうひとつが、3月に電力供給が逼迫(ひっぱく)した際の評価だ。泉氏は、
「あのときはむしろ、『なぜ突然(「電力需給ひっ迫警報」を)発表するのか』ということが指摘を受けたわけで、電力不足に対応するということに対しては、私は日本国民、日本の事業者、もっと意思疎通ができれば取り組みが事前にできる力があると思っている」
などと述べ、電力会社や政府によるコミュニケーションが改善することで問題は回避できるとの見方を示した。その上で、
「そういった意味では、原子力に依存する形ではない方策というのも、十分、我が国の電力を支える方策としては実現可能だと、そういう立場に立っている」
と述べた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
2022年06月03日 22時45分 J-CASTニュース
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12144-1670427/
さて、いま日本のエネルギー事情を考えれば、上記の記事にある立憲民主党に対する批判は当然のことである。ついでにいえば、そのコストまで考えれば、とても考えられるような話にならない。
公表されている資料で言えば、経済産業省が様々なワーキンググループで研究し発電方法によってどのようなコストが出るかということを研究した。その数字が下記のものである。なお、括弧内の数字は、政策的な調整コストなどを除いた、生の数字ということになる。
・石炭 12.5(12.5)
・LNG10.7(10.7)
・原子力11.5~(10.2~)
・石油26.7(26.5)
・陸上風力19.8(14.6)
・洋上風力30.0(21.1)
・太陽光事業用12.9(12.0)
・太陽光住宅用17.7(17.1)
・小水力25.3(22.0)
・中水力10.9(8.7)
・地熱16.7(10.9)
・バイオマス29.8(28.1)
・ガスコージェネ9.3~10.6(9.3~10.6)
・石油コージェネ19.7~24.4(19.7~24.4)
さて、このように見れば、基本的に原子力かLNGが安いことはよくわかる。水力のある程度の規模の者も安いのであるが、それは場所をレアブことになり、昔長野県知事の田中康夫(後に民主党)などは、「脱ダム宣言」などということをしていた。地熱発電に関しては、火山活動の誘発などを起こす可能性があり、その意味で難しいともいえる。逆に太陽光などもコストがかかり、、風力発電に関してはかなりの高コストである。
この状態で、「原子力を止めながら、電力需要を維持し、そして景気をよくする」などということが不可能なのは、これらの飼料を見れば明らかである。ぎゃくにいえば、立憲民主党は、これくらいの省庁の資料も見ないで、政策を「作った」などといい、政府を批判しているのである。はっきり言ってあきれるしかない。
「あのときはむしろ、『なぜ突然(「電力需給ひっ迫警報」を)発表するのか』ということが指摘を受けたわけで、電力不足に対応するということに対しては、私は日本国民、日本の事業者、もっと意思疎通ができれば取り組みが事前にできる力があると思っている」<上記より抜粋>
「そういった意味では、原子力に依存する形ではない方策というのも、十分、我が国の電力を支える方策としては実現可能だと、そういう立場に立っている」<上記より抜粋>
さて、これがいずみ代表の反論である。
そもそも「思っている」「立場である」とは一体何事であろうか。思っているだけで政治ができるとは思えない。それならば一国会議員としてまたは野党の代表としてなぜ働きかけをしないのであろうか。独自に政策を実行しないのであろうか。
そして「電力」という、「ある・ない」という問題の時に「意思疎通」という精神力で何とかするという、まあ、戦前のド根性主義のような話をしてなんとかなるといっていること自体がナンセンスであり、とても政治とは思えない。要するに「絵空事を言っている政治ごっこ」でしかないということが明らかなのである。
まあ、このような野党が相手では岸田内改革の支持率は上がってゆくことになるだろう。
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