「宇田川源流」 玉川氏や橋下氏の主張する「ウクライナ降伏論」こそが世界平和を破り暴力を助長する

「宇田川源流」 玉川氏や橋下氏の主張する「ウクライナ降伏論」こそが世界平和を破り暴力を助長する


 しばらくゴールデンウィーク特別の内容を行っていたので、通常のブログをなんとなく忘れてしまったかのような感じになってしまう。ある意味で「ブログの五月病」なのかもしれない。そんなことを言っていないで、昨日から通常のブログに戻しているが、昨日のブログは、「日本万歳!」なので、まだ特別感が抜けきれない感じではないか。そこで、いきなり海外のモノを進めてしまうと、なかなか大変なので、まずは国内モノから始めてみよう。

 それにしても、ロシアのウクライナ侵攻に関する報道を見ていると、日本のマスコミの異常さ加減がよくわかるものである。まあ、これならば、ネットで様々な情報を集めている若者がマスコミ離れ、特にテレビな慣れをしてしまうのがよくわかる。はっきり言って「独善的」「二重基準」「支離滅裂」であり、なおかつ「言論の身勝手」「言論の無責任」を体現しているということになってしまうのであるから、まあ、見る気が失われるのは間違いがない。この「楽しい」はずのゴールデンウィークに、どのチャンネルを回しても事故のニュースとスキャンダルのニュースばかりで希望も展望の何もない。こんなテレビは見たくないというのは事実であろう。まだドラマの再放送の方がよいのではないか。

 あえて、いうが、ゴールデンウィークは、子供たちが学校が休みで家にいる。もちろんレジャーで旅行に行っている人もいるかもしれないが、出先でテレビを見ることもあるだろう。そのような子供たちに連日「知床半島沖の船の沈没」「山梨県のキャンプ場の不明女児の捜索」「強豪サッカー部の監督の不祥事」「ウクライナ侵攻の悲惨な映像」を見せて何が良いことがあるのであろうか。どの事件も自分では何もできない地う無力感に、テレビのコメンテーターがわけもわからず、会ったこともないはずの他人を批判する映像を見せられて、子供たちがなんとかわいそうな事か。同時に、大人もその情報を欲しがっているのであろうか。何かが違う気がするのは私だけではあるまい。

 それでも、しっかりとした見識があり、なおかつその内容が的を得ていて、次に同様の事故が起きないようにというような教訓が含まれていたり未来への展望が語られるならばまだよい。それでも時期を選べといいたいが、まあ、その辺は解釈の異なりがあるのではないか。しかし、そのコメントが間違った方向性を誘引するものであるならば、そんなテレビ番組はすぐにやめるべきではないのか。

主張の矛盾を指摘する声も『モーニングショー』玉川徹氏、ウクライナ侵攻巡る発言が度々物議に

 全世界に衝撃を与えた、ロシアによるウクライナ侵攻。日本でも大きく取り上げられ、連日報道されているが、その内容が批判にさらされることも。特にコメントの内容が物議を醸しているのが、『モーニングショー』(テレビ朝日系)のレギュラーコメンテーターの玉川徹氏だ。

 強い批判を浴びたのが、玉川氏の「ウクライナ降伏論」だ。玉川氏は3月4日の放送で、ロシアからの侵攻を受けたウクライナについて、「戦力的にはロシアが上」とした上で、「どこかでウクライナが引く以外には、桁違いに死者が増える」と指摘。そして、「死者が増えないようにするのは指導者の大きな責任」として、「引くこと考えないと」と呼びかけた。

 この論調には、出演していた東京大学先端科学技術研究センター専任講師の小泉悠氏が「ウクライナはなんの非もないのにロシア側から侵攻された。早く降伏するべきだというのは道義的に問題がある」と嫌悪感を示す。また、視聴者からも「暴力的略奪を肯定している」「降伏すれば虐殺が待っている」などと反論が相次いだ。

 玉川氏と同様の主張をしたのが、元大阪府知事、元大阪市長の橋下徹氏。『モーニングショー』の裏番組である『めざまし8』(フジテレビ系)で、ウクライナ側の降伏を呼びかけている。この2人がウクライナの降伏に言及したことについては、賛同者はごく少数で、SNSやメディアなどで批判が展開された。

 ウクライナ降伏論が批判された玉川氏は、同15日の放送で、ロシアとウクライナが停戦交渉を行った際、「仮に停戦が成ったとしても、ウクライナ側にとっていいものになるとはとても思えない。もうちょっと、どうしたらいいか分かりません」とコメントした。この発言は「降伏してもウクライナ側にとっていいものにはならない」とも取れるだけに、ネット上では「批判を受けて持論を曲げた」「意見が変化している」と批判されている。

 玉川氏の姿勢には「安全なところから評論している」という批判も。4月12日の放送では、司会の羽鳥慎一アナウンサーがロシア軍が化学兵器を使った可能性を報じると、「情報戦が行われているので、確認するまでは使った前提で話を進めるのは危険」とコメントした。

 この発言には同調も多かったが、「確認するうちに戦争は終わる」「安全な位置にいる人間の発言。被害者の主張を信じるしかないのではないか」という批判も上がっていた。

2022年05月06日 06時00分 リアルライブ

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12184-1615971/

 さて、ロシアのウクライナ侵攻に関して、テレビは毎日のようにロシアを非難し、なおかつマリウポリの製鉄所の攻防を報道している。もちろん、ロシアが自由に取材を許していない状態で、ロシア側の意図に合わない報道をした場合は「フェイク情報を流した」ということで拘束するというのであるから、その意味ではなかなか取材ができないということになるのではないかと思う。そこまでは同情するところもある。

 しかし、そもそもヨーロッパの歴史や、ウクライナの近現代史、なおかつ2014年のユーロマイダン革命やウクライナ侵攻、その後のドンバス戦争も報道しない、言及することもなく、結局現在の戦争だけを見ているのであるから、「なぜ戦争が起きたのか」「どうして戦争しなければならなかったのか(外交や交渉でなんとかなるタイミングはなかったのか)」「双方の要求は何なのか」そして「どうやったら戦争が終わるのか」ということが全く見えてこない。現象だけを伝えるだけで、その内容などを全く見えないような話になっているのでは意味がないのである。

 そうすると、この二つの国が「なんのために戦っているのか」ということが全くわからない。結局攻め入ったロシアのプーチン大統領が「気がふれた」というような解釈にしかならないところなのではないか。歴史や成り立ちなどを報道しないということは、正確な状況や両国の事情を全く分からない「愚民」を作り出すだけのことになるのである。

 そして、その愚民の代表が、日本のテレビに出てくる「専門家でもないコメンテーター」であろう。

 こともあろうに、橋下徹氏と、玉川徹氏(偶然にもどちらも「徹」なのだが)は「国民が死ぬのがかわいそうだから」というような理由で「ウクライナは早く降伏すべき」ということを主張しているのである。

 さて、簡単にこの論理を見てみよう。

 「戦争を続ければ犠牲者が増える」ということは、私もこの二人と異論がない。ここの「犠牲者」という単語の中には、民間人というだけではなく「兵士」ということも含まれる。当然に兵士も命がある人間なのであるから、命を失ってよいはずがないということは間違いがない。そのためには戦争をやめるということがもっとも早道であるということは間違いがない。戦争、つまり武力行使がなければ人は死なないというのは、間違いがない事実なのであろう。

 しかし、なぜ「ウクライナに降伏を進めるのか」ということが最も訳が分からないのだ。

 つまり、今回の戦争は、ウクライナ側には落ち度がない。単純にロシアが一方的に攻め入ったということになる。仮にウクライナ東部の二つの共和国の独立を認めたとしても、それ以外の土地、例えば、キエフ近郊のブチャや、南部マリウポリなどは、この独立国の支配地域ではない場所である。そのために、独立国の援護というような論旨はなく、宣戦布告もせずにウクライナに攻め入って不法占拠をしているということに過ぎない。ある意味で「組織的(国家的)殺人」でしかないのである。要するに、ドンバス戦争など様々な問題が2014年以降あるにせよ、基本的にはロシア側が国際法に違反してウクライナに侵攻したことは間違いがない。

 そのロシアに対してウクライナが降伏するということは「ロシアの戦争犯罪的(まだ犯罪とは確定していない)軍事行為を肯定する」と胃ことになる。当然にウクライナ側が降伏するのであるから、支配地域はロシアの領土になる。下手をすれば、ウクライナの政権そのものが崩壊することになる。

 つまり、「ロシアが軍事的な行為を行ったことを肯定し、そのことによって非がない国が崩壊する」ということを意味している。それは、単純に「武力をもって現状変更をしてはならない」という国連憲章をも違反する内容である。

 さてこの橋下徹氏と、玉川徹氏は、その「武力による現状変更を肯定する」ということになる。つまり、今後中国が台湾に、インドに、またはロシアがモルドバやバルト三国に、軍隊を進めた場合も、弱い方が降伏し、現状変更を認めるということを意味していることになるのである。「平和主義」が聞いてあきれる。はっきり言って、軍事侵攻を肯定しているのに過ぎないのである。上記の記事は「情報を確認すべき」などといっているが、その前に「軍事による現状変更をどのようにしてさせないか」という重要な観点が抜けているものであり、はっきり言って「いじめっ子を肯定する論理」で「正義が失われる」ということになる。ある意味で「弱肉強食の戦国時代」を作るような人々なのである。

 このような人々をテレビに出して公共の電波でものを語らせて良いのであろうか。視聴者はよく考えるべきであろう。

宇田川源流

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