「宇田川源流」 「批判をする」という行為を封じて野党内での孤立が深まる立憲民主党の「政党としての実力」

「宇田川源流」 「批判をする」という行為を封じて野党内での孤立が深まる立憲民主党の「政党としての実力」


 野党再編が必要であるということは、かなり前から言われていた。私も一昨年の9月の有料メルマガの中に「野党に対する提言」として、野党として政策を作るように提言をしたことがあるが、実際に、そのような提言をしても全く聞く耳を持たなかったのが立憲民主党である。

 政治の世界というのは「どの政党に任せたら、自分はより幸せになるか(または国が発展するのか)」ということが重要なものであり、「誰がダメであるか」ということで投票先を決めるものではないのである。「ダメである」ということを決めたとしても、残されたものが、「もっとダメな政治」をしてしまえば、結果はよりひどくなる。つまり「中でもマシな方」を選ぶということができるかどうかという頃が最も重要な内容であり、そのことが徐々に国民の間に浸透しつつあるということになる。

 昨年の総選挙で、「確かな野党」として、批判することしか考えていなかった日本共産党と連携をした。当時の枝野幸男代表は、そのことによって政権奪取できるというように信じて疑わなかったというような感覚がある。このことを見て、多くの人はそんなことはないと思っていたし、また、そのような批判だけで政治をやっているつもりになっていては、結局は国民から見放されるということはよくわかっていたはずである。

 しかし、「信じて疑わなかった」ということになる。これは、もちろんそのようにポーズをとり、国民を誘導しようという「演技」であったという解釈もある。しかし、通常このような「反対しかしないで自民党を倒す」というようなことを、疑っていない状態であれば、それは、国民の意志を集合した内容が、枝野代表のところに入っていなかった、または入れていたとしてもそれを理解させることができなかったということになる。もっと言えば、「正しい情報が、組織のトップに入らないという状態にあった」ということになる。これでは、組織が勝てるはずがない。

 つまり、正しくない思い込みの情報で政治を左右するのであれば、それは宗教が政治を行っているのと変わらない。そのようなことでは、その間考え方に適合しない人を排除する論理になってしまうのである。

 立憲民主党は総選挙後に、その状態からやっと抜け出すかに見えた。

立民が野党内で孤立深まる

■国民・維新は独自路線

 立憲民主党は27日、東京都内で党大会を開き、夏の参院選で「与党の改選過半数阻止」を目指す活動計画を決定した。全国32の1人区が勝敗のカギを握るが、泉代表は共産党との距離感を曖昧にしたままで、野党内で孤立を深めている。

 「自民党とは違う選択肢を提示していく。政策立案型のリベラル中道政党、立民の役割が期待されている」。泉氏は党大会でこう強調し、参院選に向けた結束を呼びかけた。活動計画には、1人区で野党間の候補者調整を進める方針も明記したが、具体的に連携を図る政党名は挙げなかった。

 立民は昨年の衆院選で、共産との「限定的な閣外からの協力」に踏み込み、惨敗した。泉氏は共産との関係見直しを主張して代表に就任。1月には、共産との共闘を惨敗の一因と分析する衆院選総括をまとめ、共産との「連携は白紙」とも発言した。

 これに対し、共産は激しく反発し、立民内でも共産票を期待する議員らから批判が出た。泉氏は候補者調整について、基本的には共産と党本部間で協議を行わず、選挙区ごとの対応に委ねたい考えだ。

 煮え切らない姿勢に、他の野党は立民を見限り始めている。ともに民主党を源流とし、泉氏が協議を呼びかけてきた国民民主党は、政府の2022年度当初予算案に賛成し、立民との距離は広がる一方だ。

 国民の玉木代表はこの日、鹿児島市内で県連の設立大会に出席し、「参院選までに全都道府県で県連を設立する」と気勢を上げた。

 衆院選で伸長した日本維新の会は、独自路線を鮮明にする。以前から批判してきた立民に加え、予算案に賛成した国民とも距離を置き、国会対応などで連携してきた方針を見直す方向だ。

 泉氏は、他党との交渉役を期待してベテランの岡田克也衆院議員らを総合選挙対策本部長代行に据えたが、局面打開の見通しは立っていない。いらだちを強める共産は、すでに10以上の1人区で候補者を決めるなど着々と擁立作業を進め、立民に揺さぶりをかけている。

2022年02月28日 07時22分 読売新聞

https://news.nifty.com/article/domestic/government/12213-1494558/

 さて立憲民主党の最大の問題は、そもそも、「自分たちが野党の中心だ」という思い込みである。もちろん、議員数は多いのかもしれない。しかし、その議員たちは制作的に一致しているのか。もっと単純い言えば「政策で一致した集団」なのか「単なる野合」なのか、あるいは「選挙の時にお互いを利用するだけの互助会」なのか、その所をはっきりしなければならない。

 単純に「反対する」だけならば「政策はいらない」のである。つまり「反対するだけ」「批判するだけ」であれば、「政策で一致した政党」とは評価できないのだ。今回驚いたのは、予算である。予算案の国会決議において、国民民主党が賛成を表明した。これに対して、「野党なんだから反対しなければならない」と声を上げたのが立憲民主党と日本共産党である。

 では、「予算委員会の審議」というのは何をしているのであろうか。審議をして、両方の案をしっかりと入れてよりよい予算案を作るのが国会の審議の目的である。予算委員会がテレビで中継されるからといって、予算とは全く関係のないスキャンダルもどきを延々と話をし、予算に関しては結局どのように変えるべきかも何も言うことはなく、結論として「反対のためも反対」をするようでは意味がない。

 それならば「審議を尽くして変更したのであるから賛成する」とした国民民主党の方が潔いし、存在感がある。国民からすれば、国民民主党がしっかりと審議して、法案や予算案が変更されれば、国民の思うような予算案に近づくということを意味しているのである。

 「自民党とは違う選択肢を提示していく。政策立案型のリベラル中道政党、立民の役割が期待されている」<上記より抜粋>

 ここまでわかっていながら、「政策」をつくることができないのである。このことから、すでに野党の支持母体であった連合も徐々に立憲民主党から離れつつある。それだけではなく、立憲民主党や日本共産党を支持していた日教組など組合員も徐々に組織率を下げている状態である。

 そろそろ「野党としての抜本的な改革」が必要である。野党としての政策が作ることができないのであれば、さっさと政治家を辞めるべきではないのか。つまり、政党として、または政治家として、その実力がない、もっと言えば国民に未来を示すことができないということに他ならないのである。

宇田川源流

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