「宇田川源流」 憲法に関する審議をしない立憲民主党に対して風当たりが強くなった国会で憲法改正は実現できるのか

「宇田川源流」 憲法に関する審議をしない立憲民主党に対して風当たりが強くなった国会で憲法改正は実現できるのか


 日本という国は、何だかわからないが憲法などを長期にわたって使い続ける習慣のある国民性がある。実際に日本国憲法が話題になっているが、実際に大宝律令・養老律令などは千年以上そのまま続いていたわけであり、まあ、いまさら憲法ということを言うのは、少なくとも日本の法制史上かなり異例なことではないかという気がしないでもない。当然に、それまでは、日本はあまり率庁に違反するなどということを主張して、日本の政府(当時の政府を朝廷と考えるか幕府と考えるかは別にして)の行おうとしていることを邪魔する人々はいなかった。だいたい、征夷大将軍という、いわゆる武士の棟梁といわれる役職は、実は「令外官」といって、律令官制にはない「臨時」の、外題の法制上で言えば「暫定的な」役職でしかないということである。そのような「暫定的な臨時役職」で1192年から1868年まで700年もの間政治が動いていたのであるから、まあ、日本人の国民性がよくわかるのではないか。

 さて、逆に現在になって「憲法」ということが話題になるというのは、それだけ「憲法」ということを言う人が多くなったということであり、なおかつ、その憲法によって日本国があまり良くない方向、つまり「政治が停滞する」ということが多くなったということになる。

 ちなみに、政治というのは「停滞する」ということが最も大きな「良くないこと」である。時代が動いているにも関わらず、政治が停滞しているということは、それだけ政治が「時代から遅れている」ということになる。これは日本にかかわらず、政治全般に言えることであるが、常に、時代が動き、環境が変化している中で、時代の変化に取り残された政治をするということは、古い政治によって国民が制御されるということを意味するのですから、まあ、あまり良いこととは言えなくなってしまうのである。

 律令の時代は、そのような憲法に当たる律令を無視して、幕府が「実質的で、なおかつ適時的な政策を行う」ということであり、それを朝廷が許容していた。もともと令外官であるから、律令に囚われることなく様々なことを行うというようになっていたのである。完全に無視したのではないのは、将軍の宣下を必ず朝廷が行っていたこと、そして外交権は常に朝廷が保有していたことが、鎌倉時代の元寇以降確認されているということになる。

 では、現代すでに戦後76年になる憲法についてはどうであろうか。

与党・維国、立民に集中砲火=衆院憲法審、選挙前と様変わり

 衆院憲法審査会は16日、岸田政権発足後初の自由討議を行った。先の衆院選で与党が勝利し、憲法改正に前向きな日本維新の会と国民民主党が議席を伸ばす一方、立憲民主党と共産党が後退し、国会の勢力図は大きく変化。同日の討議は、改憲勢力が慎重なスタンスを崩さない立民に集中砲火を浴びせる場となった。

 審査会ではまず各党が立場を表明。自民党が党改憲4項目の一つである緊急事態条項創設の必要性を唱えた。これに公明党と国民が同調。国民は議論加速へ分科会設置も提起した。

 維新も独自の改憲案である統治機構改革の議論を求めつつ、さらに岸田文雄首相(自民党総裁)が改憲日程を具体的に示すことを求めた。

 これに対し、立民は「憲法改正ありきであってはならない」と表明。さらに自民党4項目が安倍晋三元首相時代につくられた経緯を踏まえ、「安倍4項目ありきの議論に反対」と訴えた。共産党は「審査会は動かすべきではない」と主張した。

 「立民包囲網」が敷かれたのは、この後の自由討議だ。

 自民党は緊急事態条項に絡み、「議員任期の特例は喫緊の課題だ。見解を求めたい」と立民に要求。公明党は「速やかに議論を行うべきだ」と促し、維新も分科会設置を提案し返答を迫るなど、立民に対する質問が相次いだ。

 審査会は、参院予算委員会と並行する異例の日程で行われた。開催は自民党と維新が強く主張。立民は枝野幸男前代表が進めてきた路線からの転換を図っていることもあり、今回は「例外的」に受け入れた。ただ、今後はより圧力が強まることも予想され、立民中堅は「外堀を埋めてきている」と警戒感を示した。

 憲法審の与党筆頭幹事を務める自民党の新藤義孝氏は、維新と国民を「協力会派」と記者団に明言。来年1月召集の通常国会に関し「審査会開催に影響力を出せる。(立共に)議論を進めようと訴えていく」と語り、改憲論議の進展に自信を示した。 【時事通信社】

2021年12月16日 19時15分 時事通信

https://news.nifty.com/article/domestic/government/12145-1381725/

 憲法に関しえては、実質的にさまざまな不備が指摘されている。例えば衆議院と参議院がねじれてしまった場合、つまりいわゆる「ねじれ国会」になってしまうと、様々な国会承認人事が決まらなくなり、実質的な政治ができなくなるということや、あるいは、何か緊急事態が発生した場合、常に予算などを国会で承認していては、人名も救えないというようなことになるのである。

 もちろん、緊急事態状況などを広く認めてしまえば「専制的な政府」ができてしまうことになるが、一方で、何も決められない政府では、緊急事態に何の役にも立たないということにもなる。そのうまいバランスを考えるべきであり、そのことが憲法には求められている。

 このほかにも様々な不備があり、また、時代の変化に対応できなくなった内容も少なくない。しかし、なぜか日本の一部の人々は「憲法を変える」もっと言えば「時代に合わせた憲法」にしようという考え方が皆無なのである。

 さて、今回10月31日の総選挙で、「改憲を容認する」ということを主張する政党の議席数が4分の3以上になった。これは「憲法をどのように変えるか」ではなく、「とにかく、現在の憲法では現在の政治状態などに対応できない」ということを考えている国民の代表が全体の4分の3以上になったというようなことを意味しているということになる。

 審査会は、参院予算委員会と並行する異例の日程で行われた。開催は自民党と維新が強く主張。立民は枝野幸男前代表が進めてきた路線からの転換を図っていることもあり、今回は「例外的」に受け入れた。ただ、今後はより圧力が強まることも予想され、立民中堅は「外堀を埋めてきている」と警戒感を示した。<上記より抜粋>

 さて、このようになっているのは、普段ネット上などにおいて「半日政党」などと揶揄されている共産党と立憲民主党である。ある意味で「政治が停滞することが正しい」というような関上げ方をしており、上記にあるように政治そのものを時代に合わせて国民にサービスを提供するという考え方を持たない人々である。まあ、そのようにして日本が発展しないことを望んでいるのではないかというような感覚に見えてしまうということになろうか。

 そもそも立憲民主党は今までの国会対応でも「議論そのものを放棄する」というような「審議拒否」などを繰り返してきて、議論の中で、相手に対してしっかりと説得をするというようなことはできていない。また、そのように考えれば「国家の根本的な問題をしっかりと考える」ということもできていないのである。それでありながら「外国人参政権」「夫婦別姓」など「人権」の部分で抵触すると考えられ国民的な議論が必要なことを全くしない態度に対して、国民の多くは怒りを感じているということになるのではないか。

 今回の国会で「憲法審議」をしっかりと行うということから、まずは「国家の根幹を考える政党がどこか」ということを、しっかりと考えて政治を見る必要があるのではないか。

 まあ、それ以前に、このようなニュースがあまり流れないことの方が問題であり、国民の知る権利をほとんど無視しているのかもしれないことも、記載しておく。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

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