「宇田川源流」 第100代首相岸田文雄「新時代共創内閣」発足

「宇田川源流」 第100代首相岸田文雄「新時代共創内閣」発足


 10月4日に、それまでの菅義偉内閣が総辞職し、新たに自民党の総裁に選ばれた。

 ちなみに、衆院本会議の首相指名選挙の結果は、自民党の岸田文雄総裁311票、立憲民主党の枝野幸男代表124票、日本維新の会の片山虎之助共同代表11票、国民民主党の玉木雄一郎代表11票、自民党の高市早苗政調会長1票だった。

 また、参院本会議の首相指名選挙の結果は、自民党の岸田文雄総裁141票、立憲民主党の枝野幸男代表65票、日本維新の会の片山虎之助共同代表15票、国民民主党の玉木雄一郎代表15票、無所属の嘉田由紀子、渡辺喜美両氏が各2票、国民民主党の伊藤孝恵氏1票という結果になった。

 まずはこの首班指名の投票結果を見たところ、いくつかのことが見えてくる。

 まずは野党である。なぜ「過半数に満たない」にもかかわらず「野党共闘」をいい、枝野幸男に一本化しようとしたのであろうか。このあたりのないところが面白い。単純に「野党共闘」といいながらも、すでに「派閥抗争」のように主従が存在し、その内容で派閥争いのように主導権争いをしているということになる。単純にこの「野党共闘」というのは、政治的な政策の一致ではなく、単に「反自民」という批判票の集合体でしかない。そのような状態であれば「政策の一致」ではなく「主従関係」的な内容になる。その派閥争いがすでに始まっているということになり、なかなか興味深い。

 その「野党共闘」に与しなかったのが、維新の会と、国民民主党、ということになる。維新の会は、初めから声もかからなかった。つまり立憲民主党の枝野幸男は、初めから「排除の論理」で差別的な扱いをしたということに他ならない。また、国民民主党は「政策の一致」を重視すべきということになる。もともと民主党そして民進党というように、一緒になっていたものが政策の不一致で分離した歴史を振り返れば当然の事であろう。しかし、その国民民主党も、参議院では、票が分散してしまっているということになる。このへんに日本の野党の不甲斐なさが出てくる。しっかりと政策を出して、批判をせずに主張をできる野党があれば、大きな存在になるのであるが、残念ながらそれができておらず、国会の中でもおかしな話になっているということが、みえてくるしゅはんしめいせんきょであったといえる。

「一刻も早くコロナ対策、岸田に任せるかご判断いただき政治を動かしたい」…衆院選前倒しに首相

 自民党の岸田文雄総裁は4日午後、国会で第100代首相に指名され、皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て岸田内閣が発足した。首相は同日夜の就任記者会見で、臨時国会会期末の14日に衆院を解散し、「19日公示―31日投開票」の日程で衆院選を実施する方針を表明した。記者会見では、新型コロナウイルス禍でダメージを受けた経済の再生のため、大型の経済対策を策定する考えを示した。

 首相は記者会見で、「新型コロナとの闘いは続いている。まず喫緊かつ最優先の課題である新型コロナ対策に万全を期す」と述べた。さらに、「私が目指すのは新しい資本主義だ」とし、所得再分配政策を強化する考えを示した。「多様性が尊重される社会」を目指すとも語り、自身の内閣については「新時代共創内閣」と表現した。経済安全保障の取り組みを進める意向も強調した。

 衆院選の日程は当初、「10月26日公示―11月7日投開票」が軸となっていた。首相は記者会見で衆院選前倒しの理由について、「一刻も早く思い切ったコロナ対策、経済対策を実現したい。そのためには、この岸田にお任せいただけるのか(国民に)ご判断いただき、国民の信任を背景に政治を動かしたい」と説明した。

2021年10月04日 22時22分 読売新聞

https://news.nifty.com/article/domestic/government/12213-1273309/

 さて、そのようにして、岸田内閣が発足した。

首相 岸田文雄

財務 鈴木俊一(麻生8)

総務 金子恭史(岸田7)

法務 古川禎久(無6)

外務 茂木敏充(竹下9)

文科 末松信介(細田参3)

厚労 後藤茂之(無6)

農林 金子原二郎(岸田衆5?参2)

経産 萩生田光一(細田5)

国交 斉藤鉄夫(公明9)

環境 山口壮(二階6)

防衛 岸信夫(細田参2衆3)

公安 二之湯智(竹下参2)

デジタル 牧島かれん(麻生3)

復興 西銘恒三郎(竹下5)

経済財政 山際大志郎(麻生5)

経済安保 小林鷹之(二階3)

少子化 野田聖子(無8)

万博 若宮けんじ(竹下4)

ワクチン 堀内詔子(岸田3)

官房長官 松野博一(細田7)

 さて、珍しく内閣の名簿をそのまま一列で表示した。見てわかるように派閥均衡型などといわれるが、あまり個性を感じない。もちろん、過去に実績のある人をしっかりと配置したということであるが、残念ながら「口を出す長老」が増えた、まさに「船頭多くして船山に登る」の通り、見えないところで、様々な事が見えてくる内容になったのではないか。

 ある意味絵、党務を重要視しているのか、幹事長に甘利明、副総裁に麻生太郎と、麻生派が二つあり、また、政調会長に高市早苗というような感じで「党高官低」というような感じである。

 さて、この内閣になるんド絵あるが、ある意味で「官僚との相性」は悪くはないので、そこそこ仕事は行うが、残念ながら政治家的な主導性はあまり感じられないような内閣になるのではないかというような印象になる。もちろん、まとまっていない野党などよりははるかに良いし、やる気がありすぎて空回りするよりも良い。その意味を含めて、本人が「共創」というともに想像するというようなコンセプトを上げている。実際に、今の段階で「ともにつくる」時間的、また国民の精神的な余裕があるのかは甚だ疑問である。その作る速度にもよるが、その速度が、国民の期待感に合致しなければ、かなり大きな崩壊を起こすことになるのではないか。

 外交的にも中国の覇権主義や民主化弾圧問題、それに対して来年の2月の北京オリンピックボイコットするかしないかなどの問題があり、また、アフガニスタンやミャンマーなど様々な意味で様々な外交問題がある。エネルギー問題も喫緊の課題であり、また、コロナウイルスも、「治療薬」の段階や「起源解明」の段階になってきている。そのような中で、外交や防衛を含めて、しっかりとした内容ができるのであろうか。

 もちろん期待をしていないわけではないが、残念ながら、何も伝わってこないということが大きな内容になる。もちろんここに書かない内容も少なからず見えているのであるが、それらも含めて、ある意味で期待できないというような人も少なくない。

 もちろん、過去に「冷めたピザ」などと酷評された小渕恵三内閣が、「予想」に反して、素晴らしい成果を上げたこともある。とにかく、何をするのかということを見てゆかなければならないのではないか。

宇田川源流

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