「宇田川源流 日本万歳!」敵を称賛する文化がある日本の「強さ」の秘密は何か

「宇田川源流 日本万歳!」敵を称賛する文化がある日本の「強さ」の秘密は何か


 「日本万歳!」は、普段は毎週月曜日に行うものなのであるが、今週はオリンピックが終わったばかりということもあり、海外が日本のすばらしさを伝えてくれた内容が少なくないので、火曜日ではあるが構わず「日本万歳!」を書いてみようと思う。

 さて、先日岡山県瀬戸内市の「長船刀剣博物館」に行ってきた。伊予松山藩の久松松平家伝来の刀剣や、近衛家の公家刀、春日局の懐剣など、様々な刀が飾られている。私は山田方谷が板倉勝静から拝領した刀を見に行ったのであるが、そこにあった刀すべてが素晴らしいというものであった。その中で最も素晴らしいというか、目玉の展示が「山鳥毛」である。これは上杉謙信、そしてその跡を継いだ(養子なのでなかなか息子とは書きにくい)上杉景勝の愛用した刀であり、私のような凡人にはその刀のすばらしさは、「凄いものである」ということはわかるのであるが、「どれくらい凄い」のかはなかなかわからない。

 この「山鳥家」は、刀剣博物館がクラウドファンディングを使って5億円集め、その金額で購入したということで話題になった。そのように聞いてしまうと「5億円の価値」があるということになってしまうのであるが、私には他の刀剣も非常に素晴らしいもののように思えたのである。

 さて、そのようなことで、売店には「山鳥毛」のグッズがすごい。まあ、日本万歳とは関係がないのかもしれないが、その「山鳥毛」に乗っかる乗っかり方がなかなか素晴らしい。

タオルにクリアフォルダ、マスクケースまですべて山鳥毛であるし、また岡山県は上杉謙信・景勝父子とは全く関係ないのに、売店内の約半分は上杉家のものになってしまっているのである。ちなみに上杉謙信は越後国春日山城であり、現在の新潟県上越市、そして景勝は関ケ原の合戦後、米沢(現在の山形県米沢市)に移転している。それでも何しろ「四角いきんつば」が「昔は丸かった」といって「刀剣きんつば」になり、今では「山鳥毛きんつば」に変化しているし、また、旗印は岡山藩の池田家でも、またその前の宇喜多家でもなく、上杉謙信愛用の「毘」のマークが主流になっている。

 そして、上杉謙信の有名なエピソードである「敵に塩を送る」からか、暑い中「塩飴」が売っているのだが、その名称が「敵塩飴」になっていて、敵に塩を送るエピソードの解説がついているのである。

 いや、なかなか商魂たくましい。

韓国では絶対に見られない光景?五輪を観戦する日本人の姿に韓国人が驚いた理由

 東京五輪が終盤を迎える中、韓国のインターネット上に「五輪を観戦する日本人の姿勢に驚いた」というネットユーザーの文章が投稿された。

 1日に行われた東京五輪男子走り高跳び決勝では、韓国のウ・サンヒョクが4位に入賞した。惜しくもメダルには届かなかったが、24年ぶりに韓国新記録を叩き出すなどして注目を集めた。

 ところが、この試合で投稿主が注目したのは「松岡修造と日本人の器だった」という。投稿主は「ウ・サンヒョクは跳ぶ前、観客席に向かって拍手を求めたのだが、これに応じて熱心に拍手をしてくれた人が松岡修造だった。心温まる場面だった」と熱弁。また、松岡修造について「元テニススターで現在はタレント。情熱的な男として日本で人気が高い」と説明し、「そんな人が韓国の走り高跳びの選手を応援してくれた」と感激した様子をみせている。

 さらに投稿主は、4日に行われた女子バレーボール韓国対トルコ戦の後に投稿された日本人のツイッターにも注目。韓国は接戦の末に3対2で勝利し準決勝に進んだ。一方の日本は予選で敗退しているため「荒れていることだろう」と予想したそうだが、実際は「お祝いムード一色」で、「うらやむ声も多く、日本の予選敗退に落胆する中でも(韓国のエースである)キム・ヨンギョンを応援してくれていた」としている。

 その他にも、男子サッカーニュージーランド対韓国戦で茨城県鹿嶋市の三笠小学校の児童が韓国の旗を振り応援してくれたこと、女子バレーボール日韓戦で韓国の得点時にK-POPの曲が流れたことなども紹介。その上で「韓国では男子サッカー日本対スペイン戦の結果をメディアが『日本沈没』と報じるなど、日本の敗戦を喜ぶのが普通。韓国では絶対に見られない光景だ」と指摘し、「日本人と韓国人では器の大きさが違うな」とつづっている。(翻訳・編集/堂本)

2021年8月7日 0時20分 Record China


 さて敵に塩を送るといえば、日本には「敵を賛辞する」という文化がある。実際に、戦国時代でも、その前の時代でも「敵」であった人でも立派な人物であれば、その人を登用して自分の陣営を強くするということが少なくない。また農民などは、前の領主の下にいた農民をそのまま田畑を耕すように言い、そのまま支配する。だから戦国時代や江戸時代の大名の入れ替えがありながらも「先祖伝来の地」というようなことが言えるのである。

 また、「自分が活躍できるのは敵がいたおかげ」というような考え方もあるそうだ。上杉謙信などは「勝つ」ことが目的であるが、しかし、「勝ち方」にこだわりがあった。塩のない敵を卑怯に打ち滅ぼしても意味がない。それよりも塩がなければ塩を送り、正々堂々と戦って勝つことこそ精神的にも素晴らしいというような感覚があった。つまり「卑怯」というようなことが最も卑しまれるものであり、正々堂々と戦って負けても、それは恥じるものではないという感覚が、日本人の武将の中にはあったのだ。このことから戦国時代、織田信長は、真っ先に裏切ってきた敵の武将を、戦が終わった後に処罰し、最後まで抵抗した敵の武将は恩賞を与えて登用している。この時の信長の記録には、「裏切るものは、そのものの功績で勝てたかもしれないが、逆に自分が弱くなった時は平気で裏切る性根であり、将来織田家に災いをもたらす。一方最後まで戦ったものは、敗色濃厚なれど家を守る精神を持ち、命を捨てて尽くす姿勢はあっぱれである」というのである。現在日本にいながら外国の言うことを聞いている人々はどのように思うであろうか。

 さて、この文化は、さすがに海外との戦争ではあまり発揮されないが、しかし、日清戦争で戦った清国北洋艦隊司令長官丁汝昌 が敗戦の責任を取って自決した後、日本の連合艦隊司令長官伊東祐亨は船を一艘送り、丁将軍の葬送用に提供している。このように戦争が終わった後に、敵であったものをたたえるのが日本の文化であり、なかなか他国には見ることのできない文化である。「罪を憎んで人を憎まず」というような言葉があるが、戦いを通して「敵」を知り、そしてお互いが戦わなければならない運命を呪いながらも、その戦いを精一杯戦い、そして戦が終わったら相手を讃える。これが日本の文化なのである。

 「韓国では男子サッカー日本対スペイン戦の結果をメディアが『日本沈没』と報じるなど、日本の敗戦を喜ぶのが普通。韓国では絶対に見られない光景だ」と指摘し、「日本人と韓国人では器の大きさが違うな」とつづっている。<上記より抜粋>

 まあ、実際に器の大きさが違うし、また、その大きさの違いは歴史の違いではないか。今回のオリンピックでは、まさにそのような「日本人の文化性」「日本人の魂」をよく示すことができたのではないかというような気がするのである。

「戦」、オリンピックでは「試合」または「勝負」である。それを潜り抜けてこそ、真の友情が生まれる。まさにそのことこそ、日本人のすばらしさの原点なのではないか。

宇田川源流

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