「宇田川源流」 先例があるのに女性天皇がなぜ長期間なかったのかということを真剣に歴史に学ぶべき

「宇田川源流」 先例があるのに女性天皇がなぜ長期間なかったのかということを真剣に歴史に学ぶべき


 現在皇位継承のあり方について、「有識者」による会議がされているということらしい。はっきり言って、有識者で会議をされることに関しては反対する気はないが、ここに集まったメンバーが有識者なのであろうか。この人々は天皇や皇室の何を知っているのかというのは非常に疑問である。

 以前旧皇族の皆さんと会食をしたときに、某政治家に対して、旧皇族のうち二人が「皇室の水を飲んだこともない人間が、皇室や天皇の何をわかるのか。公の存在というならば、政治家の公認や跡継ぎは国民や有識者が決めるのか。なぜ天皇だけが自分で後継者を決められないのか」ということを、かなりの怒り交じりに聞いたことがある。その政治家は全く答えられずに黙ってうつむいてしまっていたのであるが、そのことを国民の皆さんはどう考えるのであろうか。

 天皇は特別な存在である。

 そのようなことはよくわかっている。しかし、特別な存在であるがゆえに、なおさら、その特別な存在である「特別」を、一般の人がわかるのか、というところが最も重要なところなのではないか。要するに「有識者」は「皇室の内容を知る人々」と「憲法などの専門家」で構成されるべきであり、当然に臣籍降下した旧宮家の人々が最もよく有識者として意見を強く言うべきではないのか。もちろん、東久邇家・久邇家・伏見家・竹田家・北白川家・朝香家の現存旧宮家六家だけではなく、例えば清子さんの嫁がれた黒田家やなど、皇室の女性が嫁いだ先も、十分に資格がある。まさに有識者こそ「ジェンダー」をいうべきであり、ここに旧宮家であるらといって、差別をする必要性は全くないのだ。

 では、そのうえでもう一度聞く。

 なぜ天皇だけは、その後継者を自分で決めることができないのか。

 国民の皆さん、そのことをよく考えてほしい。

女性天皇の容認論が多数 皇位継承策の専門家聴取

 政府は21日、安定的な皇位継承策を議論する有識者会議(座長・清家篤前慶応義塾長)の第3回会合を開き、歴史の専門家ら4人からヒアリングを実施した。女性天皇を認めるべきだとの意見が多数出たほか、女性皇族が結婚後も皇室に残る「女性宮家」の創設を求める声も上がった。

 今谷明・国際日本文化研究センター名誉教授(日本中世史)は女性宮家に関し「早く創設しなければならない」とした。父方が天皇の血筋を引く男系の男子に限定する継承資格を、女系や男系女子に広げるかどうかの結論を出すのは時期尚早とした。

 古川隆久・日大教授(日本近現代史)は、母方に血筋がある女系天皇に賛成した。

2021年4月21日 19時44分 共同通信

https://news.livedoor.com/article/detail/20066746/

 ところで「弓削道鏡」という人を知っているであろうか。もちろん、現在生きている人でもなければ芸能人でもない。歴史の教科書に出てくる人物である。奈良時代の僧で、天平宝字5年(761年)平城宮改修のために都を一時的に近江国保良宮に移した際、病気を患った孝謙上皇(後の称徳天皇)の傍に侍して看病して以来、その寵を受けることとなった。天平宝字8年(764年)には藤原仲麻呂の乱で太政大臣の藤原仲麻呂が誅されたため、道鏡が太政大臣禅師に任ぜられた。翌年には法王となり、仏教の理念に基づいた政策を推進した。

 大宰主神の中臣習宜阿曽麻呂が宇佐神宮より道鏡を天皇の位につければ天下は泰平になるとの神託があったと伝えた。しかし、和気清麻呂が勅使として参向しこの神託が虚偽であることを上申したため、道鏡が皇位に就くことはなかった。いわゆる宇佐八幡信託事件である。神護景雲4年(770年)に称徳天皇が崩御すると、道鏡は葬礼の後も僥倖を頼み称徳天皇の御陵を守ったが、神護景雲4年8月21日、造下野薬師寺別当(下野国)を命ぜられて下向し、赴任地の下野国で没した。

 この事件により「女性の天皇であると他家(臣下、または弓削家が帰化人の物部氏と親しかったことから外国という意味でもあった)から良からぬものが来て、行為を簒奪されてしまう可能性がある」ということで、桓武天皇の時代になって平城京を廃止し山城の国に遷都する。初めは長岡京に、そこが今一つ事件が多かったので平安京に戦闘しなおすことになるのである。

 そして、弓削道鏡が仏教界の人間であったことから、平安京の中には、当時は寺院を置かず、おおきな寺院はすべて平安京の外側に配されることになった(平安京の中に今存在する寺は、そのほとんど、一部を除いてが鎌倉時代以降に作られたものである)。

 実は、日本の女性天皇はこの弓削道鏡に騙されてしまったことから、これから850年間女性天皇は無くなる。なお、この後の明正天皇は、後水尾天皇と女御徳川和子の間の最初の子として生まれた子であり、数年前よりの紫衣事件や、将軍徳川家光の乳母春日局が無官のまま参内した事件等によって、江戸幕府への憤りを積もらせた結果後水尾天皇の突然の譲位によって行われた。この時に、主要な公家は、主要な公家10人余に覚書を配布したが、その二条目には、女性天皇は不都合なものではないから、一時的に女一宮(明正天皇)に皇位を預け、皇子誕生の暁には譲位すべきとある、としている。

 このようにして男系皇統を守ってきているということをまずは今の有識者樽人々は知るべきではないか。軽々しく「男女平等」というような話ではないのである。

 弓削道鏡のような話は、同じにしては悪いかもしれないが、現在の小室圭氏と秋篠宮眞子内親王の話などを見れば明らかである。男女平等といいながらも、ここで冷静さを失っている例を間近に魅せられてしまってはいかにも何とも言いようがない部分があるのではないか。

 ましてや女系も認めるなど何を言っているのやら。

 日本の歴史をもっと尊重し、そして、皇室のことは皇室の人々がその家のこととして、中心になって決めるべきではないのか。

宇田川源流

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