「宇田川源流」<現代陰謀説> 潜入捜査官というあまり世の中では知られていない人々の生活が報道された

「宇田川源流」<現代陰謀説> 潜入捜査官というあまり世の中では知られていない人々の生活が報道された


 金曜日は現代陰謀説である。現代の陰謀ということに関して様々な観点からその内容を書いてみるということになっている。まあ、現在進んでい陰謀などは、なかなかわかるものではない。その内容を考えること、そしてそれに備えることによって、次の時代を先取りすることができることになるのである。

さて、今日はその陰謀そのものではなく、陰謀を仕掛ける人とはどんな人物なのかということを考えてみたい。実際に陰謀というのは人とモノを金を集中して行うのであるが、一方でその資源(ヒト・モノ・カネ)が動いていることを敵に知られてはならないということになっている。

あえて「敵」と書いたが、しかし、彼らが動いている段階で敵であるかどうかも不明である。そのために、ある程度自由でありまた向こうが行為で近づいてくる可能性もある中で、その内容を一気に行わなければならないということになるのである。つまり、その存在自体を偽らなければならないし、またそれが自然でなければならないということになる。

そのような人物とは何なのか。

今の日本はだめだが、実は、日本はそれら情報の世界ではかなり優秀であった。大東亜戦争時の東南アジア戦線、チャーチル首相はその日記の中で「シンガポールとインドはすべて日本のインテリジェンスに対して敗北した」ということを書いている。

つまり、イギリスの情報部よりも日本の秘密機関の方が優秀であったということになる。真珠湾攻撃の前に、アメリカ海軍の情報をすべて記録していた吉川猛夫も、結局最後までその工作がばれることはなく、真珠湾攻撃を成功に導いている。そもそも、伝説の存在になりつつある日露戦争での明石元次郎も、かなり優秀な人物であったはずだ。

そのように考えれば、「優秀でなおかつ先読みができる人物」であり、なおかつ「周囲に信用される」そのうえで「国家に対する忠誠心と任務の遂行力を持っている」という人物でなければならない。吉川孟夫は、その意味で終戦近くになると日本の敗北を冷静に話すようになり、かえって非難される運命にあった。

 では現在ではどのようなものなのであろうか。


英潜入捜査官、正体偽り恋愛も…公式調査開始

【AFP=時事】主要8か国(G8)首脳会議(サミット)に反対する集会で出会った元恋人は、実在しない人物だった──英国在住のケイト・ウィルソン(Kate Wilson)さん(42)は2010年、その事実を友人たちから知らされた。

 マーク・ストーン(Mark Stone)と名乗っていた元恋人の本名は、マーク・ケネディー(Mark Kennedy)。妻も子どももいる、環境団体専門のベテラン潜入捜査官だったのだ。

 何十年も続けられてきた英警察の潜入捜査は論争の的になっていたが、今月ようやく公式な調査が始まった。環境団体に潜入するために他人になりすました捜査官らと、数年に及ぶ恋愛関係を持った被害者らは、捜査官らの活動が明らかにされることを願っている。

 看護師として働くウィルソンさんはAFPの取材に対し「本当にひどい、言葉ではほとんど説明できない」と、自らの辛い体験を訴えた。

 もう1人の被害者リサさん(仮名)も、ケネディー捜査官と6年間恋愛関係にあった。だが、やはり2010年に捜査官の本物のパスポート(旅券)を偶然見つけて正体を知った。

 リサさんは被害者団体「Police Spies Out of Lives(警察のスパイは人生から出ていけの意)」のウェブサイトに「彼はすべてを共有してきた相手だった」「父が亡くなった時に支えてくれたのは彼だった」と投稿した。

 同団体は、この問題を警察による「性的かつ精神的虐待」だと主張し、リサさんのような女性を支援するためにウェブサイトを立ち上げた。

 身分を隠した捜査官と恋に落ち、子どもまでもうけた女性もいる。覆面捜査官「ボブ・ロビンソン(Bob Robinson)」は1984年、ジャッキーさんという若い女性と出会い、1年後には息子が生まれた。ジャッキーさんは、二人には動物好きという共通点があると信じていた。

 ところが息子が生まれた2年後、「ロブ」は警察に追われていると言って失踪した。実際には、内偵任務が完了したためだった。ジャッキーさんは2012年の新聞報道で、初めて「ロブ」の正体を知った。

■真実を求めて

 英メディアの報道によると、ロンドン警視庁(Metropolitan Police Service、Scotland Yard)が1968年にベトナム戦争(Vietnam War)反対運動を監視するために、いわゆる「特殊任務班(Special Demonstration Squad)」を設置して以降、少なくとも139人の捜査官が1000以上の団体に潜入してきたという。

 潜入対象の大半は左派組織で、労働組合や環境団体、反人種差別や平和主義、フェミニズムを掲げる団体などだが、極右組織も対象とされた。

 潜入捜査被害者弁護団のまとめ役を担うリディア・ダゴスティーノ( Lydia Dagostino)弁護士は、被害者の中には「ひどく傷つき、決して立ち直れない」女性もいると語った。

 警察は2015年、複数の女性に対し謝罪し、損害賠償を支払った。さらに今週、「捜査対象」との性交渉は現在は認められておらず、潜入捜査は「明確な倫理指針と法的枠組み」に基づいて行われていると述べた。

 だがケネディー捜査官と人生を共にしていたウィルソンさんにとって、この言葉は大した慰めにならない。

 ダゴスティーノ氏は、意図的な「感情操作」は潜入捜査官がよく使う手法だと述べ、本件では審理の傍聴やインターネット配信が認められていないことについて、「国家による隠蔽工作」だと非難した。

【翻訳編集】AFPBB News

2020年11月9日 16時13分 AFPBB News

https://news.livedoor.com/article/detail/19193742/


 イギリスでは国内治安のために、ロンドン警視庁の中に特殊任務班を作っていたという。実際にイギリスの場合、いくつかの多重構造になっているので、日本の場合と単純に比較することはできない。そもそも日本にはイギリスのMI5、MI6のような情報部の存在がない。

日本の場合は「公安」といっても「公安調査庁」なのか「警視庁公安部」なのか「警察庁公安」なのか全く不明である。そのうえ警視庁と警察庁はまだ逮捕権限があるものの、公安調査庁は全く逮捕権限も武器の携帯もないので、単に信用関係で情報を得るだけのものである。

イギリスの国内治安のための「特殊任務班」とは、ある意味で警視庁公安部のようなものではないかと思うが、それでも潜入捜査などは行わないということになっているので、なかなか大変である。

なお、潜入捜査は行わないと言っているが、実態としてはパーティーなど潜入が可能なところは入っているようなので、完全に潜入しないというものではない。「潜入捜査」とは捜査対象の組織などに身分を変えて長期間潜入することを言っており、単純にパーティーなどに入るのとは全く異なる。

さて、イギリスの場合は「身分を偽る」ことによって、中に入るのであるがそれが長期間になるので、恋人や夫婦というような感覚で中に入るという。

 何十年も続けられてきた英警察の潜入捜査は論争の的になっていたが、今月ようやく公式な調査が始まった。環境団体に潜入するために他人になりすました捜査官らと、数年に及ぶ恋愛関係を持った被害者らは、捜査官らの活動が明らかにされることを願っている。

 看護師として働くウィルソンさんはAFPの取材に対し「本当にひどい、言葉ではほとんど説明できない」と、自らの辛い体験を訴えた。<上記より抜粋>

映画007の中で必ず出てくるのが「ボンド・ガール」という存在である。実際にジェームス・ボンドは必ず女性を味方につけ最後色っぽいエンディングを迎えることになる。まあ、MI6の人々はボンドの女性好きはよく知っているようで、任務終了後のお楽しみは黙認するというような感じになっているのである。

さて、イギリスの007という映画はそのまま現実を取材しているとはいえ、まさに映画のような女性関係を行っているとは思わなかった。しかし、全く思わなかっただけに逆に、女性が一緒にいるとか子供までいるということは、完全に相手をだませているということに他ならない。そういうよりは「二重生活ができている」とか「身分が二つある」という方が正しいのかもしれない。

さて、今回はこの潜入捜査の実態を調査するとしている。なんでも住みにくい世の中になったものである。インテリジェンスの世界、特にヒューミントの世界ではなかなか生き残れないということなのであろうか。

 同団体は、この問題を警察による「性的かつ精神的虐待」だと主張し、リサさんのような女性を支援するためにウェブサイトを立ち上げた。<上記より抜粋>

まあ、そういう見方ができるといえばできるのであるが、しかし、そういう話ではないのではないか。このようなことをすれば、情報は入らなくなるし、また治安が守れなくなる。日本の場合は潜入捜査などをするには裁判所の許可と令状が必要になる。イギリスもそのようなことになるのであろうが、それは、予防的な潜入捜査ができなくなるということを意味しているのである。

権利が大きくなれば責任と義務が縮小する。そのことを国家はどのように考えるのか。一方で中国やロシアなどは、このような潜入捜査などは日常なのである。そのことをよく考えるべきではないか。

宇田川源流

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