「宇田川源流」 各国でガソリン車の販売禁止が加速するということは「電気の争奪戦」が始まるということを意味するのだがその準備はできているのか
「宇田川源流」 各国でガソリン車の販売禁止が加速するということは「電気の争奪戦」が始まるということを意味するのだがその準備はできているのか
先日、アメリカのカリフォルニア州で2035年までにガソリン車の新規の販売を禁止するというような方針が打ち出された。そうでなくても、EUでも2040年までにガソリン車の販売を禁止する方向で考えていることが発表されている。中国でも同じで上海などは上海の市内に少なくともハイブリッド車、基本は電気自動車(EV車)でなければ入れないようにしているのである。
もちろん新規の販売をやめるということは、単純に言えば、「今まで持っているガソリン車はそのまま乗り続ける」ということが前提であり、ある日突然にガソリン車はすべて動かなくなるとか、欧米でのコロナウイルスのロックダウンのように、ガソリン車に乗って居たらすぐに逮捕されるというようなものではない。しかし、実際に、ガソリン車を売ってはいけなくなってしまうので、「ユーザー」ではなく販売者などに罰則が出てくることになるということになる。
まあ、ガソリン車そのものが「クラッシックカー」になってゆくということになるのであろうと考えられ、その内容がいつの間にか常態化してゆくということになるのであろう。
さて、当然にこのことから次の展開が予想されるということになる。つまり「ガソリンスタンドが消えてゆく」ということである。当然にガソリン車が減ってゆくのに、ガソリンスタンドなどはなくなってゆくということになるのは当たり前の話であろう。私自身がリアルタイムではないのであるが、「蒸気機関車」が「電車」に代わるにあたって、ターミナル駅に必要であった石炭置き場や水の補給場などはすべてなくなってしまい、その分が倉庫や操車場、場合によってはデパートなどに変化している。まさに、街の中にあったガソリンスタンドの多くが、「電気自動車の充電場所」に代わることになり、急速充電の場所が増える。同時に充電の場合は時間がかかることから、その周辺に外食や喫茶店などが増えてゆくというような状況になってゆくのではないかと予想される。
つまり「電気自動車になる」ということは、そのまま「その自動車に関するインフラが変わる」ということになるのである。
ガソリン車の販売禁止が加速 世界最大・中国市場もEVシフト
世界でガソリン車などの販売を禁じる「脱化石燃料」の流れが加速している。
米カリフォルニア州がガソリン車などの新規販売を2035年までに禁じる方針を打ち出すなど、環境対策を重視する欧米各国で同様の動きが相次ぐ。世界最大の自動車市場である中国でも電気自動車(EV)の普及が加速しており、26日に開幕した北京国際モーターショーでも新型EVが出展を競う。日本の自動車メーカーも対応を本格化させている。
「気候変動と戦う上で、州が取ることができる最も影響力のある措置だ」
カリフォルニア州のニューソム知事は23日に発表した声明でこう強調した。この日、ガソリン車やディーゼル車の新車販売を35年までに事実上禁じる行政命令に署名。同州で売られる新車の乗用車は排ガスを出さないゼロエミッション車とすることが義務化される。
これは決して突出した動きではない。欧米メディアによると、フランスは40年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する計画。英国も35年までに同様の計画を進めるが、ガソリンと電気を併用するハイブリッド車(HV)も禁止対象という厳しい内容だ。各国政府は環境性能に優れたEVなどへの切り替えを積極的に後押しする。
中国もここ数年、補助金支給を通じ、EVなど新エネルギー車の普及を進めてきた。今月22日には習近平国家主席が国連総会の場で、60年までに二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を表明。具体策は明らかにしていないが、EV普及のテコ入れが図られるとの観測もある。
これまで環境対応車の展開をHV中心で進めてきた日本メーカーもEVに本腰を入れ始めた。北京モーターショーでは、日産自動車が25年までに中国市場でEVなどの9モデルを投入する計画を発表。ホンダも中国で開発中の同社ブランドのEVについて、世界展開を視野に入れると明らかにした。
HVが主流の日本市場にも潮流変化がみられる。ホンダが10月末、近未来的な小型EV「Honda e(ホンダイー)」を発売。マツダはスポーツ用多目的車(SUV)型の「MX-30」のEVタイプを年度内にもリース販売する。トヨタ自動車は、軽自動車より小さく航続距離は約100キロという超小型EVを今冬にも発売する計画だ。
自動車メーカーを取り巻く環境は激変が見込まれる一方、政策頼みではEV市場の成長はおぼつかない。中国では昨年、政府が補助金を大幅に削減したことで、同年の新エネルギー車の販売が前年比4%減とマイナス成長に落ち込んだ。さらに新型コロナウイルスの影響も受け、資金繰りが苦しくなった新興EVメーカーの苦境も相次ぎ報じられている。(今村義丈、北京 三塚聖平)
2020年9月26日 21時49分 産経新聞
https://news.livedoor.com/article/detail/18960731/
これらの要請は当然に「環境問題」などからきている。実際に温室効果ガスの削減ということは世界的な課題であり、何か異常気象が起きるたびに、地球温暖化が言われている。中には地球温暖化自体が陰謀であってあまり関係がないというような主張の人もいるが、なかなかそうではないような感じである。
同時に各自動車メーカーの間では、EV車などの開発競争があり、またそれに欠かせない充電電池の原材料(リチウム・コバルト・銅など)の争奪戦が出てくることになってくる。どんなう優秀な自動車も、燃料がなければ車は動かないので、その車を動かすための動力と電気が必要になってくる。当然に充電池と、急速充電装置、そして電力が各国で争奪戦となるということになる。
要するに、いままでは「化石燃料が発展や運輸の重要な内容」であったはずであるが、その化石燃料の代わりに充電池に代わるということを意味しているのであり、そのことは、その資源の争奪戦が始まるということを意味しているのである。基本的に「銅」は現在は多くが海底熱水鉱床であり、様々な熱水鉱床がその中心になっている。アメリカやカナダなどの資源会社がそれらの資源を行っている。銅の場合は、周辺の環境破壊が大きいために陸上で採掘を行う場合は、その環境対策が重要になってきてしまう。日本でも明治時代に足尾銅山事件などがあったように、問題が大きいので、それらのことが出てくるのである。
このことを受けて、日本ではなぜか鉄道の配線のところから銅線が盗まれるなど、すでにその争奪戦は様々なところで始まっている、特にそれらの窃盗をしているのが、中国人が逮捕されている例が少なくなく、中国がこれらを狙ってすでに様々なところで窃盗を繰り返しているのである。まあ、もちろんしっかりと貿易も行っているのであろうが、中国というのはモラルがないのと共産主義という共有財産的な感覚があるので、物を盗むことにあまり抵抗がない。その意味ではこのような争奪戦では当然にさまざまなことを考えなければならないのではないか。
同様に、日本の場合はスマートフォンなどのリサイクルがあまり行われていないことから、それらを安く買ってゆくなども行っている。当然に、日本のこれらの「経費などだけで、日本全体の資源ということを全く考えない日本の企業の経済的な感覚」はすでにプラザ合意などで「買えば何とかなる」ということで様々な資源を閉じて痛い目に遭っているにもかかわらず、全く学習しないので、困ったものである。
ニッケルコバルトなどに関しても、日本のEEZ内の海底にあり、早速中国は狙っているのである。このようなことに対する争奪戦に負けないように考えないとならない。
それだけではなく、アフリカや中東における様々な内容をどのように考えるのか。この「あて」がないところは環境にマイナスな国となってしまい、これからはペナルティを受けることになる。そのような時代になる前に事前の準備が必要なのではないか。
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