「宇田川源流」<現代陰謀説> 自ら中国が日本に介入して工作していると表明してしまった中国の環球時報

「宇田川源流」<現代陰謀説> 自ら中国が日本に介入して工作していると表明してしまった中国の環球時報


 陰謀というのは、どこから露見するかわからない。ついでに行ってしまうと、実はその露見というのは、陰謀の企画者または工作者本人が自分で露見するようなことを言ってしまうというようなことが少なくないのである。

刑事ドラマなどの取り調べシーンで、様々な誘導尋問をするのであろうが、実際に、「警察がマスコミに発表していない事実」を自分で言ってしまい「なぜそれを知っているのですか」と聞かれて窮地に追い込まれてしまうということがある。

犯人しか知らない事実を犯人が自分で話してしまうという「秘密の暴露」というような状況がある。本人にとっては当然に自分で行ったことだから知っているのであるから、そのことをついつい話してしまう。逆に「知らない」という方が不自然に感じられてしまう場合など、無意識に「秘密の暴露」をしてしまい、知らないはずのことを知っているというようなことになってしまうのである。

これと同じことが、実際に陰謀でも少なくない。

陰謀というのは、ある意味で公然と相手の中に入って、その内容を政治的または軍事的に有利に進めるようなことを工作しているものである。もちろん通常のスパイのように、何か情報を盗み出すというような工作をしている場合は、その工作において、極秘性を保たなければならないのであるが、逆に何か政治的な意見を広める場合や反政府活動を誘発する場合などは「広報戦略」として工作を行っているということになるのであり、その内容は、工作先の国における広報や通知などが伴わなければならないような状態になっているはずなのである。

つまり、「何かを伝えなければならない」場合に「必要以上に伝えてしまう」と上記の「秘密の暴露」と同じような結果が生まれてしまうのである。


「日米分断」訴え=安倍首相辞意で社説―中国紙

 【北京時事】29日付の中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は、安倍晋三首相の辞任表明に関する社説で「日本はわれわれが味方にする必要のある国だ。対中問題で日米は必ずしも一枚岩ではない」と強調し、米中対立が深まる中、次期政権と米国の分断を図るよう訴えた。

 同紙は「中国は、日本に米国と距離を置かせ、米国の対中攻撃への加担を弱めることができる」と主張した。

 社説は、安倍首相について、靖国神社を参拝したことなどを挙げ「中国人の多くは安倍氏を好んでいない」と指摘した。一方で「日本の国益を守り、対中問題では元来は強硬だが、柔軟性もあった」と評価。その上で、今後の対日方針として、「共通の利益を増やし、摩擦を減らすべきだ」と述べた。 【時事通信社】

2020年08月29日 14時13分 時事通信

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-775735/


 今日の記事は短いので、全てをかみしめて読めると思うしまた、その内容がすべて見えているということになる。まあ、相手が自分の国の新聞で意見発表しているのであるから、完全に「オシント情報」ということになり、その読む内容が見えてくるということになる。今回はその読み方を見てみよう。

「日本はわれわれが味方にする必要のある国だ。対中問題で日米は必ずしも一枚岩ではない」<上記より抜粋>

まずは、中国が日本を重視しているということはわかる。まあ、どういう意味で重視しているのかはここに書かれているわけではないので、何とも言いようがない。

しかし、その後半の部分である。対中問題で日米は必ずしも一枚岩ではない。つまり、中国の一般人は日米は一枚岩であるということを思っており、そうではないということを書いている。

またそのことは「日本国内にアメリカとの同盟を無視して中国に味方している人間(政治家または企業)がいる」ということが書かれており、また、そのことを中国の新聞として確認しているということを意味している。

ついでに言えば、中国側はそのような人物に対してしっかりと工作をしており、今更裏切ることはないということまで言えるほどの文章の強さであるということが言える。つまり、今まで日米同盟を無視して中国側に寝返るように様々なところで工作をしてきているということを書いているということになる。

「中国は、日本に米国と距離を置かせ、米国の対中攻撃への加担を弱めることができる」<上記より抜粋>

この文章の主語は、「中国は」であり、中国は主体的に「日本に対して工作を行い」「加担を弱めること」を命じるまたは工作によってそのように動かすことができるということを意味しているのである。まさに「工作のレベルは、米中戦争で中国に味方させるレベルまでできている」ということを書いているのに過ぎない。かなり工作が進んでいるということを自ら暴露しているということになる。

「共通の利益を増やし、摩擦を減らすべきだ」<上記より抜粋>

単純に「共通の利益」ということで「金銭的な買収」または「価値観の共有」ということになる。もっと言えば、香港やウイグルに対する政治的な内容や、あるいはアフリカや中東におけるイランによるテロを誘発していることと同じ価値観を増やすということを意味している。

同時に、そのようなことは、簡単にできることであり、そのような工法を行うことができるということにつながる摩擦を起こすのは政治と企業であるから、その政治と企業に深く食い込んでいるということを暴露しているのに過ぎないのである。

さて、これが「安倍首相の辞任」と同時に出てきた。つまり、「安倍首相周辺は工作が効かなかった」ということが言えるわけであり、同時に「次の総裁選候補の中に中国の工作を受けたものがいる」ということを意味している。

まあ、だれであるかは皆さんの想像にお任せするが、そのようなことをしてしまった場合には、当然に日本が「裏切り者」となってしまい、なおかつ日米関係は悪化することになる。

その場合中国が責任をもって日本の地位を保全できるのか、そのことは全く書かれていない。まさに「裏切り者の首相を作れ」というような工作をしていることになるのである。そしてそのような「中国との同調勢力」が宣伝している候補こそが大きな問題であるということ、すでに工作をされてしまっている政治家であるということが言えるのではないか。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

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