「宇田川源流」 中国から富裕層が出てゆくという「人が逃げる国中国」に残る人々の悲哀

「宇田川源流」 中国から富裕層が出てゆくという「人が逃げる国中国」に残る人々の悲哀


 中国の人口流出が止まらない。中国の人口流出といえば「スネークヘッド(蛇頭)」が有名である。あの時は、中国が貧困にあえいでおり、食糧難民のような感じで貧困に耐えきれないということから、人が出てきていた。「ボートピープル」というような言い方になり、貧困経済難民の代表のようなことになっていた。

このスネークヘッド難民がいなくなったのは、いつのことであったか。21世紀になって、胡錦涛が国家主席になった時代から急にいなくなった気がする。つまり、「中国が貧困ではなくなった」ということになる。

さて、急に話題を変えるが、「経済難民」と「政治難民」「戦争難民」の難民には三種類あることはご存じであろうか。通所我々が難民という概念で言っているのは「戦争難民」であり、国が内戦または戦争被害に遭って住むところを追われ、また、そのままそこの地にとどまった場合は、命を失う恐れがある場合に「戦争をもとに住所地を追われた人」ということで「戦争難民」という。「政治難民」とは、政治的な迫害を受けた場合、そして経済難民とは「貧しくてそのまま暮らしていた場合は餓死してしまう場合」というようなことになる。

このうち日本が難民として受け入れるのは「政治難民」だけであり、経済難民と戦争難民に関しては、日本は難民認定をしていない。戦争難民に関してはそもそも戦争難民なのかどうかということの問題点がある。もちろんシリア難民などは完全に戦争なのであろうが、実際にシリア全土が戦争をしているわけではなく激戦区が一部に限られているので、戦争難民は受け入れない。ついでに言えば、戦争難民をへたに受け入れれば、その国の政府から敵対的行動をとられることになり、憲法の精神に違反することになる。

経済難民に関しては、どこからが経済難民なのかよくわからないということになる。

いずれにせよ「経済難民」と「戦争難民」に関しては「国民が国民としての努力によって解決できる問題」(実質的には難しいが)であり、国民が戦争を終わらせる義務があるのだから、そこに介入しないということになるのである。

その中国難民が増えている。

高官や富豪だけではない「低ランク人口」も海外へ 中国脱出ラッシュ広がる

 カタールメディアのアルジャジーラはこのほど、2017~19年にかけて、中国高官や富豪ら約500人が欧州連合(EU)加盟国のキプロスの「ゴールデンパスポート」を取得し、移住したと報道した。実際のところ、高官や富豪だけではなく、中国の一般市民も海外移住を急いでいる。

   「今逃げなければ間に合わなくなる」

 米ラジオ・フリー・アジア(RFA)8月26日付によると、中国人富豪の張さんは「海外移住、または外国のパスポートを取得した高官は数百人どころではない」と話した。「中国に訪れる危機を目にしているからだ」

「この危機は、血迷っている当局の指導者の衝動によってもたらされた。これによって多くの人々は、数十年蓄積してきた財産と努力の成果を失うだろう。皆は、家族の健康と子どもの将来を犠牲にして、中国共産党の指導者の狂気に付き合うことができないからだ」

 張さんの多くの友人らも、資産を海外に移し、移民した。「なぜなら、今中国から逃げなければ、もう間に合わなくなるだろう。彼らは国内の資産を売却して、海外に投資している。国内にとどまると決めた他の友人は将来、資産が目減りするという現実を突きつけられるだろう」

 RFAによれば、ここ5年間、すでに数多くの富豪やビジネスマンが海外に資金を移し、移民した。その中には中国当局の汚職官僚も含まれている。

 米に亡命し、サイパン島に住む孔園峰さんは、「中国当局の汚職官僚は海外逃亡の際、共産党体制の異見者を装い、党の機密文書を持ち出すことがある」と語った。孔さんによると、汚職官僚が、気功グループ、法輪功学習者に対する中国当局の弾圧政策の機密文書を持ち出し、亡命先の国の政府に提出すれば、亡命が認められる可能性が大きい。

 孔さんは、「500万元(約7762万円)を所持している官僚はベトナムやタイに行くが、5000万元(約7億7616万円)を所持している人はスペインやモルディブなどの国を目指している」と話した。

 中国黒龍江省の民間企業の元上級幹部は、中国国民の海外移住・亡命は大きな流れとなっていると指摘した。「中国の富豪にせよ、当局の高官にせよ、中国にいれば希望を見出せないと同時に、大きなリスクが伴うからだ」

   「船が沈む」低ランク人口も海外へ

 中国当局に「低端人口(低収入や低学歴などの低ランクの人々)」と軽蔑された一般の市民も、あらゆる手を尽くして中国からの脱出を図っている。

 広東省出身の女性市民、孫さんはRFAの取材に対して、「今後、鎖国になるのではないかと心配している。国内経済情勢が悪く、多くの若者が失業した。(中国という国は、今)船に大量の水が入り込んでいる状態だ。もう中国に帰りたくない。中国の見通しは暗い。国民はもう安穏に暮らせなくなっている」と話した。

 40代後半の孫さんと息子2人は7月、欧州東南部のバルカン半島に位置する国に入国した。国の名前は明らかにしなかった。

 海外移住に1万ユーロ(約127万円)余りの資金を用意した孫さんは、今の生活コストは中国にいた時と比べて低いため、「今のところ、生活はぎりぎりできている」と語った。特に、牛肉などの生鮮食品の値段は国内と比べて安いという。孫さんによると、国内の生活環境が「劣悪」で、抜け出したい市民は多くいる。「500万~600万元以上の資産を所持している知り合いの中間層は昨年、移民ビザを取得し、いつでも海外に行けるように準備していた」

 孫さんが今、滞在している国には、すでに十数人の中国人が移り住んだ。「今後も多くの人がこの国に来るだろう」

「今の中国では、金持ちの人も貧乏な人も、皆が中国共産党政権に『遅かれ早かれ搾取される』と危機感を持っている。金持ちの人たちは、『ファイブ・アイズ』の各国に行く。中間層の人たちは(欧州の)シェンゲン圏の各国に移民するのだ」

 中国当局は、国民の海外移民ラッシュを取り締まるため、近年、公務員や国有企業の幹部らに対して、パスポートを勤務先に上納するよう要求している。昨年10月以降、一部の地方政府は、公立学校の教師および定年退職者のパスポートを没収した。

 また、当局はパスポート没収の対象をさらに拡大している。中国紙・新京報9日付によれば、北京市平谷区当局は、管轄下の各村の党委員会や居民委員会の幹部のパスポートを取り上げた。パスポートを申請中の幹部に対して、審査基準をさらに厳しくするという。

 湖南省のある一人の村党委員会幹部はRFAの取材に対して、8月に上層部が、今後、個人のパスポートを預かるという通知を受け取ったと話した。「全国統一で行われている」という。

 中国当局は現在、国民一人当たりの外貨両替を年間5万ドル(約534万円)までと厳しく規制している。しかし、仮想通貨調査会社のChainalysisの最新研究によると、過去12カ月で約500億ドル(約5兆3395億円)の暗号化通貨の資産が中国から海外に送金された。中国では、当局の為替規制を回避している投資家が多くいることがわかった。

(翻訳編集・張哲)

2020年8月28日 23時32分 大紀元

https://news.livedoor.com/article/detail/18808816/

 現在、中国から出国している難民は、広く定義で言えば「政治難民」というようなカテゴリーに入るのかもしれないが、実際に、政治難民と認められることは少ない。単純に、政治難民であれば、政治的な迫害行為を受けていなければならない。それは「緊急性のある迫害行為」が必要であって「言論の自由を求める」などの者ではない。つまり、将来の漠然とした「リスク」ではなく、現実に迫った「コーション」でなければならないのである。

さて、ではなぜ難民とはそんなに難しいのであろうか。

単純に、本来は国民は国を豊かにしなければならない義務があり、また、その国が間違えた方向に行った場合には、国をただすという義務と責任があるのである。そのために、その義務と責任を守るように、人権があり、また、その人権を認めない国において、国連などの人権委員会がしっかりと人権を守るように勧告を出すシステムになっている。そのために、簡単に難民として出てゆくのではなく、本来は国にとどまって国をよくしなければならないし、また国をよくするための努力を国外にいても惜しんではならないのである。

しかし、ここに書かれているような人はそのような者ではない。

そもそもが、自ら共産党に入り国の形をこのようにしていた人間たちであり、その者が不正にまたは権力を使って人民から搾取して金銭をため込んだ人間たちである。つまり国が悪くなったことに責任がある人間たちであり、また、ある意味で言えば犯罪者である。その人間たちが「難民」になることなどはあり得ない。

「今の中国では、金持ちの人も貧乏な人も、皆が中国共産党政権に『遅かれ早かれ搾取される』と危機感を持っている。金持ちの人たちは、『ファイブ・アイズ』の各国に行く。中間層の人たちは(欧州の)シェンゲン圏の各国に移民するのだ」<上記より抜粋>

このようなことを言っているが、そもそも中華人民共和国憲法には、「共産主義」ということが書かれており、なおかつそれは「私有財産の禁止」そして「蓄財の禁止」「史的唯物論」ということが書かれているはずである。そのことが書かれているにもかかわらず「自分の私有財産守るために」ということを言っていること自体が、共産主義の崩壊でありなおかつ、中華人民共和国憲法違反の存在であるといえる。もちろんそれが一般庶民であれば別であるが政府高官や、共産党員である場合は、意思決定者のひとりでありなおかつ、そのような共産主義システムを利用して蓄財したものであるので、「自分の蓄財の時にはシステムを利用し、その同一システムが自分から搾取を始めるときになれば被害者面をして難民の振りをする」などということは許されないのである。

そして、そのような「建前」で動いていながら「本音では亡命をする」というものが増えている。人が離れるということは「国力が失われる」ということでありなおかつ、それが国のシステムに基づいて行われているということになるので、「中華人民共和国の構造的な国力の喪失」であり、そのことが幹部からは見えていないということになるのである。

まさに中国はそのような状況になる。現在の洪水など天災は、そのよう中国にどのような未来を残すのであろうか。

宇田川源流

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