「宇田川源流」 コロナウイルスで各国が国内政治で手が離せない間に拡大覇権主義を続ける中国共産党とインドの因縁の対決
「宇田川源流」 コロナウイルスで各国が国内政治で手が離せない間に拡大覇権主義を続ける中国共産党とインドの因縁の対決
中国とインドはかなり前から国境紛争が絶えない。かつての中華民国と長年イギリスの植民地であったインドは、途中にネパールとブータンを挟んで長く国境を接していた。中国は強い物には絶対に手を出さないのでイギリス相手には戦争はなかった。
中華人民共和国が国共内戦を経て1949年に建国され、中華民国に代わり中国大陸を支配し、1950年にはチベット侵攻を行った。
1954年に「ヒンディ・チニ・バイ・バイ」(中国とインドは兄弟)を掲げたインドの初代首相ジャワハルラール・ネルーと中華人民共和国の周恩来はともに領土主権の尊重、相互不可侵、内政不干渉、平等互恵、平和共存の5つからなる「平和五原則」を掲げた。
しかし、1956年にチベット動乱が起き、1959年にダライ・ラマ14世のチベット亡命政府がインドに亡命すると中国とインドは、両国の国境の解釈をめぐって対立するようになった。主にカシミールとその東部地域のアクサイチンおよびラダック・ザンスカール・バルティスターン、ブータンの東側東北辺境地区(後のアルナーチャル・プラデーシュ州)で激しい戦闘となったが、中国人民解放軍の圧勝で終わった。
中印国境紛争後、アクサイチンに中国人民解放軍が侵攻、中華人民共和国が実効支配をするようになると、パキスタンもそれに影響を受け、1965年8月には武装集団をインド支配地域へ送り込んだ。これにインド軍が反応し、1965年、第二次印パ戦争が勃発した。
その後も紛争は続き、一番近いところでは2017年6月16日、中国軍がドグラム高原道路建設を始めたため、ブータンの防衛を担当するインド軍が出撃する。工事を阻止しようとするインド軍と中国軍はもみ合いになり、インド側の塹壕二つが重機で破壊されている。同年8月28日にはドグラム高原でにらみ合いの続いている両部隊を撤退させることで合意し、両軍とも部隊を引き上げるとインド当局が発表する。しかし中国外交部は撤退するのはインドのみであり、規模は縮小するものの中警備を継続すると発表している。
そして今回は「殴り合いのけんか」が起きて、死者が出たということである。
中印衝突 中国メディアは抑えた報道、SNSでは「報復」求める声
【AFP=時事】(更新)中印国境の係争地帯で両国軍の衝突が発生した問題で、中国国営メディアは17日、大々的な報道は差し控え、中国側の死者数の公表も避けた。一方ソーシャルメディア上では、中国のユーザーらから「報復」を求める声が上がっている。
インド軍は16日、ヒマラヤ(Himalaya)にある対中国国境の係争地帯で「暴力的な衝突」が起き、インド側の兵士20人が死亡したと明かすとともに、「双方に犠牲者が出た」と発表。
印メディアは、中国軍兵士少なくとも40人が死亡または重傷を負ったと報じている。
中国政府は翌17日、「状況の鎮静化」のため、両国高官が協議したと発表した。ただ中国側は、自軍の死傷者数は公表していない。
中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は同日の定例会見で、国境を違法に越え、中国軍を攻撃してきたのはインド軍側だったと再度主張し、やはり犠牲者に関する詳細は触れなかった。
趙氏は、「両国はこの問題を対話と交渉で解決していく」「われわれはもちろん、これ以上衝突が起きることを望んでいない」と話した。
中国国営メディアは、近年最も激しい衝突だったにもかかわらず、比較的抑えた報道にとどめている。
中国共産党機関紙・人民日報(People's Daily)系の環球時報(Global Times)は、インド側の死者数は報じたものの、中国側は自国の犠牲者に関する情報を公表していないと伝えた。
同紙は社説で、中国政府が衝突での死者数を明かさなかったのは「比較を避け、対立感情をあおらないようにするため」だと論じ、対するインド側の「傲慢(ごうまん)さと無謀さ」を非難した。
中国版ツイッター(Twitter)「微博(ウェイボー、Weibo)」のユーザーらは報復を叫んでいる。
「もしインドを殴り殺さなければ、この種の挑発は永遠になくならないだろう」「あまりの怒りで頭に血が上っている」といった投稿が相次いだ。
【翻訳編集】AFPBB News
2020年6月17日 21時45分 AFPBB News
https://news.livedoor.com/article/detail/18432508/
インドで中国製品の不買運動
18日、中国メディアの観察者網は、インドでマンションの住民が自宅にあった中国製のテレビを破壊するなどといった中国製品に対するボイコット運動が起きていることを伝えた。
2020年6月18日、中国メディア・観察者網の中国版ツイッター・微博(ウェイボー)アカウントは、インドで中国製のテレビを破壊するなどといった中国製品に対するボイコット運動が起きていることを伝えた。
記事はNews18 Indiaの報道を基に、インド西部の港湾都市スラトで、マンションの住民が自宅の中国製テレビを2階から1階に落とし、周囲にいた野次馬が押し寄せて落ちたテレビを徹底的に破壊したと報じた。
インドのソーシャルメディア上では、この行動を支持するネットユーザーらが中国の経済成長を弱体化させようなどとし、より多くの人々に中国製品のボイコットを呼びかけているという。また、民間だけでなく、全インド商業連盟(CAIT)も中国製品のボイコット運動に積極的で、日用品、耐久消費財、玩具、家具など500種余りの中国製品のボイコットリストを発表した。声明は、「これらの商品の製造には高度な技術を必要としないため、インドでも生産できる」とした。
同連盟のプラビーン・カンデルワル書記長は「これらの中国製品をボイコットすることで、2021年12月までに130億ドル分の中国製品の輸入を減らしたい」と述べた。
このニュースを見た中国のネットユーザーからは、「中国で日本車を破壊していた人と同じ病だ」「当時の日本国民の気持ちがわかる」といった反日デモを思い浮かべたコメントや、「せっかく金を出して買ったものだろう。ボイコットしたいなら次から買わないようにすれば良いのでは」「好きにしたらいい。商品代はもらってるし」「こっちはインド製品をボイコットしたくてもボイコットするものがない」といったコメントが見られた。(翻訳・編集/陳)
2020年06月19日 10時20分 Record China
https://news.nifty.com/article/world/china/12181-814768/
2020年5月9日、シッキム州の国境付近で中印両軍の殴り合いによる衝突が発生した。インド紙ヒンドゥスタン・タイムズは、中印軍の総勢150名が関与し、中国側7名とインド側4名の計11名が負傷したと報じている。
もとはといえば、5月5日、中国はチベット西部とパキスタン占領下のカシミールに挟まれた要衝ラダックの2カ所を含む3カ所に軍部隊を展開してインドを驚かせた。この動きの理由は不明のままだが、同地域を連邦政府の直接の管理下に置くという2019年のインドの決定は中国の反発を招いていた。6月中旬にガルワン地域での激しい衝突でインド軍兵士20人が死亡したことで事態は危険な局面に突入した。中国軍の報道官は詳細を明らかにしなかったが、双方に死傷者が出たとしている。死者が出たのは約40年ぶりとなる。
インドは新型コロナの感染拡大に苦しんでいる。6月上旬までに感染者数は約20万人に上り、経済にも深刻な影響が出ている。またモディ首相は外交面で米国に近付きつつある。そのうえで今回の問題である。
さて、中国はコロナウイルスを機に尖閣諸島沖には65日以上連続で公船を派遣指摘ており、また南シナ海では軍事演習を行うなどしている。また、マスク外交もかなり活発に行っているし、東南アジアに対する圧力をかけてきている。実際には、昨年の四中全会で一度凋落が見えた習近平が国内の指示の巻き返しを図っているということになるが、しかし中国の内部事情で外に出られてもいい迷惑でしかない。
その拡大覇権主義と、国内の矛盾を外国に出す排外主義外交が、まさに、そのまま表に出たのが今回の物であり、それに対して、「危機に便乗して国境を畏怖尾に広げようとしている」とした、モディ首相の主張によって、「武力」とは言わないまでも「殴り合い」のけんかになるということになったのであろう。まあ、格闘技であるから、それが現代の戦争というような定義に当てはまるかどうかは別問題であるが、武力行使が行われたことは間違いがない。
さて、中国側はネット上でインドを非難し、インド側は不買運動を行うということになる。またこのことで不気味な影を落としているのが、オーストラリアとパキスタンであろう。
オーストラリアは経済的に中国依存を解消するといっているし、また、インドも不破運動を行うことになる。アメリカの関税戦争を含め「インド洋ダイヤモンド防衛構想」では、日本を除く参加国が中国との経済的な縁を切っている状態であり、今後、アメリカだけでなく、インドやオーストラリアからも、中国との経済的線形を解消するように要求されることが予想される。
一方中国はパキスタンとの連携が強い。まさにパキスタンとの連携は、南部のグワダル港などを含めかなり大きな問題になってくる。今回の問題になっているカシミールも、中国の代理戦争で第三次印パ戦争が起きかねない状態であろう。
このように考えると、「コロナウイルス不況とその国内の矛盾の解消によるブロック経済化」が徐々に進んでいることがわかる。一気に進むことがないとはいえ、戦争が近づいているのではないか。日本はそろそろ旗色を鮮明にするべきかもしれない。
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