「宇田川源流」【大河ドラマ麒麟がくる】 桶狭間の合戦でしばらくのお休みとなる大河ドラマについての雑感

「宇田川源流」【大河ドラマ麒麟がくる】 桶狭間の合戦でしばらくのお休みとなる大河ドラマについての雑感

 今週の大河ドラマもよかった。まあ、単純に桶狭間の合戦であるが、さっざま今までの「通説」といわれるものと、今回の大河ドラマの解釈が異なるところがあり、その内容がなかなか面白い感じになっている。

まず今回の内容で驚いたのが「敦盛」である。

我々の通説の中では「敦盛を舞った」ということになっている。人間五十年下天のうちをくらぶれば夢幻の如くなり。まあ、これを扇を広げて舞った後にそのまま熱田神宮に向かうというような感覚であったが、しかし、今回の信長は敦盛を口ずさむ感じである。正直なところこれはこれでよい。当時の信長は敦盛の舞を練習していたわけでもないし、また、その舞いを誰かに見せるわけでもない。この桶狭間の前の「敦盛」は、自分自身に言い聞かせるために謡ったに違いない。そうであっるならば、口ずさんだというような感じであってもよい、いやその方が史実に近いのかもしれない。

敦盛を謡った信長とそれを涙で見送る帰蝶。このコントラストもよい。そこに突然奇妙丸(後の信忠)が現れて帰蝶に「頼む」という場面などは、なんとなくよくわかる。それだけの覚悟というものだ。何かコミカルで、涙を必要としない信長と、こころのなかのすべてがあふれてくるような帰蝶。このコントラストは非常に面白い。

ある程度の「勝算」とそれに賭ける信長の行動、それに対して、その信長を理解していながらも「もしも」を考えてしまう帰蝶。その帰蝶が今までは裏に回って様々な策謀を繰り広げているが、その策謀も、すべて確実性を増すための悲願であるということがわかる。

信長を質に赴かせないために、帰蝶が様々なところに手を回す。その内容が通じなくなった時に信長が行動に移る。

この二人の夫婦の物語としても面白い。

まあ、この桶狭間の合戦において、光秀は何の行動もしていない。しかし、その何の行動もしていないことが、たぶんよかったのかもしれない。


麒麟がくる:第21回「決戦!桶狭間」視聴率16.3% 番組4番目の好数字で一時放送休止へ

 俳優の長谷川博己さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)第21回「決戦!桶狭間」が6月7日に放送され、平均視聴率(世帯)は16.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前週第20回(5月31日放送)の15.3%(同)から1.0ポイントアップし、番組4番目の好数字だった。

 第21回「決戦!桶狭間」は、今川から松平元康(風間俊介さん)を離反させる工作は失敗に終わるが、父・信秀の教えを思い出した織田信長(染谷将太さん)は、今川が本当にうわさされるような2万もの大軍であるのかを疑い、前線へ出陣する。

 局地戦を展開して、今川義元(片岡愛之助さん)率いる本隊から、徐々に兵を引き離す作戦を決行する信長。一方の元康は、三河勢を駒のように扱う今川方に次第に嫌気が差し始め、織田軍の迎撃に加わることを拒否する。そして暴風雨の中、数の減った今川本隊は、桶狭間山での立ち往生を余儀なくされ、そこに織田の軍勢が襲いかかる……という展開だった。

 「麒麟がくる」は同回を最後に一時放送休止に入る。大河ドラマ枠では、6月14日から特集番組「『麒麟がくる』までお待ちください 戦国大河ドラマ名場面スペシャル」を3週にわたって放送する。

2020年06月08日テレビ

https://mantan-web.jp/article/20200608dog00m200000000c.html


 そして、この会は、16.3%という高視聴率であったという。まあ、他局の番組がすべて再放送や特別編の中で、NHKはオリジナルを行っているのでなかなか良いのではないか。その大河ドラマも来週から3週間、コロナウイルスの影響によりお休みである。ある意味で、仕方がないが、残念な感じである。

しかし、よくこの桶狭間まで行ったと思う。今川義元の死に際も、まあ、かなり演出がすごかったもののなかなかよい感じであった。

記録に残るものとは全く異なる。しかし、ドラマはそれでよいというのが私の発想である。今川義元のところから三河の国衆が徐々に離反してゆくところや、あるいは、吉本が乱取りといって、金目の物を奪う行為に対して激怒するシーンなどは、今川義元が軍を掌握しきれていない状況などが「伏線的に」書かれていることがありなかなか面白い。

そのように考えると、この内容がなかなか面白くできているのではないか。ドラマの中の「伏線」があり、また陳腐な恋物語にしなかったところが、今回の麒麟がくるのすばらしさである。

それにしても、今回の大河ドラマはなかなか大変である。初めに沢尻エリカショック、そしてオリンピック、そのオリンピックがなぜか来年になり、そして、コロナウイルス。将来語り草になる大河ドラマになるであろう。その中ではかなり善戦しているし面白い作りになっていると思う。その面白い作りをどのように考えるのかということが最も重要なところではないかと思う。

7月になって再開される予定であるという。今から楽しみである。

宇田川源流

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