「宇田川源流 日本万歳!」 「天長節」といわれていた天皇誕生日の意味と天皇陛下の有難いお言葉

「宇田川源流 日本万歳!」 「天長節」といわれていた天皇誕生日の意味と天皇陛下の有難いお言葉

 毎週月曜日は「日本万歳!」である。日本のすばらしさを伝えることで一週間、日本人であるということを誇りに思って一週間頑張っていただこうと思っている。普段は月曜日というのは「一週間の仕事はじめ」であり、その仕事を日本人として誇りのある内容にしていただきたいと考えているのである。

本日は、天皇誕生日の翌日ということで、「振替休日」ということになっている。そのために、本日は仕事ではなく一日休んでいただいている人が多いと思うが、それでも、一週間の初めなので、その内容を考えてみたいと思う。


さて、昨日は「天皇誕生日」である。

もともとは「天長節」といわれていたもので、「四方拝」「紀元節」「明治節」とともに「四大節の一つ」として祝われてきていた。実際に「天皇」は古来よりも天照大御神の子孫である。

そして、その天皇は古来より暦をつかさどる神ということになっている。そのために、元号を天皇が決めることになっており、「大化」より。今日まで、天皇陛下以外が、年号を変えることはなかった。

上皇や摂政・関白がいかに権勢ふるっていても、また、征夷大将軍がすべて権力を掌握していたように見えていても、基本的に「暦」を司ることができたのは、天皇しかいなかったのである。

その意味で「暦」を元に、季節が編成され、そして作物の田植えや収穫の時期、花の咲く時期などを示していたということになる。単純に、現在の人のように太陽と月の満ち引きというものだけではなく、そのように生活に密着し、そして、その生活が、そのまま自分たちの生活や将来の設計ということを司っていたということになる。

現在の人の見るカレンダーなどよりもはるかに意味合いの高い内容であったということができるのではないだろうか。

その暦を司る天皇の「生まれた日」は、ある意味で「暦の上でも非常に意味がある」ということになる。当然に、休日にしてお祝いをすることは相当であるということになるのではないか。


天皇陛下が語った令和の「多様性」 誕生日会見で「若い人たち」への期待明かす

 天皇陛下は2020年2月23日、60歳の誕生日を迎えた。

 これに先立つ21日に行われた会見では、改めて天皇としての「つとめ」への決意が語られた。中でも「令和」らしさが際立ったのは、開催が近づく東京五輪・パラリンピックに託して、日本社会の「多様性」の成熟への期待を述べた場面だ。

   64年の東京五輪と「世界の平和」への思い

 「多様性」についての言及は会見中盤、これまでの60年、そして直近の1年で印象に残った出来事、また東京五輪・パラリンピックに期待することを問われる中であった。

 天皇陛下がこの質問に真っ先に挙げたのは、「初めての世界との出会い」だったという1964年の東京五輪だ。

 閉会式では、選手たちがハプニング的に、国の垣根を越えて一団になって入場し、以後もこのスタイルが引き継がれたことで知られる。4歳でこの光景を目の当たりにしたという天皇陛下は、この体験が「変わらず持ち続けている、世界の平和を切に願う気持ちの元となっているのかもしれないと思っております」。

 さらに1970年の大阪万博では、各国のパビリオンを回り「世界にはこんなにも多くの国があり、一つ一つの国が、さまざまな特色を持っている」ということを知り、「世界との初めての触れ合いの場」になったという。

 その上で、2020年の東京五輪・パラリンピックに期待することとして、

「今回のオリンピック・パラリンピック大会を通して、特に若い人たちに、世界の人々への理解を深め、平和の尊さを感じてほしいと願っています。大会の開催期間中や、その前後に、海外からの選手や、観光客が大勢来日するのを契機に、日本の人々、とりわけ若い人たちが、彼らとの交流を通じ、世界の多様性に対する理解を深め、国際的な視野を広げる機会になることを願うとともに、逆に海外の方にとっても、日本のことを知る、よい機会になれば幸いです」

と語り、特に「若い人たち」に、海外の人々との触れ合いを通じて、平和とともに「多様性」への理解を深めてほしいと強調した。

   過去にも「多様性」と「寛容」呼びかけ

 現代の重要なキーワードとされる「多様性」だが、天皇陛下は皇太子時代にも、何度かこのテーマについて言及してきた。

 昨2019年の誕生日会見でも、

「平成は、人々の生活様式や価値観が多様化した時代とも言えると思います。それは、ITその他の科学技術の飛躍的発展によって、更に推し進められた部分もあると思います。今後は、この多様性を、各々が寛容の精神をもって受け入れ、お互いを高め合い、更に発展させていくことが大切になっていくものと思います」

という時代認識を示し、「多様性」と「寛容」の重要さを打ち出している。また、2017年4月の会見ではマレーシア訪問を前に、その社会の印象を「多様性と寛容性」とした上で、こう語る場面があった。

「日本では、協調や譲り合いの精神などが重要視されますが、マレーシアにも『ゴトン・ロヨン』という言葉があり、それは『相互扶助』を意味するそうです。まさに、多様性を抱えるマレーシアの人々が、相手を思いやり、お互いに助け合って、合意を目指すという理念を持っていることの表れだと思います」

   新型コロナ、児童虐待・貧困にも言及

 今回の誕生日会見ではこのほか、令和の社会をめぐるさまざまな問題について触れる中で、新型コロナウイルスの流行にも言及があった。

「罹患(りかん)した方々とご家族にお見舞いを申し上げます。それとともに、罹患した方々の治療や感染の拡大防止に尽力されている方々のご労苦に深く思いを致します。感染の拡大が、できるだけ早期に収まることを願っております」

また、これに続けて、「児童虐待」や「貧困」についても、

「近年の子どもたちをめぐる虐待の問題の増加や、貧困の問題にも、心が痛みます。次世代を担う子どもたちが健やかに育っていくことを願ってやみません」

とのお気持ちを示した。

 令和最初の「天皇誕生日」は、近代の天皇として最も高齢の即位となった天皇陛下が、「還暦」を迎えるタイミングとなった。会見中盤、このことを記者から問われた天皇陛下は、近世以前にはより高齢で即位した天皇もいたとしつつ、

「還暦を迎えるのにあたっては、『もう還暦』ではなく、『まだ還暦』という思いでおります」

と笑顔で応じた。

2020年02月23日 00時00分 J-CASTニュース

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12144-572298/


 さて、先ほど「四大節」ということを言ったので、あえてこれを解説しておこう。

「四方拝」というのは、現在われわれ庶民の言うところで、「元旦」である。

これは「黄龍」という中心にいる天皇が、世界の平和のために、一年の初めに「青龍」「白虎」「朱雀」「玄武」の四つの方向の神々(ここに挙げたのは聖獣であって神ではないが)に対して、一年の五穀豊穣と平和を祈る一年の儀式である。これが簡略化されたものが「初詣」ということになる。

「紀元節」は、日本という国家が生まれた日である。神話に基づいていえば、神日本磐余彦が、現在の奈良県、当時の大和国(その名称があったわけではないが)の橿原神宮のある場所で、天皇に即位した日である。要するにこの国家の誕生の灯である。

そして「天長節」と並んで祝われるのが「明治節」である。「明治天皇の誕生日」ということであるが、明治というのは、近代日本画開化した時であり「文明開化」といわれる時代になる。ある意味で、それまでの日本が生まれ変わり、そして「世界に開かれた」時代といえる。そのことから「世界の中の日本の暦を司った明治を祝う」ということで、明治節がその中に生まれた。

このように考えると、「一年の生まれた時=四方拝」「現在の暦をつかさどる神が生まれた時=天長節」「日本国が生まれた時=紀元節」「世界の中の日本が生まれた時=明治節」というように、すべて「新たな時が生まれた時」が「四大節」ということになる。なお「節」というのは「節句」というように、一つの区切りであり、その区切りの中で一つ時代が変わってゆくということになるのである。つまり、今の日本はこの四つの意味合いの時代の中を生きているということになるのである。

その現在の今上陛下の誕生日である。

「平成は、人々の生活様式や価値観が多様化した時代とも言えると思います。それは、ITその他の科学技術の飛躍的発展によって、更に推し進められた部分もあると思います。今後は、この多様性を、各々が寛容の精神をもって受け入れ、お互いを高め合い、更に発展させていくことが大切になっていくものと思います」<上記より抜粋>

このように多様化とその多様化した世の中の相手を認め合うということが一つの大きな「令和という時代のテーマ」であるということがわかるのではないか。多様化と寛容性この二つを我々も心に、「令和」という時代を生きてゆこうと思う。そのような指針を示してくださる天皇陛下のいる日本に生まれて、本当に良かった。

宇田川源流

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