「宇田川源流」 英国がEUを離脱という新たな時代の幕開けとヨーロッパ内の確執の大きさ

「宇田川源流」 英国がEUを離脱という新たな時代の幕開けとヨーロッパ内の確執の大きさ

 今年の重大ニュースのも入ると思われるものが、イギリスのEU離脱。いわゆるブレグジットであると考えられる。

2016年の国民投票から始まり、今年の1月31日にEUから離脱をした。まあ、細かくはEU本部のあるベルギーのブリュッセル時間で2月1日午前0時に離脱となっているために、イギリスでは少し時間がずれるのであるが、まあ、それでもEUからの離脱が大きく動いたということになる。

それにしても、EUは何が失敗したのであろうか。基本的に、何度も言っているように、EUというのは、「各国家が主権を持ちながら、各国家の政治と経済を統合する」というかなり難しいことを行っている。その試みまでがすべておかしいということを言うつもりは全くない。

しかし、その時に「国家」というものが「人間の集合体」であり、なおかつその人間は、すでに文化も歴史も価値観も存在するものであるということがあり、それを全く尊重せずに統治を行うということに関してはかなりの無理が生じるということになる。

単純に、その文化や民族、宗教を完全に分離するということは、言い換えれば共産主義の「史的唯物論」を共産主義ではないのに行うということになり、政治に関しても、一つの国家間における内容と同じように、一極集中型の「搾取型政治」になってきてしまう。

ある意味で、1990年代以降共産主義を標榜した国々が、人権を知った多くの民衆によって崩壊して言ったのと同じような状況に、現在のEUはなってきているのではないか。

このEUという連合体、もっと言えば「連合国家もどき」は、本来は国家連合のように各国が主権を持ちながら、その政治上における「許認可」「通貨」などのツールをすべて取り上げてしまっているという状況になっているのである。これで各国家がうまくゆくはずがない。先進国といわれる国々が後進国や貧困国にどれだけ援助するかという「イン名連合体」ができてしまうということになる。


【英EU離脱】英国がEUを離脱 ジョンソン首相が「新しい時代の幕開け」を宣言

 【ロンドン=板東和正】英国は1月31日午後11時(日本時間2月1日午前8時)、欧州連合(EU)から離脱した。2016年6月の国民投票から約3年半続いた混迷にようやく終止符が打たれた。英国は1973年にEUの前身、欧州共同体(EC)に加盟してから約半世紀を経て、独自の道を歩むことになる。

 ジョンソン英首相は31日夜の離脱直前、国民に向けたビデオメッセージを発表し、「(離脱は)終わりではなく、始まりだ」と強調。「私たちが本当に団結し、レベルアップしていく瞬間」であり、「真の国家の再生、変化の瞬間となりえる」と訴え、「新しい時代の幕開け」を宣言した。

 英国は離脱後、12月末まで現状のEUとの経済関係を継続する「移行期間」に入り、EUと自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉を始める。ジョンソン氏は移行期間中にFTAを締結して「完全離脱」を実現することを目指しており、11カ月で交渉できるかどうかが注目される。

 一方、EUは初めて加盟国が脱退する歴史的な転機を迎えた。加盟国は28カ国から27カ国になる。中国やロシアが台頭し、米欧同盟にきしみが生じる中、欧州の結束が試される。

 英国では東欧のEU加盟国からの移民増加などへの不満からEU離脱論が高まり、2016年6月に当時のキャメロン首相がEU離脱の是非を問う国民投票を実施。僅差で離脱派が残留派を上回り、離脱が決まった。

 キャメロン氏の後を継いだメイ前首相は離脱条件を定めた協定案にEUと合意したが、英議会で承認される見通しが立たずに辞任。早期離脱を訴えたジョンソン氏の下、与党・保守党が昨年12月の総選挙で大勝を遂げたことで、離脱への道筋がついた。

2020年02月01日 08時04分 産経新聞

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12274-548283/


 そのことに早めに気づき、なおかつ、先進国といわれるドイツやフランスの嫌がらせに負けずに、国家の意志を通すことができる国であるイギリスが、EUから離脱したという。

多くの日本人は「戦争時内連合体の方が良い」というような感覚を持っているが、実際に「連合体であるから、搾取される」というようなことも全く考えられないのは残念なことである。

まあ、それでも様々あった。上記の記事においても、そのことは簡単に出されているが、キャメロン首相が国民投票を行い、それで退陣その後メイ首相が行ったが、結局なんだかわからずに、自分のロマンを語って終わってしまったという感じになっている。

そのために、当初から離脱推進派のジョンソン首相が出てきてそれを決めたということになっている。まあ、議会(下院)のエリートは何か様々なことを言っていても、国民の意思は高かったということになる。

ある意味で、このままEUに残っていれば、イギリス王室は、フランスや同一などの大統領制になってしまっていたに違いない。そもそも「史的唯物論的な政治」が行われているということになり、その政治のマイナス部分が徐々に出てきているということであれば、まさに「文化と歴史の象徴である王室を排除する」ということが最も手っ取り早いからである。ある意味で、ジョンソン首相は、イギリス王室とイギリスの文化を守ったと評価されることになるのではないか。

では、今後どのようになるのか。

もちろん経済的な混乱などが予想されている。しかし、幸か不幸か、「中国の新型コロナウイルス」によって、経済の混乱が世界的に行われることになるので、その内容をいかに考えるかという事がかなり大きな問題になってくるのではないか。

経済の混乱がなくなれば、当然にイギリスの方がうまくゆく。ある意味で「図体が大きい方が改革などには弱いし時間がかかる」ということになる。単純に、共産党による文化革命的なことがなければ、EU内部は分裂状態と搾取というような感じになってしまい、ある意味で、ウイグルやチベットの自治区と漢民族の対立様な状況になってしまう。そのままで大丈夫なのかどうかはかなり大きな問題ではないのか。

それに比べれば、イギリスは、ある程度の混乱の後に持ち直すことが予想される。そこにEU側(ドイツと中国・ドイツとイスラムはかなり仲が良い)になるのかイギリス側になるのか中国やイスラムがどのように対処するのかということがかなり大きな要因になる。

もう一つは日本であろう。今後どのようにするのか。そのことをしっかりと見てゆかなければならない。

宇田川源流

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