「宇田川源流 日本万歳!」 立体的で宇宙を示しそしてすべてを食べることでバランスと健康を得られる日本食のすばらしさ
「宇田川源流 日本万歳!」 立体的で宇宙を示しそしてすべてを食べることでバランスと健康を得られる日本食のすばらしさ
毎週月曜日は「日本万歳!」。これから始まる一週間、プライベートに、仕事に頑張っていただくために、日本人として誇りを持てるような内容を記載し、そして、日本人のすばらしさを感じていただいて、頑張っていただこうという企画だ。昨日まで土曜日、日曜日、少し寒くなりまた紅葉などを見に行って少し体調が厳しくなるこの季節、冬というのことで、先日までの温かさから急に冬の厳しさがつらくなる。そのような中で、いつもと同じパフォーマンスを維持していただくためには、やはり心から元気になっていたいただくのが一番ではないか。そのように思っている。
さて、今回は、その日本人の「食」に関することである。
日本人の食、「和食」「日本食」というのは、世界で非常に人気がある。基本的に日本食というのは「引き算の料理」といわれる。すべての素材のいいところだけを引き出して、他の部分は食べられるのに捨ててしまう。「出汁を取る」などというのはまさにそうで、煮干しでも昆布でも、長く煮込めばえぐみが出てしまって、かえってあまりおいしくなくなってしまうものなのである。そのおいしい出汁の部分を取り出して、その後、食べられる煮干しや昆布は捨ててしまう。もちろん最もおいしいところを出してしまっているので、それでももったいなくはないのであるが、しかし、食べ物が少ない地域ではなかなかそのようなことはできない。ブイヤベースなどは、すべての物をそのまま入れっぱなしにし、そして具として食べてしまうようなものだ。しかし、日本の出汁は、全く異なる。日本以外の料理は足し算の料理なのに対して「引き算の料理」といわれるのは、そのようなところだ。
そして、その引き算の料理を行えるだけの「豊かさ」が日本の料理には存在するのだ。それでは中国のようにメンツで料理を残さなければならないのか。そんなことは全くない。つまり「おいしいものを食べるため」に「おいしくないところを捨てる」ということはするが、それ以外はすべて食べることができるのである。
例えば「刺身についている菊の花」は食べられるのであろうか。
お刺し身に「菊」の花が添えられるのはなぜ? 食べられるもの?
飲食店で刺し身を注文すると、お皿に盛られた刺し身とともに「菊」の花が添えられて出てくることがあります。同様に、スーパーマーケットで売られているパックの刺し身にも、菊の花が添えられていることがあります。なぜ、刺し身の横には、菊の花が添えられているのでしょうか。料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きました。
江戸時代から食べられるように?
Q.刺し身に菊の花が添えられるようになったのは、なぜですか。
関口さん「菊の花は彩りの美しさはもちろん、解毒効果を利用した殺菌目的や、香りを楽しむ薬味として添えられたと考えられています。刺し身などに添えられる菊の花は、全て食用菊で、タンポポのような小ぶりでおなじみの菊は『秋月』という品種です。
菊は平安時代に中国から日本に伝来し、観賞用や薬用として宮中で好まれるようになったと考えられています。食用菊が本格的に発達したのは江戸時代で、苦味を取り除き、花弁を大きくする改良がなされたり、品種も多種栽培されるようになったりしました。刺し身に添えられるようになったのも、この時期ではないかと考えられます」
Q.添えられた菊の花は食べられるそうですが、どのようにして食べたらよいのでしょうか。栄養はあるのですか。
関口さん「軸ごと食べると苦味があるので、花びらをちぎって刺し身に散らしたり、しょうゆに入れて味や彩りを楽しんだりするのが一般的です。栄養は、葉酸をはじめとしたビタミンB群、ベータカロテン、ビタミンCなど、抗酸化作用の高い栄養素が多く含まれます。体内のグルタチオンという解毒物質の産生を高めることも発見されています。最近の研究で、がん予防や、コレステロールや中性脂肪を下げる効果があるなど、健康に役立つ食べ物としても知られてきました」
Q.食用菊は観賞用とどのように違うのですか。
関口さん「食べられる菊は食用に品種改良されたもので、苦味が少なく、花弁を大きくし、味や香り、食感に優れています。『秋月』など刺し身に添える小さな黄色い菊は、愛知県で多く作られています。他に大ぶりな食用菊もいろいろあります」
Q.あるテレビ番組のアンケートでは、97%の人が「菊の花を食べない」と回答するなど、実際に食べる人はほとんどいないそうです。なぜ、刺し身の菊を食べる習慣が広まっていないのでしょうか。
関口さん「刺し身に添えられた菊は食べる部分が少ないことに加え、食べ方が分からない人がほとんどだからではないでしょうか。高級肉やおせちの飾りなどに造り物の菊が入っている場合もあり、食べ物というより飾り物のイメージが強いこともあるかもしれません」
Q.刺し身以外に、菊の花を添える料理はありますか。
関口さん「ちらしずしやサラダなどに花弁を散らすことがあります。花弁の大きな物はシャキッとした独特の食感があるので、お浸しやあえ物、酢の物、吸い物に加えるなどして使われています」
Q.料理の主役になる菊の花もあるのでしょうか。
関口さん「食用菊の代表的な品種として、紫色で大振りの『延命楽』という菊がありますが、料理の主役になります。食用菊の6割がこの品種で、主産地の山形県では『もってのほか』『もって菊』と呼んでいます。『天皇陛下の紋章である菊の花を食べるなんてもってのほかだ』『もってのほかのおいしさ』などから転じた命名だそうです。また、『カキノモト』とも呼ばれています。
濃い黄色の『阿房宮(あぼうきゅう)』という青森県八戸市特産の菊も料理の主役になります。『延命楽』『阿房宮』は一般に、さっとゆでて野菜のような感覚で使います。菊の花の甘酢漬け、あえ物、おひたしは代表的な料理です。山形県では特に、菊を食べる文化が色濃いようです」
オトナンサー2019年11月14日06時10分
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/otonanswer/life/otonanswer-53039
スーパーマーケットや気の効いた魚屋などに行くと「食用菊」というものが売っている。実際に、「食用」と書いてあるので、食べられることは間違いがない。私など中国にいたことがある経験から、変なゲテモノを食べたことがあるかと聞かれることがあるが、パセリや、菊の花を食べると結構驚かれる。しかし、実際は菊の花は食べるものである。
日本料理の盛り付けというのは、客(食べる人)から見て奥の方に高みを作り、なるべき立体的に、そのうえで、彩をうまく考えて「宇宙」を表現するように盛り付ける。
昔、料理の鉄人という番組があり、洋食の鉄人坂井宏之シェフが「料理界のドラクロワ」といわれていて、皿を一つのキャンパスに見立て、おいしくなおかつ芸術的に美しい料理を出していた。これに対して和食の鉄人道場六三郎は、当時皿の上に食べるもの少なくとも自然の物(例えば紅葉の時期ならば紅葉や枝など)をあしらった盛り付けであった。洋食の鉄人のように、皿絵を描く訳ではない。しかし、自然にあるものを使い、そこに色とりどりの食材を並べて、その食材で山や川や海を表現するのである。洋食と和食の全く異なる考え方がそこにあった。
もう一つ、日本と西洋の違いを見てみよう。西洋は、石造りで統一された街並みを「造る」のである。バッキンガム宮殿でも他の城でも、その庭園も手入れをして作るのである。これに対して、例えば京都の清水寺などは、「借景」といって自然のままの山や空など、手つかずの自然と、その手前に自分の多少の庭園などを入れ、その周辺の景色を借りて、部屋の中の景色とする。すべてを人工で作るのではなく、自然のそのままの景色を活かして、それを室内の装飾として「借りる」つまり、自然をそのまま生かすというような考え方になっているのである。
つまり「自然を生かして自然とともに生きる」ということが、日本の心の中には非常に高く存在する。これは、今も昔も全く同じで、私が歴史小説を書いている戦国時代や幕末でも同じことになる。そして、その自然を生かした防御が「城」になり、また自然の中で生活する知恵が「古民家」の中に凝縮される。今ではそのようなことを体験できることが少なくなってしまったので、そのような体験ができるところは、大事にしてもらいたい。単に古民家を楽しむのではなく、「古民家として存在している自然との共生を感じてもらう」ということが重要なのではないだろうか。
さて菊に話を戻そう。
栄養は、葉酸をはじめとしたビタミンB群、ベータカロテン、ビタミンCなど、抗酸化作用の高い栄養素が多く含まれます。体内のグルタチオンという解毒物質の産生を高めることも発見されています。最近の研究で、がん予防や、コレステロールや中性脂肪を下げる効果があるなど、健康に役立つ食べ物としても知られてきました。<上記より抜粋>
まさに「美しく、そしておいしく(菊の場合はちょっと苦みがあるようであるが)、そして健康に良い」ということになる。魚の余分な油分などを調整し、そして、中性脂肪などを下げる効果があるのである。それこそ非常に大きな役割を果たしている。そして見た目にもよい。
日本料理にはそのような「自然と共生しながら健康を保つ知恵」があり、それが現在も「慣習」として残っているのである。日本人の知恵は、本当に奥が深いのではないだろうか。皆さんも、身近にあるこのような日本人の知恵を探してみると、楽しいのかもしれないし、また、観光のネタとしても使えるのである。
ああ、日本人として生まれてきてよかった。
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