「宇田川源流」【大河ドラマ 豊臣兄弟】 奈良筆からできる大和郡山という演出

「宇田川源流」【大河ドラマ 豊臣兄弟】 奈良筆からできる大和郡山という演出


 毎週水曜日は、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟」について、好き勝手な感想を書いています。一応好き勝手な感想を書いているだけでは面白くないので、ドラマの構成に関する内容と、もう一つは史実といわれる「歴史の世界で言われている『史実』といわれる内容」の検証と二つをやってみたいと思います。

今回は、仲野太賀さん演じる羽柴小一郎秀長が、大和郡山城下において、街づくりをしていることが苗刺されています。城下ということで今回は商業と街づくりがテーマになっています。では、史実はどうなっているでしょうか。

天正13年、豊臣秀長は大和国に入国すると、筒井氏の居城であった郡山城を拠点として大規模な改修に着手しました。それまでの大和国では、興福寺をはじめとする強大な社寺勢力や現地の有力武士が各地に割拠しており、商業の中心も古くからの門前町である奈良にありました。秀長に与えられた課題は、そうした旧来の権力構造を抑え込み、政治と経済の新たな中心地として大和郡山を飛躍させることでした。

 秀長が取った城下町造りの手法は、商業の誘致と集中です。彼は近郊の奈良だけでなく、堺などの主要都市から優秀な商人を呼び寄せました。さらに、味噌や酒、薬、材木、塩といった主要な商品の販売権を城下に集め、特定の商業取引を郡山に集中させる特権的な政策を推し進めました。これにより商人たちは郡山に集まり、同業者ごとに整然と区画された町筋が形作られていきました。現在も残る魚塩町、雑穀町、材木町、紺屋町といった町名は、このときの業種別町割り作りに由来しています。

 また、秀長の施策の中で特に独創的で先進的だったのが、町人に自治権を与える「箱本(はこもと)制度」の導入です。城下に集めた十三の町を対象に、年貢などの地租を免除する膨大な特権を与える代わりに、町人たち自身に町の防犯や防火、簡易な裁判の管理、旅人の馬の手配などを自主的に請け負わせました。この制度では、秀長から下賜された特許状を収めた朱印箱と特製の日章旗を十三の町が月替わりの当番制で引き継ぎ、当番となった町が中心となって城下の治安維持や行政の実務を担いました。

 上からの強力な権力によって商業を呼び込みつつ、町内部の維持については町人の自律的な団結と誇りに委ねるという絶妙な手法をとったのです。この秀長の柔軟かつ先進的な都市経営により、もとは一地方の城郭周辺に過ぎなかった郡山は、瞬く間に大和国随一の繁栄を誇る城下町へと変貌を遂げました。在城期間はわずか6年ほどでしたが、彼が築いた町割りと箱本制度の精神は江戸時代以降も脈々と受け継がれ、大和郡山の発展を支え続ける礎となりました。

<参考記事>

【大河ドラマ 豊臣兄弟!】第38回「和を以て、大和をなす」回想 城下町振興に心血注いだ秀長 「筆」は奈良の名物 日本美術史のスーパースター狩野永徳 ついに登場した「豊臣」

2026.10.04 美術展ナビ

https://artexhibition.jp/topics/news/20261004-AEJ3012607/

<以上参考記事>

 前回、第37回の続きで大和の国の国づくりということになります。大和国は、平安時代以来、国守がいない国であったとされています。戦国時代に「武士以外の自治」があったのは、京都と堺、そして伊賀・奈良ということになります。京都は朝廷が守っていたのですが、性格には将軍もいましたし、また織田信長が来るまでは三好長慶等も支配していたのです。伊賀は実質的に伊賀忍者があり、百地三太夫等が共同で統治をしていたとされています。また、堺は国ではありませんが商人が合議制で物事を決め家板ということです。そして奈良は、筒井順慶や松永久秀などがいて、その前は畠山氏が守護大名としていたということになっていますが、国守はいなかったために、興福寺が国守の代わりをしていたということになっています。

そのことから、商人などが興福寺と結んで利権を持っていたということになります。この時代は商人のこの独占権のことを「座」といい、織田信長は岐阜城の時代から座に限らず商業を自由化していたのですが、大和国迄はその威光が響かなかったということになります。そのような背景がわかると、今回の内容は面白く見ることができたのではないでしょうか。

今回は、奈良の筆職人で自由に自分の商売をしたい才蔵(間宮祥太朗さん)を、「象徴的」に使うことで大和郡山を栄えさせる、自由に商売をできるということで、奈良の座の下で自由にできない商人たちを誘引するということをしたということになります。

ドラマとしては「よくあるタイプ」であり。前回の内容と同じような感じになります。ある意味で、ベタな「サクセスストーリー」で構成されているということであり、また、そのキーポイントになるのは、羽柴秀長(仲野太賀さん)の妻である慶(吉岡里帆さん)と娘である末(池端杏慈さん)の持つヤクの毛ということになります。

そしてその筆を使って狩野永徳(片岡鶴太郎さん)が絵を完成させ、そしてその絵を描いた筆ということで大和郡山が栄えるということになります。

ある意味で「期待とそれに応える」ということそして「その人を信頼する」ということが、今回のテーマです。一緒に「投資」という考え方もこの時代にあったということで書かれる形になるのです。もちろん主人公の秀長が始めたという事でしょう。

もう一つは藤堂高虎(佳久創さん)が、商売を「新しい戦い」と称して街造りをしていたということになります。これも後の世を知っている人には、「この時に築城と内政の天才」として家康(松下洸平さん)に後に信用される人物になるということになります。その複線がこのようなところに出てくるということになるのです。

宇田川源流

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