「宇田川源流」【現代陰謀説】 AIによる「6つのリスク」の陰謀

「宇田川源流」【現代陰謀説】 AIによる「6つのリスク」の陰謀


 毎週金曜日は、現代陰謀説を書いています。現在の陰謀に関してその内容を見てみましょう。

影、嘘、そして偽りの光――私たちが息をひそめて暮らすこの現代社会において、「陰謀」という言葉ほど甘美で、同時に不気味な響きを持つものはありません。

 かつて、陰謀論といえば深夜のラジオ番組や、都市の片隅で売られる怪しげなオカルト雑誌、あるいは掲示板の地下深くで密やかに囁かれるものでした。世界の裏側で糸を引くのは、秘密結社「フリーメーソン」であったり、人類を影から支配する爬虫類型宇宙人「レプティリアン」であったりしたわけです。それらはどこか滑稽で突飛でありながらも、人間臭い欲望や妄想が滲み出る「フィクション」として楽しむ余白が残されていました。

 しかし、21世紀の今日、その景色は一変しました。陰謀説の主役、あるいはその「語り部」として、突如としてスポットライトの真ん中に躍り出た存在があります。それが「人工知能(AI)」です。

 フィクションの世界において、AIの脅威といえば古くから決まっていました。映画『ターミネーター』に登場する超知能「スカイネット」のように、自己意識に覚醒したAIが冷徹なロジックのもとで人類を「不要な害獣」とみなして滅ぼしにかかる、あるいは殺戮マシンが街を闊歩するという破滅的シナリオです。血の通わない機械が圧倒的な武力で人を殺す――私たちは長年、AIに対する究極の恐怖をそのような「物理的な破壊」として想像してきました。

 ですが、いま私たちが直面している現代の陰謀論において、AIはもっと優雅で、もっと不気味な方法で私たちを脅かしています。AIは金属の身体を持って人を殺すのではなく、私たちが信じる「現実」そのものを解体することで、社会を内側から蝕んでいるのです。

今回はAIについて、BRICSで話された内容を見てみましょう。

<参考記事>

中国情報機関トップ、AIによる「6つのリスク」を警告…筆頭は「政権の安定」への脅威(海外)

9/17(木) 11:10配信 BUSINESS INSIDER JAPAN

https://news.yahoo.co.jp/articles/95d6c8715db1419427c91da98bdac0cfe7e5b584

<以上参考記事>

 先日、世界を揺るがす異例のニュースが駆け巡りました。中国の情報機関トップである国家安全部の陳一新部長が発表した論文の中で、AI(人工知能)が及ぼす「6つのリスク」を列挙し、政府による統制強化を強く訴えたのです。

 そのリスクには、技術発展の不均衡や社会統治への課題、戦争形態の根本的変容などが挙げられていましたが、彼らが何よりも危険視し、筆頭に掲げたのは――「政権の安定」への脅威でした。

 世界屈指の監視社会を築き上げ、あらゆる言論や情報を完璧にコントロールしているかに思える巨大国家の影の権力者が、いまや「AIという技術」に対して本気で怯えている。この事実は、現代社会における支配と情報の構造がどこに向かっているのかを象徴的に物語っています。

 なぜ、強力な権力を持つ支配層がこれほどまでにAIを恐れるのでしょうか。国家安全部が懸念を示す「政権の安定」や「社会秩序の混乱」という言葉の裏には、従来の都市伝説や陰謀論とは一線を画す、冷酷な現実のリアリティが存在します。

 これまで国家による情報統制は、メディアを押さえ込み、特定のキーワードを検閲することで成立していました。しかし、AIの登場によってその前提は崩壊しました。精巧なディープフェイク動画や、人間の感情を精緻に揺さぶるプロパガンダ文章を秒単位で大量生成できるAIは、監視の網目を容易にすり抜けます。

 権力者が真に恐れているのは、外部の敵対国家や民衆の反乱そのものではありません。「誰が作ったのかも分からないAI生成の偽情報によって、世論が一夜にして操作され、国家の根幹である『信用』が破綻すること」なのです。支配するための兵器として磨き上げてきた高度情報社会の技術が、巡り巡って支配者自身の喉元に刃を突きつけている――これほど皮肉な構造があるでしょうか。

 ここで、私たちはひとつの恐ろしいパラドックス(逆説)にぶち当たります。

 中国が訴える「AIのリスクを防ぐための強力な統制強化」という姿勢。一見すると、社会の安全や秩序を守るための正当な防衛策に見えます。しかし、陰謀論的な視点を一歩押し進めるならば、これこそが国家による「究極の管理社会」を完成させるための巧妙な口実(大義名分)なのではないか、という疑念が浮かび上がります。

 「AIのリスクから国民を守るため」という名目のもと、あらゆるAIシステムに政府のバックドアが仕掛けられ、市民の思考やアルゴリズムの挙動が24時間体制で監視・統制される。もしそうだとすれば、国家安全部が警戒している「政権を揺るがすAIの脅威」そのものが、監視体制をさらに強固にするための自作自演、あるいは都合の良い演出だという見方もできてしまいます。

 「AIという脅威から逃れるために、私たちはより深い監視の檻へと自ら進んで入っていく」――これこそが、現代において最も洗練された「陰謀」のシナリオなのかもしれません。

 かつて陰謀論は、国家や秘密結社という「人間」が仕掛けるものでした。しかし今、私たちは「国家すらも恐れるAI」と「AIを恐れるフリをして統制を強める国家」という、真実と虚構が入り乱れる迷宮の中に立っています。

 中国の情報機関トップが発した警告は、単なる一国の安全保障のニュースにとどまりません。それは、私たちが信頼してきた「国家」「情報」「そして真実そのもの」の崩壊を告げる、静かなカウントダウンの音なのかもしれません。

 画面の向こうで語られる「国家の危機」。それは本物の悲鳴なのか、それとも次なる支配への招待状なのか――答えは、アルゴリズムの海の中に消えていきます。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

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