「宇田川源流」【日本報道検証】 戦術的に勝っていても戦略的に負け始めたロシア
「宇田川源流」【日本報道検証】 戦術的に勝っていても戦略的に負け始めたロシア
毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」として、まあニュース解説というか、またはそれに関連するトリビアの披露とか、報道に関する内容を言ってみたり、または、報道に関する感想や社会的な問題点、日本人の文化性から見た内容を書き込んでいる。実際に、宇田川が何を感じているかということが共有できれば良いと思っているので、よろしくお願いいたます
さて今回は、現在のロシアとウクライナの戦争(本来は宣戦布告を行っていないので、国際法上は戦争とは言えない状態ですが、本文中は時数の事などもあり便宜的に戦争という単語を使います)について、ここに来て少し変化しているのではないかとみております。
実際に、プーチン大統領が、かなり弱気になっており、またロシアの経済も悪化しています。ウクライナが製油所を攻撃して石油などが足りなくなっているということもあるのですが、一方で中国などとの連携がうまくいっておらず、5月の中露首脳会談で画策したガスパイプラインの施設に関して最終的な合意にならなかった、つまり、ロシアとの貿易を中国は行わないという選択をしたということになります。イランとアメリカの戦争もあり、イランのドローンの使用などもできず、またスターリンクなどができなかったので、ウクライナの中にいてドローンの電波が届かず、使うことができないということになるのです。
要するにウクライナ国内ではアナログの戦いをしなければならず、また、その為の戦車や装甲車は性能よりも低いので、あまり役に立たず、結局は「人海戦術」になってしまうということになってしまうということになりす。しかし、その為に戦死者は100万を超え、また関連死なども含めればかなり数の死者が出てしまいます。
戦争において、ウクライナの被害の倍以上の被害がロシアに出てしまう場合は、どうなるのでしょうか。例えば1000人と1000人の部隊が戦い、片方がゼロ、片方が100人被害が出た。その場合、被害が出たほうの残り部隊数はいくつか、ということになります。実は答えはゼロ。900ではありません。何故ならばみな逃げてしまうからです。
今のロシアがその状態でしょう。だから徴兵をしても人が集まらなくなるのです。それが今のロシアを象徴している状態なのです。
<参考記事>
ウクライナ、最前線から1200キロ以上離れたロシアの世界最大ガス処理施設攻撃
6/25(木) 8:14配信 中央日報日本語版
https://news.yahoo.co.jp/articles/f22c60337dd80bec46d050bdd79732610b459ed9
<以上参考記事>
ウクライナ軍がロシア国内の深部にある重要なインフラを攻撃できるようになり、確かに戦況の潮目が変わりつつあるように感じられます。ご指摘の通り、ロシアの姿勢にいくつかの変化が見られるのも事実です。
しかし、現在の本当の戦況を詳しく見ていくと、どちらか一方が完全に有利になったと言い切れるほど単純ではなく、双方が別の形で限界を迎えつつある泥沼のフェーズに入っています。
まず前線の状況についてですが、実はウクライナが圧倒的に優勢になったわけではありません。ウクライナ東部や南部の地上戦においては、ロシア軍が依然として物量に物を言わせて少しずつ進軍を試みており、激しい一進一退の攻防が続いています。ウクライナ軍はアメリカや欧州からの兵器支援を受けて持ち直してはいるものの、兵士の不足や前線の疲弊という厳しい課題を抱えたまま、必死の防衛戦を展開しています。
では、なぜ今回のように1200キロも離れたロシアのガス処理施設を攻撃できたのかというと、ウクライナが独自の「ドローンによる長距離打撃戦略」を飛躍的に進化させたからです。前線でロシア軍を押し戻すのが難しいからこそ、ウクライナはロシアの経済や戦争継続能力の心臓部である石油・ガス施設、製油所を狙い撃ちにする作戦に出ています。自国で大量のドローンを生産し、ロシアの防空網をすり抜けて経済基盤を物理的に破壊するこの戦術は、ロシアに大きな経済的損害と心理的プレッシャーを与えています。
このウクライナからの逆襲を受けて、ロシア側の国内情勢や国家としての姿勢にも変化が生じています。プーチン政権は公式には依然として強気な姿勢を崩していませんが、当初掲げていた「ウクライナ全土の占領や現政権の打倒」という途方もない目標は、現実的に不可能であることを突きつけられています。戦死傷者が莫大な数に上り、首都モスクワや重要な経済施設にまでドローンが飛んでくるようになったことで、ロシア国内の市民やエリート層の間にも、終わりの見えない戦争に対する強い疲弊感や不満が広がっています。ロシア政府が北大西洋条約機構(NATO)を過度に挑発するような激しい発言を以前より控えるようになったのも、これ以上戦線を拡大して自国が致命的な国力低下に陥るのを避けたいという、防衛的な心理の表れと言えます。
現在は「ウクライナが有利になった」というよりは、「ロシアが一方的に攻め立てるフェーズが終わり、ロシア側も自国の脆さを露呈し始めた」という状態です。ウクライナはドローンによる頭脳的な本土攻撃でロシアの息の根を止めようとし、ロシアはそれに耐えながら地上戦の物量で押し切ろうとしています。双方ともに決定打を欠くなかで、戦争の長期化による疲弊がロシア国内の政治や社会を内側から揺るがし始めているのが、現在の複雑な戦況のリアルな姿です。
ロシア国内の厭戦気分から、徐々にプーチン政権の支持が少なくなっているのではない課とみられています。ただ、それが直ちにプーチン政権の崩壊や支持の急落につながるかというと、現実はより複雑で歪んだ構造を持っています。
現在のロシア国内における世論と政治の動きは、いくつかの重要な要素が絡み合って変化しています。
まず世論の動向ですが、独立系の調査機関などのデータを見ても、このところプーチン大統領の支持率や国家の方向性に対する肯定的な見方に、これまでになかった明確な陰りが見え始めています。開戦以降、高い水準を維持していた大統領への支持や信頼度は、ここ数ヶ月で大戦後最低の「低下傾向」を記録しています。これは、国民が戦争そのものの不条理さに気づいたというよりは、むしろ「生活の困窮」と「終わりの見えない疲弊」が原因です。物価の高騰、相次ぐ増税、そして地方を中心とした深刻な労働力不足といった経済の歪みが、いよいよ市民の財布を直撃し、これまでの「何だかんだで生活は維持できている」という楽観論が崩れ去っています。
さらに、停戦や平和交渉を望む声は急増しており、国民の過半数、調査によっては7割近くが「今すぐ和平交渉を始めるべきだ」と考えています。モスクワや主要都市にまでドローンが飛来し、通信制限やネット規制が日常化するなかで、戦争がもはや「テレビの向こうの出来事」ではなくなり、日常の平穏を脅かす存在になったことが、この強い厭戦気分を生んでいます。
しかし、この厭戦気分が「政権への反旗」として表面化しないよう、プーチン政権は国内の締め付けを狂気的なまでに強めています。政権は現在、反戦を唱える一般市民だけでなく、かつては国営メディアで活躍していたような身内の保守派や、政権に忠実だったはずのナショナリスト層に対しても、わずかでも戦争への批判や弱音を吐けば「軍の信用失墜」として容赦なく逮捕・弾圧するフェーズに入っています。主要な人権団体や独立系メディアは軒並み「過激派組織」に指定されて国内での活動を完全に禁じられ、事実上の言論封殺が行われています。
つまり、現在のロシア政治の本質は「支持されているから安定している」のではなく、「不満を持つ国民が恐怖と圧倒的な弾圧によって声を上げられない状態」にあります。国民の多くは、政権を積極的に支持しているわけではなく、「今ここで声を上げても処罰されるだけだ」「もし今の体制が倒れたら、国がさらに大混乱に陥るかもしれない」という諦めと恐怖から、沈黙を選んでいます。
このように、ロシア国内では経済の危機とインフラへの攻撃によって「これ以上戦争を続けたくない」という厭戦気分が確実に高まり、プーチン政権の足元をじわじわと侵食しています。それでもなお、独裁体制が維持できているのは、徹底的な恐怖政治によって社会の反発のエネルギーを力づくで押さえ込んでいるからです。政権の支持基盤はかつてないほど脆くなっていますが、それが表立った政治的混乱として噴出するかどうかは、この先さらに経済がどこまで耐えられるか、そして政権の抑圧体制にどこでヒビが入るかという、非常に綱渡りな段階に差し掛かっています。
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